2005年12月02日(金) |
Jユース杯 決勝トーナメント 展望 |
清水エスパルスユース
予選リーグDグループ2位、10年連続10回目(決勝トーナメント進出)[静岡県] 監督・行徳 浩二
主将山本真希のトップ合流。今期前半戦はそれに尽きる。彼が不在のプリンスリーグで苦戦の続いたが故に、彼が戻ってきた試合でも山本依存体質を改めることができず、結果、プリンスリーグ発足3年目にして、初めて高円宮杯出場を逃した。クラブ選手権は東海大会優勝で2年ぶりの出場を決めたが、全国大会は過密日程を憂慮して山本抜きを決定。暗雲が立ちこめた。 だが、大会では試合を積み重ねる度に若いチームが成長、その後二冠を達成することになるヴェルディに延長残り5分で追いつかれ、PK戦で敗れたものの、大きな自信をつかんだ。その後の国体に参加した石垣・佐野克は、高体連選手と揉まれる中で闘争心を習得、直前に落選した長沢も3戦目の京都 (A) 戦以降、6試合連発9得点と名実ともにエースへ成長した。クラブ選手権準優勝の横浜FMとは、共に1−2で惜敗したが、グループ2位で決勝トーナメント進出。正式にプロ契約した山本から自立し、石垣を主将に頂点を目指す。
■選手名簿 別記参照方
■主力選手 ◇…U-17日本代表、○…静岡県国体少年選抜、#…二種登録 02:石垣 勝矢 (3年) DF 183cm/70kg 720分出場3得点 ○ 主将。県選抜で今年、大きく成長。空中戦の強さはそのままに、質の高いキックで起点にもなる。
16:山崎 晃太 (2年) GK 180cm/63kg 720分出場 # 怪我などで不在の前田に代わる。ぎこちなさは残るが、身体的成長に伴い、プレー内容が本格化。
03:佐野 克彦 (2年) DF 181cm/65kg 703分出場2得点 ◇○ 長身・俊足・知性・左足ロングキックと元来から備える高い資質が、県選抜を経て自覚を増した。
17:小泉 慶治 (2年) MF 168cm/58kg 596分出場 敏捷性に優れ、高速切返しと正確なクロスで果敢に挑む。今年、切込役を一手に担う貴重な存在。
18:渥美 直人 (2年) DF 166cm/57kg 579分出場 4バック移行に伴って、先発に定着。小柄だが運動能力に優れ、攻守にアップダウンを繰り返す。
04:桑原 卓哉 (2年) DF 174cm/65kg 571分出場2得点 1年来のレギュラー。調整性能に長け、緻密なキックと交錯しても怯まぬ体位バランスを有する。
05:高野 美臣 (3年) MF 171cm/65kg 565分出場2得点 今年DFからCHにコンバート。DF由来の激しい1対1で奪い、正確なクサビを前線に入れる。
11:長沢 駿 (2年) FW 189cm/72kg 556分出場9得点 ◇ クラ選以降、自信をつけて覚醒。展開の大きいポストで起点になり、ゴール前では冷静さがある。
13:柴田 和也 (3年) MF 165cm/60kg 537分出場1得点 退場と2度の出場停止以外はフル出場。精力的にボールを拾い集め、堅実に繋ぐ今年のキーマン。
20:町田 朋弥 (2年) FW 175cm/63kg 437分出場3得点 大会後半、長沢との抜群の相性で定位置を掴む。点取り屋だがプレー幅を広げ、利他的な選択も。
12:八木 和秀 (3年) MF 174cm/65kg 389分出場3得点 大会後半にかけて好調。常に相手の隙を狙う狡猾さがあり、高いスピードと技術でゴールを盗む。
26:佐野 諒 (1年) MF 165cm/45kg 284分出場 崩しのパスを出せる得難い存在として、1年ながら今年序盤から積極的に起用される。
----- 14:岩本 大 (2年) DF 181cm/70kg 255分出場 夏まで不動の3バックの一角。怪我で一時戦列を離れたが、カバーリング能力は随一。
15:神田 和哉 (2年) MF 173cm/60kg 228分出場 最近中盤の控えとして台頭。守備に課題も運動量は多く、ゴール前のアイデアが豊富。
09:篠田 悠輔 (3年) FW 170cm/64kg 184分出場5得点 2年生に遅れをとるが、点が獲れる状況での決定力は非凡。試合を決める際の切り札。
19:山崎 竜男 (2年) FW 177cm/62kg 173分出場1得点 春先好調も怪我もあってやや失速。体を張るのを厭わぬFWで、泥臭い得点が持ち味。
06:池田 康彦 (2年) MF 169cm/58kg 110分出場 昨年不動のレギュラー。今年は控えに回りがちだが、的確な寄せの早さに陰りはない。
01:前田 陽平 (3年) GK 182cm/70kg 不出場 # プリンス東海正GK。怪我などでチームを離れていたが、最近復帰。プレーが大きい。
■出身現役Jリーガー・チームプロフィール 平松康平、市川大祐、太田圭輔、村松潤、高木純平、杉山浩太、山本海人、鈴木真司、枝村匠馬、山本真希(清水)、野澤洋輔(新潟)、池田昇平 (広島)、鈴木隼人、鶴田達也 (甲府)、阿部文一朗 (鳥栖)
■出場までの軌跡 07月24日:○4−0 ヴァンフォ甲府 (H) 得点:町田2、山崎竜、石垣 08月28日:○5−0 ヴァンフォ甲府 (A) 得点:石垣2、桑原卓、八木、佐野克 09月03日:○1−0 京都サンガ (A) 得点:長沢 10月29日:○6−2 横浜FC (H) 得点:長沢3、佐野克、篠田、柴田 11月03日:●1−2 横浜Fマリノス (A) 得点:長沢 11月06日:○5−0 京都サンガ (A) 得点:八木2、長沢、町田、篠田 11月13日:●1−2 横浜Fマリノス (H) 得点:長沢 11月20日:○8−0 横浜FC (A) 得点:篠田3、高野2、長沢2、桑原卓
■試合展望 ■ベガルタ仙台ユース(Bグループ2位:5勝1敗、初出場(決勝トーナメント進出)) 最近の大会:04年高円宮杯 ・プリンス東北敗退 (4位) 04年クラブ選手権・予選グループ敗退 (Dグループ2位) 03年Jユース杯 ・予選リーグ敗退 (Bグループ3位) 最近の対戦:○1−0 2003.07.30・クラブ選手権予選グループ 対戦の予定:12月11日(日) 13:00 宮城スタジアム
ベガルタ仙台ユース: −−−−−−−−宮崎−−−−−−−− −−岩田−−橋浦−−村中− 佐藤悠 − −−−−−−菅原−−竹内−−−−−− −−−−奥埜−−−−−−山崎−−−− −−−−− 鈴木勇−佐藤豪 −−−−−
−−−−−−長沢−−町田−−−−−− −−−−−−長沢−−町田−−−−−− −−八木−−−−−−−−−−小泉−− −−−−−−− 佐野諒 −−−−−−− −−−−−−高野−−柴田−−−−−− − 桑原卓 −高野−−柴田−−小泉−− − 桑原卓−佐野克 −石垣−−渥美−− −−−−佐野−−石垣−−岩本−−−− −−−−−−− 山崎晃 −−−−−−− −−−−−−− 山崎晃 −−−−−−− 清水エスパルスユース:
仙台は昨年、共にユース強化に本腰を入れ、イタリア人監督トゥミアッティ氏を招聘するとともに、宮城の地元クラブから秋田・山形・福島・千葉・長野・石川にまで、各地から集めた今年の2年生 (昨年の新入生) は、実に23人。更に今夏、鈴木弾が郡山の高校から移籍、層をますます厚くしている。予想布陣に8人が並ぶ2年生を中心に、トゥミアッティ氏の後を継いだ山路監督が全員攻撃・全員守備をモットーとして、初の決勝ト'A1璽淵瓮鵐反塀个鮴・型襪欧拭が 私は今年夏まで日本にいなかったため、あくまで伝聞情報・が、システムはオーソドックスな4-4-2。GKキャンプに選出された183cm宮崎を最後尾に、人に強い村中、読みの橋浦の三角形は不動で、基盤となる。中盤の要は小山だが、彼が引退している場合、元U-14NTC竹内が代役を務める。共に汗をかくことを厭わず、的確な寄せのできる選手だ。先発予想の中で唯一の1年生、奥埜はU-16代表/U-16NTCで、スピードと足技を駆使する仕掛け人。献身的に動く左の山崎は、今年の仙台を象徴する存在だ。 エースで主将の佐藤豪は185cm/78kgの大型FWで、ポストからフィニッシュまで務める攻撃の核。FWには、因縁深いエスペランサいわき出身の鈴木勇と鈴木弾も控える。万能型の鈴木勇と神速の鈴木弾には、(主に岩本が) 手を焼かされた。セットプレーは、両SB、岩田の右足と佐藤悠の左足に任されることが多い。
対する清水は今年、天皇杯四強監督である行徳氏が再任。氏はトップ経験を元に、足下で止めて足下へ蹴る基礎技術と、攻守で1対1に負けないことを求めた。ユース年代では、適当にスペースに蹴り込んでミスを誘ったり、逆に相手に持たせてミスが出るのを待ってボールを奪ったりするが、実はとても有効なのだが、それと一線を画した格好だ。秋口から4-4-2に取り組んでいるが、守備重視の3-5-2を採用する可能性もある。4-4-2の場合、左SHに好調の八木を起用するものと思われるが、一時怪我で離脱していた岩本を最終ラインに入れることも考えられる。その場合は、佐野克が左SBに回り、桑原卓が一列上がる。GKに前田、右SBに桑原彬の選択もあるが、ほかはほぼ不動だろう。 空中王者石垣と長身俊足の佐野克の静岡選抜コンビがチームの礎。181cm岩本は勿論、桑原卓・渥美も競り合いに強いが、スピードと技術のある鈴木勇には警戒が必要だろう。中盤はユースの伊東輝悦・柴田と、闘争心溢れる高野の3年生二人組。仙台は前線からの守備が徹底されたチームであり、ここでより頑張れた方が主導権を握るだろう。 左が八木であれ桑原卓であれ、4-4-2であれ3-5-2であれ、清水の仕掛人が右の小泉であることに変わりはない。対面する仙台の山崎も攻撃的な選手なので、ここの引っ張り合いが勝敗を分ける。FWはすっかりエースの風格が出てきた長沢に、彼のベストパートナーとして名乗りを上げてきた町田。仙台の185cm佐藤豪と清水の189cm長沢、どちらが前線で起点となり、点を決められるか。サブに控える篠田も、横浜FC戦24分間ハットトリックで調子に乗る。MFが点を獲るチームではないだけに、FW陣には一層の奮起が求めたい。
アウェイで、しかも寒さの厳しい東北での試合ということもあり、環境は厳しい。行徳監督は2年前の天皇杯で12月の仙台を経験しているが、選手ははじめてだろう。2年前のエスペランサいわきもそうだが、昨年の青森山田高、3年前の仙台育英高と苦杯を嘗めたこともあり、東北勢のレベルは上がっている。選手が一番分かっていることとは思うが、心して緒戦に臨んでもらいたい。
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