Leonna's Anahori Journal
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2003年12月05日(金) 石破長官と二人の美女

夜。

ワールドビジネスサテライトというニュース番組を観る。小谷真生子がキャスターをつとめる番組。
ゲストに石破防衛庁長官とアジア経済研究所の酒井啓子女史を呼んで、自衛隊のイラク派兵について詳しく聞いてみましょうという趣向であった。

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席順は向かって左から、小谷・石破・酒井。
まず、イラクの治安について訊かれた石破が「危険ということでいうならば、どこにだって危険はあるわけです。現に今日も日本の○×県で女子高校生が…」と言いかけて、いきなり小谷から釘を刺される。「いえ、そういうことをお聞きしているのではありません。それはまったく別のお話ですよね」と、きっぱり。

やや半身になって石破の方を向き、上目遣い。押し殺した低音で、静かに、しかし確実に石破に迫る小谷。ええですなー。ゴー!、真生子、ゴー!(笑)。

石破防衛庁長官にしても、それから福田官房長官にしても、あまりにも自国民を馬鹿にしているのではないか。イラクの現状(危険地域)について訊ねられて「危険ならば何処にでもあるでしょう」とは一体どーゆー答えであるか。さらに小泉首相に至っては「そんなこと私が知るわけないでしょう!」だからねー。
首相が逆切れしてどうするんだって。それに、同じこと言うのだって、もう少し言葉を選んだらどうなんだ。

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このあとも丁々発止のやりとりが続いたのだが、もうひとりの美女、酒井啓子女史が発言するに至って、いよいよ石破氏の旗色は悪くなった。

アメリカのイラクに対する“貢献”について話そうとする長官に対し酒井女史の言った言葉は「軍隊による力づくの鎮圧がイラクの治安悪化に拍車をかけている」というもの。また「現在、イラクで米国がしていることは、たとえていうなら、ガス栓が開いたままの状態で消火活動をしているようなもの。まず元栓をきちんと閉めるのが先決で、それが行われるまでは危険な状態は続く」とも。

酒井女史はアラブ地域に関するオーソリティであるから、長官も滅多な反論はできない。酒井女史の言葉は丁寧で、高圧的なところはみじんもないが、豊富な知識と毅然とした態度で瞬時に切り返されてしまうだろう。
なんとか自衛隊のイラク派遣について説得力のある話をしたい石破長官であったが、二人の美女の間で、その目は悲しげに宙を泳ぐばかりであった。

で、その長官が最終的に言った言葉が「現在(派遣予定地域である)サマワの首長とよく話し合って、地元の意向や自衛隊の安全確保の問題を検討しているところである。この件に関してはさらに酒井さんのような専門家の人々の知恵もお借りしてやっていきたい」というものだった。

だったら初めからそう言えばいいじゃないか、と思ったけれど。
しかし長官の口から、ほかではあまり聞かれなかったこのような言葉が聞かれたのも、もしかしたら真生子・茂・啓子という席順と人選の妙によるものかもしれない。(この番組のプロデューサーけっこうヤル、かも)
 
 
 



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