Leonna's Anahori Journal
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あたたかい。 テニスは、半袖シャツでなければ暑いくらいだった。
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テニスの帰り道、飼い主と一緒の散歩の途中で、土手の草むらに首をつっこんだまま微動だにしない犬がいた。うす茶色の中型犬だけれど、首から先が見えないので犬種は何かわからない。
それにしても熱心に、一体何の匂いを嗅いでいるのだろう。 土塊にこもった春のにおい。芽吹いたばかりのヨモギの新芽のにおい。 それとも、よその犬の残していったおしっこのニオイだろうか。
いずれにしても今、あの犬はヘヴンを体験しているのだ。きっと頭の中は人間には決して観ることの出来ない極楽の曼陀羅絵になっているのだろう。犬の嗅覚は人間の嗅覚の数万倍(数十万倍だったっけ?)なんてことを思い出しながら、クラクラするような思いで、離れた場所から極楽犬を眺めていた。
(しかし、ちっともせかしたり引っぱったりしないで、じっと犬のしたようにさせていたあの飼い主はエライな)
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