Leonna's Anahori Journal
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夕方、山形県の小野川温泉から帰る。
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小野川にはドイツから湯治を目的に帰国中の友人が今週のはじめから滞在しており、そこへ私が訪ねていって、一緒に温泉と米沢牛を楽しんだ。
おととい、小野川に着いた日は晴れていたが、あとはずっと雪。着いて早々に鬼面川(おものがわ)沿いに作られた露天風呂へ連れて行かれる。
ここは旅館組合の若い人たちが作った無料の入浴施設で、冬は雪で道が閉ざされてしまうためクローズ。ところがその日の朝、友人が散歩がてら様子を見に行ったところ、雪が踏み固められて小さな道ができていた。きっと秘かに入りに来ている人がいるのだ、絶対入れるよ、と彼女は言うのだ。
宿の若旦那に訊いてみると「道があるなら入れるだろう、ただしシーズン中交代でしている掃除は、冬になってからしていないけれど」とのことだった。 それでともかく出かけていってみると、石で囲ったお風呂から源泉かけ流しのお湯が惜しげもなくあふれ出ている。地元の女の子が二人、お風呂のふちに腰掛けて足湯をしていた。脱衣場もきれいだ。ただし、掃除をしていないお風呂の石と石の間には、うっすらと、緑色の藻がはえていたが…
熱めのお湯に手をいれて触ってみると、場所によってはちょっとヌルッとする。私が「入れることは入れるけど、これ滑ると危ないよ。転んだらどうする」と言うと「転んだら担いで帰ってやる」と彼女。そうまで言われて入れませんとは言えない。私たちはジーパンの裾をまくって足湯をしている二人をしり目にぱっぱっと服を脱いでお湯に浸かった。
・・・・・うっは〜、い〜湯だな〜! 藻っくらい、なんだよー --
小野川温泉は湯量が豊富で、しかも湯温が高い(なんと80度もあるのだ)。それでこんな雪の中の露天でも、新しくて熱いお湯に入れるのだ。 お湯に浸かりながら、足湯に来ている女の子たちと話をしていたら、彼女たちが宿の若旦那の同級生であることがわかってびっくり。彼女たちは彼女たちで、私の友人がドイツから飛行機で十二時間もかけてやってきたことを知り、驚いていた。
この露天風呂を皮切りに二日半で六ヶ所のお風呂に入った。 また小野川温泉は飲泉が可能で、町のなかに何ヶ所か飲泉所が設けてある。きれいな焼き物のコップも備え付けてあって、そこで私は思う存分お湯を飲んだ。 小野川温泉、入ってよし、飲んでよし。
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夕飯は、お約束の米沢牛だ。 二泊して、一日目はしゃぶしゃぶ。二日目がステーキ。 …う〜ん、やわらか〜い! でもって、甘〜い! できたら、あと焼肉とすき焼きも食べたかったんだけどなあ…(ぜいたく過ぎるで、チマリス!)
食事のあとは、一日目は地酒、二日目は赤ワインでなごむ。連日、宿の若旦那が話をしに部屋へ顔を出してくれたので、一緒に飲みながら三人であれこれ話した。若旦那からは土地の話と温泉の話を、友人からはドイツやヨーロッパの話を、それぞれ聞くことができた私は、二倍楽しかった。
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宿の隣にお饅頭屋さんがあって、私たちは毎日三個、五個と、そこのお饅頭を買って食べていたのだが、これが美味しくていくら食べても飽きない。 その饅頭と、一日目に飲んだ地酒をお土産に買って、昼過ぎに友人と若旦那に送ってもらい、小野川の町をあとにした。
次は夏、ホタルの季節に出かけてみたい。(そのときは、すき焼きだ)
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