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2003年09月02日(火) 高野、サッカー留学終え清水ユース復帰へ(日刊スポーツ静岡版)

高野、サッカー留学終え清水ユース復帰へ

 スペイン・エスパニョールにサッカー留学していたMF高野一也(16)が、古巣・清水ユースに復帰する意向であることが1日、明らかになった。8月の北海道国際ユース出場を機にエスパニョールを離れ、故郷・島田に戻った高野は、日本サッカー界への復帰を希望。静岡サレジオ高の編入試験に合格し、既に学校生活もスタートさせており、今週中にも清水ユース復帰に向け最終調整に入る。

 2年5カ月のスペインサッカー留学を終え、高野が日本に戻ってきた。8月17日の北海道国際ユース最終戦・北海道選抜戦勝利後、スペインに帰国するチームを離れ地元・島田に戻り、休養。日本サッカー界復帰を目指していた。8月29日に静岡サレジオの編入試験を受け、合格。1日から学校にも通い始めた。
 4月に腰を痛め、まともに練習できない状態が続いたことをきっかけに、エスパニョールサイドから帰国の打診を受けた。北海道国際ユース後、そのまま帰国することが決定。最後の公式戦の思いを胸に臨んだ本番は、全3戦に出場。本来のウイングではないサイドDFでの起用に加え、負傷し状態は100%ではなかったが、スピーディーな突破で3−1勝利に貢献。1対1での巧みな技術も披露した。


−−日本復帰を決めた、今の心境は
 高野 日本で心機一転、頑張りたいです。

−−古巣復帰については
 高野 スペインに行く時から、戻る時は清水という移籍契約でしたから。プリンスリーグ優勝も知っている。先輩も多く、出られるか分からないがチーム内の争いに勝っていかないと。

−−その闘争心は、スペインで学んだもの
 高野 スペインでは、競争に負けたらいらないといわれる。そういう人をいっぱい見てきましたから。

−−スペインへの思いは
 高野 競争が激しいし、体も強く技術もある。自分のためになった。将来はまたスペインでやってみたいが、自分はまだ実力が足りない。まずは日本で頑張り、実績を作っていきたい。


 日本で再出発したばかりの高野。スペインで磨き上げられた技術と厳しいハートで、再び県ユースサッカー界を盛り上げてくれることは間違いない。

 ◆高野一也(たかの・かずや)1987年(昭和62年)4月18日、島田市生まれ。六合東小でサッカーを始め、六合中1年で清水Jrユース入りし、さなる杯優勝。中学1年時、世界少年サッカー大会で来日したエスパニョールと練習試合を行った際に誘いを受け、12月に練習参加。翌3月エスパニョールに移籍し、スペインに渡った。その年のカタルーニャ州リーグで優勝(今季は2位)。家族は父、母、弟。160センチ、56キロ。血液型O。


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 日刊スポーツ静岡版(9月2日付)を、ほぼそのまま全文引用した。今年、何度か試合会場でも見られた高野一也が、清水エスパルスユースに復帰を果たす見込みとのこと。清水とエスパニョールの育成担当者は、移籍後も定期的に情報を交換していたということであり、契約上の拘束もあったようだが、予定通りの復帰と言えるだろう。選手登録が整理する前にユースに合流すると問題があるのか、今までは(元所属チームとなる)Jrユースの練習に参加していたという話である。
 エスパニョールでは体の大きさなどから、なかなか先発の座を掴めず、途中投入の多かった高野だが、テクニックの高さは監督他も認めていた。先日の北海道国際ユースでも、スペイン人のチームメイトと比べても、技術的には抜けた存在だったという。状況判断に優れ、スピード豊かな突破から精度の高いクロスが持ち味。スペイン留学にも当初から意欲的で、気持ちの強さも大きな武器だが、一方で北海道国際ユースでは派手な一発退場劇を披露している。阿部文一郎とは、少年団(六合東SS→FC島田)時代からの後輩。山本真希とは、FC島田からのチームメイトになる。
 ユースでは、Jrユースやエスパニョールと同様に、右MFでの起用となるだろう。右MFは今年、谷野・柴田・上埜・獅子内などが使われているが、逆に言えば固定されるに足る結果を示した選手のいないポジションであり、結果としては的確な「補強」と言えるだろう。実は名前を挙げた全員が高野と直接の面識がない選手であり、特に高野が抜けた後に異例の2年生セレクションで入った柴田との競争は、興味深い。名前も同じ「カズヤ」である。同級生には更に「高野」美臣がおり、果たしてチームメイトからの呼称が何になるかも興味深い(笑)。

 ※なお、篠田悠輔も近日中にエスパニョールから帰国する予定とのこと。彼はエスパニョールでもデビュー戦でハットトリックを決めるなど、ほぼ不動のエースストライカーの座を確保していたが、今年の春先あたりから文化や生活環境の問題から帰国したいという意向はあったようで、何度かユースの試合会場にも顔を見せていた。そもそも移籍を決めた際も、積極的だった高野に対して篠田は迷いも大きかったようで、「外泊ができない甘えん坊」と心配するお母さんのコメントもあった。一時は周囲の説得もあり、高野がサッカーに関係なく留学生として残るというので翻意したようだが、高野が正式にエスパルスに戻ることになり、篠田も自分の意志を固めたのではないだろうか。
 篠田は清水FC出身で全日本少年大会でも3位に輝き、99年U-12ナショナルトレセンにも選ばれた逸材。中1から、優勝した高円宮杯に山本真希と共に出場している。その当時はスピード豊かなドリブラーで、いかにも「清水らしい」見ていて面白いFWだった。エスパニョールでは得点王の経験もあり、昨期のカタルーニャリーグでは18得点を挙げて、チームの2位に貢献。チームのU-16スペイン代表FWを上回る活躍で、監督も「このまま頑張ればプロになれる!」とべた誉めしていたそうだ。先日の北海道国際ユースでも、負傷明けで2ヶ月ぶりの試合ながら、出場した北海道選抜戦では1得点1アシスト。この年の清水FCの同期でユースに残っているのは、石垣勝矢と八木和秀の両名のみと全日本3位の割に少なかったが、強力な選手が戻ってくることになる。
 帰ってくれば、阿部と組むセカンドストライカーは右サイドMFに次ぐ今年の課題のポジションであり、これまた絶好の「補強」となる。とはいえ、クラブ選手権では真司が良い動きをしていただけに、右MFでの起用もあり得るだろう。高円宮杯に篠田・高野の両名が出られるようなら、大幅な戦力アップとなることは間違いない。


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ひかる。 @H.P. [MAIL]

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