2009年02月15日(日) 長老を囲む会

今日は、乗務員さんの長老と、おいら、おいらの上司、整備の人の四人で、高級おすし屋さんにてお食事会。
とはいっても酒はがんがん入る。
おいらはもうそれはそれはトロやら貝やらいただきました。
回らない、そしてお届けでないお寿司、何十年ぶりだろう。

いろいろ話が出たけど、部下を育てるには、色々と話をしてお互いに認め合うしかない、ということなんでしょう。
その場が、なかなかもうけられないから、上司が外でおごってあげて、色々話をしてやれ、ということでした。

みんな同じようなことを言うね。特に体育会系。
おいらは、そういう会社じゃない会社と、そういう会社と両方見てきた。
どっちがいいか、というのはなかなか言い切れない部分がある。
某電電公社系の会社にいるときは、勤務時間に上司と面接する場が持てた。
色々話し合うことができ、意見交換ができた。そのための時間を派遣されている先に告げ、本社に戻ることもできたのだ。

けれど。

今の会社は、業務に手一杯で、ミーティングを施して意思の疎通を図る時間がまったくない。
24時間365日稼動していると、誰かが常に休みで、全員集合時に、というわけには行かない。
じゃあ、全員が聞けるように回数を設けるか、というとそれも無理。
ああいう会社は、意思の疎通方法が実はない。
なので、業務外の酒の席で、となるのだろうね。
実際、アイドリングストップ車が導入になったときも、おいらは事務所のいろんな人に特徴は告げた。実際にメーター検査に行っているときに色々自分なりに試験し、法則を見出し、その法則を説明書で確認し、おいらがいるときは担当の乗務員さん(実はこの長老)に教えたのだ。
けれど、やはりおいらが休みのとき、その相番がエンジンが止まったとき、誰も説明できなかったのだ。
じゃあ、ドキュメントを残しておけば、というが、その時間は正直ない。
元来、タクシー会社というのは出たとこ勝負のどんぶり勘定というのがすごく多い。
現金がその日ごとに集まってくるから、それほど払いなどには計画を立てる必要がないため、ルーズなのだ。(だから、タクシー会社の経営は金があれば猿でもできる、というといいすぎ??)
今でこそいろんなことにうるさくなってきたけどね。
ミーティングの意味すらないんじゃないか。そう思うことも多かった。

実はおいらは、業務外で酒の席を設けつつ意思の疎通を図る、という上司の意見には、実は少し対立していた。
その、飲みに行く時間が、家庭を回したり要介護の実家を見たりしているとその時間が作れないのだ。
もちろん、コミュニケーションをとるためにはどこかでそれでも時間を作らなきゃいけないのはわかっているんだけどさ。
でも、毎週のように飲みに行くのは無理だわ。
それは子供がいない上司たちばかりだから無理だと割り切っていた。
けれど、今日話を聞いていて少し考え方が変わった。
無論、現状を考えるとそう飲みにいくわけにも行かない。
お金の面でも、時間の面でも。
部下に奢ってやって説教する余裕なんかどこにもない。

けれど、じゃあ、そういう会社にいるとき、どうやってコミュニケーションをとっていけばいいのか。
その手法を考えないと先には進まない、とはたと感じた。
連中にはこの大変さはわからない、と貝殻のように閉じこもっていてはだめだ、と感じた。
何かしらアクションを起こさなければ、と。
それが何かはわからない。
けど、何かをしないと伝わらない。
いったい何をすれば。

その答えのひとつが今日の飲み会にあった気がする。この長老も、保育園の件で苦労し、二歳の子供を隣の乗せて長距離トラックを転がしたそうだ。
おいらと同じ選択をしたんだね。
そういった人に、体験談として語ってもらう。
もちろん話してもらうんではなく、自分の言葉として語ってもらう。
そうすることによって、おいらの言葉より、より深く彼らの胸に浸透していく。年下で部下の言葉より、年長者の言葉のほうが心に響くのだ。同じ言葉を同じように使ったとしても。
今日、その手ごたえは確かにあった。

今日の会は、単に飲んだり食ったりするだけでなく、自分のまったく見えなかった前途を切り開くきっかけを刻んでくれたかもしれない。
そんなふうに思えた。


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彩葉 [MAIL]

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