Leonna's Anahori Journal
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2007年12月31日(月) 年末恒例総まとめ


明日から二泊で、別府の叔母さんのうちへいくことにした。
別府湾を望む山の上にある叔母さんのうちには温泉がある。お正月プラス温泉。
それで、大掃除もそこそこに旅支度を始めた。なにしろ、温泉が私を呼んでいるのだ。
 
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大晦日らしく、今年一年をザッと振り返ってみる。

まず一番印象深かったのが、入院。
いろんな意味で今年を象徴する出来事だった。2007年は「入院の年」としてチマリスの記憶に深く刻まれることになるであろう。
 
 
それと、伊豆の海。シーズンだというのに誰もいない石ころの海岸。まるで子供の頃にタイムスリップしたみたいだった。
伊豆の海があんなエメラルドグリーンをしているなんて、知らなかったなー。
  
 
次、読書。
2007年は辻邦生を発見した年だった。そして、そのことによって「純文学とはなにか」という問に対する答えを(自分なりに)見つけられた年でもあった。
実に実に豊饒、贅沢な体験であった(と、いま書いていて気づいた)。
それから、年初に読んだ村上春樹訳による二冊「バースデイ・ストーリーズ」と「月曜日は最悪だとみんなは言うけれど」がとても良かった。
春樹の小説を待ちのぞんで読むことは少なくなったけれど、彼の翻訳は、いまでも好きです。
  
 
そして。
実は今年、私は映画を38本も観ている(ほとんどレンタル)。
それプラス「プリズンブレイク」シリーズ1、2の全巻を借りて観ているのだから、TSUTAYAさんからは何かもう少しサービスがあってもいいのではないかと思うくらいだ。
これらは、要するにストレスに対抗するための娯楽みたいなものだったのだが、対抗の仕方がすでに病的だったという気もする。
そういった背景はともかくとして、印象に残った映画を何本か。

「クィーン」。これは映画館で観た。エリザベス女王役でアカデミー主演女優賞を受けたヘレン・ミレンは、もともとは反体制的(セックスピストルズ的な)考えの持ち主であったのが、映画のために女王の生き方を調べるうちにとうとう彼女に惚れ込んでしまったのだ、という。
映画を観ると、そのミレンの言葉の意味がよくわかる。人間というものが実に良く、わかりやすく描かれた面白い映画だった。

「ブコウスキー、オールドパンク」。チャールズ・ブコウスキーに対する私の認識のうちで大きく間違っていたのは、彼が終世不出世(パンクのまま)で終わったのだろうという思い込み。とんでもない!、彼は素晴らしく成功し、名をあげてから死んだのです。
容貌に大きなコンプレックスを抱いていたというブコウスキーが、世間に認められ、生活が変わって行くにつれて実に魅力的な立派な容貌を得て行く。それを目の当たりすることができる貴重な記録フィルム。

「ぼくを葬る」「8人の女」「まぼろし」「スィミング・プール」。
読書が辻邦生なら、映画はフランソワ・オゾン監督だ。このゲイの監督の感覚。素晴らしく出来上がったものを拝むというよりは、これからまだ面白い作品をつくりながらサイズアップしていきそうな感じ。「ぼくを葬る」の最後、メルヴィル・プポーの死にっぷりと、「まぼろし」のシャーロット・ランプリングのすべてが、特に美しかったです。
 
今年はオゾン監督作品の他にも、ゲイ・テイストが素晴らしく発揮された映画をたくさん観た。ペドロ・アルモドバル監督(女装の男大集合!)の「バッド・エデュケーション」「オールアバウト・マイマザー」。
他にも「トランスアメリカ」「プルートーで朝食を」「ブロークバックマウンテン」等々。
ゲイであるということは、それだけで人生へのコミットの仕方が真剣になるのだろう。それが映画表現にも反映されるのかな。私このごろでは「あー、この映画つまんない、やっぱり監督ゲイじゃないとツマンナイね!」なんて言い出しかねない感じです。
 
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さてさて。それでは、このへんで。(残りはまた来年にでもボチボチ)
みなさま、良いお年を。アディオ〜ス!





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