日々逍遙―この1冊、この1本、この1枚―
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散歩の途中に出会ったあれこれを…。

2002年02月19日(火) ヤーノシュ・シュタルケルのチェロ

1924年、ハンガリーのブダベスト生まれのシュタルケル。
今日聴いているのは「白鳥〜チェロ名曲集」(ピアノ ジェラルド・ムーアGX286)。このCDはJR千種駅で毎月一度1週間ほど廉価版のCDを販売している露店(?)で買い求めたもの。たまにあるんですよね。こういうところでの大当たりの買い物。このCDもそう。ちなみに定価\2000(この定価っていうのもおおいにあやしげではありますが)のところ、販売価格\980でした。
このCDの全18曲のうち後半12曲がシュタルケルの演奏です。
音源は1967年以前のものとあるだけで、モノラル録音なので相当古く、シュタルケルの若い頃の演奏ではないかと思うのですが廉価版の悲しさそういったデータはいっさいありません。
最初の6曲を演奏しているモーリス・ジャンドロンさんには申しわけないのですが、7曲目、「G線上のアリア」(バッハ)でシュタルケルの演奏が始まると音の差が歴然です。それに続く「アレグレット〜ボッケリーニの主題による」(クライスラー)「アレグロ・アパッショナートOP.32」(サン=サーンス)の豊かな音の響きと躍動感。いつ聴いても心躍ります。続く「亜麻色の髪の乙女」(ドビュッシー〜
フェイヤール編)「夜想曲ホ短調OP.9の2」(ショパン〜ポッパー編)はおなじみの曲。でもこの人のチェロの深く美しい音色で聴くと周知のフレーズが耳に新しく聞こえてきたりするのです。緩急のめりはりが素晴らしい「ハンガリヤ狂詩曲」(ポッパー)をたっぷりと8分28秒堪能した後は、「アリオーソ」(バッハ〜クランユ編)を静かに味わいます。「アレグレット・グラツィオーソ」(シューベルト〜カサド編)や「楽興の時 第3番D.780-3」(シューベルト〜ベッカー編)ゴバック(
ムソルグスキー〜ストゥウスキー編)と聴きすすむうちに、体の内側から刻まれているような心地よいリズム感にのった演奏に魅了されます。「メヌエット〜小組曲第3楽章」(ドビュッシー〜グールト編)は初めて聴いた時から何か懐かしいような曲にふさわしい情感を湛えた演奏です。最後の曲は「カプリース第13番作品1の13」(パガニーニ〜クライスラー編)。ヴァイオリン曲「24のカプリース」の中の曲。
この曲のように高音域の細かな指の動きをチェロで演奏するのはどれくらいむずかしいことなのでしょうか。かなりの技巧を要することなのだろうなぁと想像はするのですが。
以上12曲を聴きながら、ヤーノシュ・シュタルケルこういった小品だけを集めたCDが他にもあるのだろうか、と少し調べてみましたが藤原真理さんとか他の方とのオムニバスのCDが発売されているのみでした。


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みねこ

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