Leonna's Anahori Journal
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2006年03月10日(金) “松浦的なるもの”との遭遇


きのう。**農園で鉢を買ったあとのこと。
 
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ヒヤシンス用に白っぽい素焼き鉢を買い、カフェに入ってコーヒーを注文。出てくるまでの間、テラスから庭へ出て園内を歩きまわっていた。すると、農園の門を入ってすぐ脇、植木の苗や素焼きの鉢がやや雑然と置かれている場所から、クェ、ケケケケというかすかな鳴声が聞こえてくる。近くに鴨やオシドリなど、水鳥のたくさん来る大きな公園があるので、鳥の声だと思い込んでいたのだ。それで鳥の姿を探しながら、並んだ鉢のかげを覗いてみると…

鳥ではなくて蟇蛙だった。しかも、交尾中の。

暗い色をした大きな蟇に、少なくとも二匹以上の小さな蟇がへばりついて団子状になりながらズルズルと移動している。小さい方の蟇は白っぽい茶色なのだが、全体が一塊になっているため、どこからがどの蛙の体なのか、よくわからない。限界まで近づいてみると何やら黒い点がうごめいていて、目を凝らすと、それは大きな蟇にへばりついている蟇の、二つの目玉だということがわかった。

さすがにゾッとしてその場所を離れようとしたとき、そばにあったプラスチック製の池のなかで、表面を覆った水草を押し上げながら何かがゆっくりと大きく動いた。ぐーっと水草が持ち上がって、うわぁと思っているうちにソイツは姿をみせることなく、また水の下へと潜って行った。雲形をした池の大きさに比して何か大きすぎる生き物がいることだけは間違いなさそうなのだが、それ以上の詮索を自分に禁じて、後ろも見ずに、カフェまで駆け戻った。

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あとから、あんな場所であんなものを見てしまったのは、松浦寿輝の本を読みすぎたからではないかと思った。いや、自分でも、根も葉もない雑言だというのはわかっているのだけれど。
だって、だって、松浦サンの小説ったら、やたらと湿度が高くて、日照不足。やめてぇってまでに、ぬめぬめぶよぶよしているんだもん。

あ、そうだ、あの雲形池の怪物(やや小振り)に、発見者の私が名前をつけてやるってのはどうだろう。その名も、ヒサ、…やめた。いくら何でもやり過ぎだ。これ以上恐い目に遭いたくアリマセン!(たたるってか)
 

 




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