死体。
ここにあるの。 もう、随分前から。
結局、人生のプレゼンを一切することなく弟君は帰っていきました。 またしても何しに来たんだか、的展開で、いい加減飽きたよ。
焦って結婚する気はなくなったみたいですが(話聞いてると仕事楽しそうなんだよね。20代で1件2800万円稼ぐ仕事もそうないでしょ。・・・年収は変わらんけど。)「2〜3年もすればお互いに飽きるんじゃない?」とか「実はうじうじしてるせいでフラれたんじゃないの?」とか、うちの家族は本人抜きだと辛口です。
でもって、管理人的にはそこは重要ではなくて、どのみち祝う気もないんでどーでもいいんですけどね、というか「何て良い娘さんが来てくれたんだ!」的展開は広い世間で稀なことなんだろうなあ、ということが分かっただけでもきっと勉強になったんだろう、と思う一方で、
・・・酷かったんすよ、鬱が。
体重も乱高下するし、何をするわけでもないのに精神的な苦痛が常にあって、こんなにキツイ思いしたことあったかな・・・と漠然と考えるくらいにはしんどかったっすよ。
リストカッターまであと2歩くらい?とか思ったし。
でもそれを家族に言ってもどうにもならんので(屈折してるけど、誰かに助けて欲しい訳ではないんで)変に心配させるのもイヤだしなあ、というか娘がまだ鬱だって認めたくないみたいだし、特におとんは。
そう思ってしまったので、黙っていたんですが。
一昨日より昨日、昨日より今日。 しんどい。
トイレに行きたい訳でも寝苦しい訳でもないのに、夜中にばちっと目が覚めた。
起きているのは苦痛で、ちらちら姿を見せる飛蚊症が突然不安を招く。 でも眠りの世界だって同じくらいに苦痛で、きっと死ぬまで歯軋りは続き、日常の生活にも痺れや音という形で、ずっと影を落とし続けていく。
周囲を見渡せばきっと、管理人より苦しい日常を過ごさざるを得ない人は数え切れないほどいて、でもだからって、「自分はまだマシだから頑張ろう」と思うことが正しいわけじゃない。
他人の痛みなど分かるはずがないから、比べられるはずもない。
何でだろう。 ここにいるのが永遠の楽園ではないことくらい知っているけれど、でも、他の場所に比べれば明らかに「帰る家」だったはずなのに、なのにここにいるのが苦痛だ。
どうして?
死体は、転がっていたのだ。
きっと、もう何年も前から、彼はここに横たわっていたのだ。
「変化」を受け入れられない、時を止めた自分が、殺した。
積み上げた壁は確実に外界を遠ざけ、差し込む光は減っていき。 闇に包まれるのが先か、壁に潰されるのが先か。
会えなくなったら、死んだのと同じだ、と思う。
・・・会えたからと言って、生きているわけでは、なかった。
理解は出来るけれど、同意を示せないことがある。 オトナになって覚えたのは、「割り切ること」と「諦めること」だと思っていた。
時間は大なり小なり変化をもたらし、流され、逆らい、弄ばれ、あるいは意のままに操りながら、人は変わっていく。 当然の変化なのか、想定外のことなのか、きっと知る必要もないこと。
私の好きなものが、いま、ひとつ、変化の廻間にいる。
理解は出来る。 但し、同意を示せるかどうかは非常に微妙なラインだ。
その変化の形がもっと明らかになった時、私はそれを受け入れられないかもしれない。 ・・・死体が、増えるかもしれない。
私には、人が喜んで受け入れようとする類の変化を認めない傾向がある。 昔からあった。 それは、おそらくは多かれ少なかれ誰もが持っている類のもので、けれど、年月と共に緩やかに崩れ消え去るどころか、より強固な砦として成長してしまった。
あの世界を失いたくはない。 生きているうちにはお目にかかれないだろうと思っていた世界。
そこで呼吸する時間と、自分が土に還るまでの時間が、等しければいいと思う。
ごめんね。
私は君を殺してしまった。
私がこの世界で、あの世界を抱きながら、壁に潰される日はきっとそれほど遠くない。 その時が来たら、君も私を殺せばいい。
それだけの価値は、もう、私にはないのだけれど。
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