Leonna's Anahori Journal
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先週来、毎日恐いくらいの夕焼け空が続いていたのに、きのう今日の夕空はほんのりピンクと薄紫色のグラデーションだった。それだからか、寒さもほんの少しゆるんで、日中は暖かくなった。
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仕事に出てなにがうれしいって、行き帰りの電車で本が読めること、これが一番うれしい。今週前半に『但馬太郎治傳』を読み終えて、次に吉田健一『金沢 酒宴』のうち読み残していた『酒宴』を読了した。いまは金子光晴『ねむれ巴里』を読んでいるところ。
『金沢 酒宴』、他に類をみない素晴らしい小説だとは思うけれど、しかし吉田健一という人はあれだけお酒を飲んで、二日酔で苦しむというようなことはなかったのだろうか。私なぞ、書かれたものを読んでいるだけで頭痛がしてきそうなのだが、吉田健一という人はとんでもない量の酒を飲んだ翌朝でも、朝日を浴びながら澄まして「ウフフ」と笑っているようなイメージがある。実に悔しい。本当にニクイお方だと思う。
ところで『金沢』はともかく(こちらは別の意味で酩酊させてくれる佳品)、『酒宴』は酒飲みにとっては冗談抜きで危険な小説だと思う。なぜなら、あれを読んだら必ず飲みたくなるにきまっているからだ。しかも場合によっては命懸けで飲むことにもなりかねないという… 『酒宴』という稀有の小説は、飲むなら読むなと注意書きをつけたいような一種危険な魅力をもった掌編だった。(以上、読穴のためのメモ)
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そういえば。きょう昼休みに仕事場の人たちと“電車のなかで遭遇した奇妙な出来事”について話していたら「突然何の前触れもなく吐くひと、アレたまんないですよね」と言ったひとがいた。
えっ、と驚いていると、別のひとが「そうそうそう。たまたま前になんか立っていたら災難としか言いようがない」。さらにビックリしていると、また別のひとが「ポツンと道に立ってる人が、突然、ぴゅーっと吐くのを見たことがある。まるでマーライオン」。
マッ、マーライオン!! 死ぬほど笑ってしまった。流行らせようよ、マーライオン。飲み過ぎで、突然嘔吐する奴を今後マーライオンと呼ぶの(笑)
(ちなみに吉田健一の『酒宴』はマーライオン程度の事では済みませんので。念のため。)
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