泊まり番があって、明けで出したガス馬車60台くらいの納金を受け取って、その日は昼に帰宅。 本当はその後はフリーなのだが、体がまだ仕事に慣れていないせいか、家でだらだら。 一日しかない休みはどこかに行きたいが、あいにくの雨。 どうするかな。 午前中は電気屋が何かしにくるみたいだし。
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例のお客蹴り事件の主犯である一本気太郎。 謹慎中ですが、事情聴取のため出勤させる。 おいらは明けなので仕事をしながらだったが話を聞いてみた。
話はもう錯乱。 もともと、反応が過剰でともすると少し精神疾患を患っているような感じさえ受けたおいらの所見。目がやべえんだって。 やっぱりそんな感じだったな。 性格が生真面目だから。 そういうレベルじゃない。 自分の行動と判断に自信を持っていて、お客を蹴ったこと、そして警官に食って掛かったことも自分の中では正義なのだそうだ。
自己弁護というのは、自分の中で引け目がありつつ、それでも自分の立場を悪くしないための事実の少々の操作や自分の行動にどうしても自分ではコントロールできない事情を織り交ぜることで、少しでも自分がその行動を取らざるを得なかったということを主張するわけだが、彼の場合は違った。
彼にとって引け目はないのだ。 警官も俺の敵に回った。 彼はそう言い放つ。
従来の精神疾患では、症候群的な名前しかつけられないような精神疾患。 そういう印象だな。 でも、どこのガス馬車会社もそうだが人が足りない。 肝心のガス馬車御者がいなきゃ金が集まってこないのだ。 金が集まってこなきゃ会社が回らない。 そのために悪質な(この場合は悪質というより病的)なガス馬車御者を切れない現状がある。
何度も言うようだが、ガス馬車業界の衰退は国の人間のせい。 質を高めるために厳しくしたり、労働時間を規制したりしても、事業内容が認可制で定額料金だったからバランスが取れていた。しかし、事業を許可制にしたおかげで、よりどころがなくなった。 つまり、ガス馬車のメーター額の正当性がなくなったのだ。もちろん、運送約款で謳っている料金だから、正当性はある。けれども、お客はそんなこと知りはしない。 その額を請求するのに、なんで怒られなきゃいけないのか。
でも、この状況を脱却するのにヒントはコンビニだとおいらは思っている。 コンビニはパンとかジュースとかが定価。またはそれに準ずる値。 スーパーとかは、それより値がずっと安く設定している。 それでも、コンビニに行く人はいる。 この、業種の違う小売りと陸上輸送。でも、コンビニは大手ガス馬車御者。 スーパーの小売りは新規参入のガス馬車御者。 同じようにサービスの提供価格が違う。 けれども、双方生き残っている。 コンビニも厳しいかもしれないけれど、いろんな手を講じている。
なんかそれがヒントにならないか。 そんな気がしてならない。 ディズニー映画とタイアップするとか、そういう誰でも考えつくものじゃなくてさ。
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ちなみに、ここで、おいらの営業所のメンバーを簡単に紹介しておきます。 ガス馬車御者は250人以上いるので、随時出すということで。 紹介をするってことは、あだ名を考えなきゃいけないんだけど、特徴を掴まないといけないのが大変。自分の中でメンバーを整理する意味もあります。
●所長
プロレスラーに似ている人がいるとみんな言っているが、おいらからすると、チラベルトを細くしたような印象。 細かいことが目が届くようで、実は結構ぼろが多い。 ガス馬車御者連中は、社長のお気に入りで所長で部長になったと思っている。 ぱっと見不思議な雰囲気をかもし出している。
●次長
定年間近で整備上がりの所長経験者。 うちの会社は、大きな事故があると所長を解任されたりするけれど、ガス馬車御者のせいで解任というのもどうかと。 実質権力者だが、作業は非常にアバウト。 あまり切れ者の印象はないが、たたき上げ。経験は豊富。 口は悪いが、悪人ではなさそう。 おいらがゆずとぽぽさんと食べに行った高級ステーキ店店長の義兄弟らしい。
●キンパチ先生
元教師にして、おいらと同じく腰掛のつもりだったガス馬車業界に居座り、いつの間にか管理職になってしまった人。実は営業所で一番の老舗。 教師のゆえんか博識で、人をなだめるのを得意とするが、なぜか現在子供の親権をめぐって裁判中。近日中に結果が出るそうだが。 本社に報告にいけない、などいろいろと特徴のある人。
●キレる新庄
35歳にして事故担当を任されている営業所屈指の切れ者。 切れ者であるがゆえに、いろんな意味で融通が利く、できる人。 遊びも良く知ってるらしく、整備の人間に兄貴と呼ばれて慕われている。 意外とキレやすいらしく、たまにめちゃくちゃ事故相手の悪口を言っているのを耳にするが、電話口では、100パーセントこっちが悪い事故相手で重症で入院している相手に笑いながら電話をかけられる、ある意味すごい人。
●エロ親父
おいらと同じ年でありながら、見た目40近くにふけている。 風俗とキャバクラをこよなく愛する青森出身。 キレル新庄とは当社内でゴールデンコンビと呼ばれている(おいら命名)←(初めて本社に行って、初めて会った総務の部長にゴールデンコンビだと言い切るおいらもおいらだが)
●女隊長
現在パートだが昔はぶいぶい言わせていたおばちゃん社員。 一応40前半だそうだが。 全員が一目おく存在。 事務はすごく速いが、作業の全体の意味合いに気づいていないのが玉に瑕。
こう書いてみると、できる人ばっかりだなー。 まあ、250人近くいる癖のありまくるガス馬車御者と対等に遣り合ってるんだから、当然といえば当然か。 今まで何人もの社員が入って一ヶ月持たずにつぶれている。 当社きっての極悪営業所。 ほかの営業所は台数が半分以下で、管理職の人数は同じくらい。 以下に一人当たりの負担がでかいかがわかる。 すげーところにきたなあ。おいら。
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