2008年05月18日(日) |
クラブ選手権 静岡県予選 ジュビロ磐田戦 |
08年05月18日 (土) 14:00開始 磐田スポーツ交流の里ゆめりあ サッカーグラウンド 2008日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会 静岡県大会 対 ジュビロ磐田ユース ※40分ハーフ 天候: 曇り
[前半] 清水エスパルスユース 控え:柴田、山崎、中原、田代、西澤、畑、鍋田 −−−−−−−−長島−−−−−−−− − 深澤詢 −小澤− 望月恭 −稲毛−− −−−−−−青木− 深澤慶 −−−−− − 佐野傑 −−−−−−−−−成田−− −−−−−−前田− 佐野孝 −−−−−
−−−−−− 浦 − 鈴木翔 −−−−− −−−−−−−−佐藤−−−−−−−− −−松井−−杉本−−上村− 鈴木貴 − −−−−加藤−−永井−−湯本−−−− −−−−−−−−大畑−−−−−−−− ジュビロ磐田ユース
ジュビロ 清水エスパルスユース 10(3) シュート 6(3) ○孝洋、○孝洋、○成田、×慶也、×青木、×成田 3(2) 右クロス 2(1) ○孝洋 7(1) 左クロス 1(0) ×成田 2(1) 右側CK 1(0) ×佐傑 4(2) 左側CK 0(0) 5(−) 犯OS 0(−) 5(1) ファウル 4(1) ・前田、・前田、×稲毛、・孝洋
[後半] 清水エスパルスユース (69分〜) −−−−−−−−長島−−−−−−−− − 望月恭 −小澤−−山崎−−稲毛−− −−−−−−−−青木−−−−−−−− −−−−−−西澤− 深澤慶 −−−−− −−−− 畑 − 佐野孝 −鍋田−−−−
−−−−−−山下−−塚田−−−−−− −−−−−−− 鈴木翔 −−−−−−− −−松井−−佐藤−−上村−−海田−− −−−−加藤−−永井−−湯本−−−− −−−−−−−−大畑−−−−−−−− ジュビロ磐田ユース (60分〜)
40分、磐田、交代: 浦→山下 44分、磐田のゴールキックからのリスタート。CH青木が空中戦に競り勝つが前に跳ね返せず、中盤でルーズボールを拾ったのは磐田DH杉本。足下に収めると、左に大きく展開する。そこにいたのはタッチライン沿いに開いたLH松井。と、松井は簡単にパスを前方へ流す。すると、あらかじめサイドに流れていたFW山下、RB深澤詢の裏をとり縦へ、CB小澤を十分に釣り出し、ゴールライン際でマイナスに折り返す。ニアでFW鈴木翔が潰れ、遅れて飛び込んできたのはOH佐藤。がら空きのゴールへとシュートを決めた。0−1
51分、磐田、交代: 鈴木貴→海田 53分、清水、交代: 佐野傑→畑 60分、磐田、交代: 杉本→塚田 (佐藤DH、鈴木翔OH、塚田FW) 61分、清水、交代: 深澤詢→山崎 (望月恭RB、山崎CB) 66分、清水、交代: 成田→鍋田 69分、清水、交代: 前田→西澤 (4-3-3: 西澤MF、畑・鍋田FW)
ジュビロ 清水エスパルスユース 8(6) シュート 4(1) ×前田、×孝洋、×孝洋、○火田 2(1) 右クロス 4(0) ×詢也、×佐傑、×佐傑、×火田 5(1) 左クロス 3(1) ×孝洋、×青木、○孝洋 0(0) 右側CK 1(1) ○西澤 3(0) 左側CK 0(0) 0(−) 犯OS 0(−) 5(0) ファウル 7(2) ・青木、・詢也、・火田、・孝洋、・孝洋、×青木、×??
●個人的MVP 長島 潤 ●個人的MIP 稲毛 卓也、望月 恭平
柴原・池上・岩崎・杉山・山田・曽根がユニフォーム姿にならず、そのままベンチ外。駒不足の前線だが、前田・佐野孝の2トップにLH成田と、それでも今まで公式戦で起用してきたポジションに選手を当てはめた。一方、RBに望月恭と山田を競わせていた以外はほぼ固定していたDFラインは、そのRBに1年生の深澤諄を抜擢。岩崎の代わりに望月恭を昨年プリンス以来のCBに回して小澤と組ませる。怪我人続出の苦しい布陣だが、鍋田が長期の怪我からついにベンチへ復帰という明るいニュースも。先発は3年生5人、2年生4人、1年生2人。稲毛 (柏レイソル) を除く全員が下部組織出身。 対する磐田は鈴鹿で見たプリンスの布陣と比べ、DF小川とMF高瀬が、DF湯本とMF鈴木真に代わったのみ。3年生7人、2年生3人 (永井・上村・鈴木貴)、1年生1人 (湯本)。下部組織出身は4人 (湯本・加藤・鈴木貴・松井) で、他はユースから外部から加入した選手である。どちらがどうというわけではないが、両クラブの方向性が垣間見える顔ぶれだ。もっとも、ジュビロもエスパルスも、これまでの育成方針の見直しを進めているようだが。
前半は清水が逆風。だが、最初の決定機をつくったのは清水だった。11分、相手パスをカットしたCH青木がすぐさまスルーパスを狙うが、これは相手に当たって通らず。だが、自ら前に出てスライディングで奪い返すと、こぼれ球を拾ったRB深澤諄が右サイドからPA内右を狙ってスルーパスを送り込む。そこに流れたFW佐野孝、ニアを狙うがGK大畑の反応、さらに何故かゴール前に詰めていたLH成田が押し込むが、DFのブロックに遭って、CKへと逃げられた。序盤の清水はプレスの掛かりが良く、CH深澤慶・青木が前に出て磐田DH上村・杉本の位置でボールの奪い合いができており、自然にサイドプレイヤーの成田や深澤諄が中央へ流れるなど、流動的で有機的な攻撃が構成できていた。一方、青木・深澤慶に中盤中央を塞がれた磐田だが、愚直にサイド、特に風の影響で左サイドの松井に集め、スペースを突かせる。スローインの度に必ず誰かが裏に飛び出すなど、スペースへの意識は選手個人個人に徹底されている。 流れが変わるきっかけとなったのは18分、PA付近の細かい繋ぎからパスを戻し、下がっていた磐田FW鈴木翔が前に駆け上がりながら放ったミドル。次いで20分には最前線で鈴木翔がファウルギリギリ (?) でCB望月恭からボールを奪い、併走するフリーのFW浦に横パスを出したが、GK長島にシュートを止められる。元々の風向きもあるが、磐田の2トップとトップ下が盛んにポジションチェンジして生まれるギャップを4バックだけで繕うことはできず、青木・深澤慶は中盤底に下がってスペースを埋めざるを得ない。両名より低い位置にいる磐田DH上村がフリーで左右にパスを捌けるようになって、30分を過ぎると完全に磐田が試合を支配。低い位置でしかボールを奪えなくなった清水は、そこから前へ繋ぐ際にもパスミスが見られて非常に危険な時間帯だったが、ゴール前で粘り強く体を張って決定的な場面を許さなかった。逆に前半終了間際にカウンター、LH成田の大きなサイドチェンジでFW佐野孝が右サイドを爆走、クロスにパスを出した成田が逆サイドから飛び込んで頭で合わせたが、枠を外してしまった。
後半は清水が風上。41分、成田が出したタッチライン沿いを走らせたスルーパスで佐野孝が飛び出し、左クロスを入れるなど、幸先の良く再開したかに見えたが44分、ゴールキックのリバウンドを訓練されたオートマティズムで得点に結びつけ、磐田が先制に成功する。すると磐田は守備組織を整えてスペースをきっちりと埋め、清水はボールを支配しながら、最後の30Mで交通渋滞を起こし、相手を崩すことができない。唯一56分、佐野孝の左クロスをFW前田がゴール前でリフティングして無理矢理シュートに持ち込んだが、枠を外してしまう。一方の磐田は、清水のクリアミス (クリアの飛距離不足) を虎視眈々と狙い、51分に左CKのセカンドボールを拾った杉本?のロビングクロスをクリアできずにPA内で鈴木翔、53分にも上村のサイドチェンジに対しRB深澤諄のクリアがバイタルエリアの鈴木翔に渡ってしまい、鋭いシュートが放たれたが、GK長島がファインセーブで更なる失点を許さなかった。 膠着状態を打破すべく、大榎監督は53分にFW畑をRHに、61分には山崎を入れて最終ラインを組み替えて望月恭をRBに、66分にFW鍋田をLHに入れる攻撃的采配。選手の入れ替えだけでは駄目と見るや69分、この日はエース前田を躊躇なく下げ、4-3-3にシステム変更する。これが奏功して71分、佐野孝のスルーパスから畑が右サイドを抉り、クロスはニアでクリアされて右CK。西澤のキックをニアで畑が逸らすが、中央で合わせられずにクリア。それを山崎が前に出ながら拾ってスルーパスを送ると、佐野孝がシュートを撃つも枠を外した。その後、コーナー付近での磐田の時間稼ぎなどがありつつ、40+2分、深澤慶がロビングで前に送ったボールを畑がDFの裏に落とし、佐野孝が再び狙ったが再び枠外。諦めずに40+4分、望月恭のロングパス一本で畑が右サイドを抜け出し、右30度15Mからシュートを放ったが、GK大畑がファーに逃げるシュートをこぼしつつも最後は掴みきり、最少得点差を逃げ切った。
長島はポジショニングにやや難があったが、アスリート能力の高さを活かし、果敢に挑戦する姿勢を買いたい。自分のアスリート能力の限界値を自分でも把握しきれていないのか、思い切りが良すぎて五分五分となる場面が散見されるが、育成年代で小さく縮こまるよりもずっと良い。PAの外まで飛び出して手が使えなくなっても、足技はおろか、頭や上半身までも使って、不器用ながらはっきりと処理していた。パンチングの判断を1回誤ったが、PA内でのクロスへの対応範囲も広く、高い。一方、肝心のシュートセービングは握力を感じさせるキャッチング、横に弾くディフレクト、共にしっかりしたものがあり、シュート意識の高い磐田の攻撃をきっちり一次攻撃のみで凌いでいた。 タッチライン沿いで孤立させた左右WBに向かって、サイドチェンジを含む長いパスを通してスペースを活用する、そうした磐田の狙いに対して稲毛のフィジカルは有効な対策となった。スピードだけでなく、スピードに乗った相手を正面から潰せるフィジカルの強さ、或いは横から鋭く滑り込むスライディングを駆使し、対面の鈴木貴・海田に仕事をさせなかった。久々のCB起用となった望月恭は、空中戦の競り勝った後の力強さに遅れをとることはあったが、落ち着いたポジショニングで要所を締めた。ただ、貢献度が高かったのは攻撃面。最後の決定機となった畑へのロングフィードに象徴されるように、最後尾から最前線のスペースを見極める視野が光ったが、ビルドアップで見せるちょっとした飛ばしのパスにもセンスがあり、同時に機を見ては前線まで攻撃参加する積極性も見せていた。
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