2003年07月27日(日) |
クラブ選手権 全国大会 大分トリニータ戦 |
03年07月27日13:00開始 Jヴィレッジ Pitch 1 日本クラブユース選手権(U-18)大会 対 大分トリニータU-18 ※40分ハーフ
▼布陣 −−−− 鈴木真 −阿部−−−−−
−大瀧−−−−−−−−−−谷野−
−−−− 山本真 −枝村−−−−−
−篠田−−高柳−−村越−−森安−
−−−−−− 山本海 −−−−−−
交代:後半10分:谷野→柴田(そのまま右MFに)
大分トリニータU-18:
−−−−−−−河内−−−−−−−
−− 古手川 −梅崎−−石田−−−
−−−−−三好−−相良−−−−−
−尾崎−−吉良−−西澤−−福元−
−−−−−−−西川−−−−−−−
交代:後半12分:相良→森重、後半21分:梅崎→甲斐
▼試合展開 梅雨明け前の今年のクラブ選手権全国大会。上野での乗換時間5分という駅前探検倶楽部の検索結果に途中で気づき、強烈に焦りながらも無事に広野に到着したが、…寒い。寒すぎる。会場を見ても、半袖なんて私しかいない。すいません、東北、舐めてました。鳥肌を立たせながらの観戦となる。 試合会場はPitch 1。ここは準決勝でも試合を行うピッチだが、唯一下の谷に作られたグラウンドであり、高い傾斜角で観戦することができる。しかし、バックスタンド?側で見ようとすると木々が邪魔をし、相手陣内右サイド(自陣左サイド)が見られなくなるという致命的欠点を抱える。清水・大分共にサイド攻撃を重視するチームのため、想像で観戦しなくてはならない事態が多発。いい加減に伐採してもらいたいものだ。
大分は近年、急速に力を付けているチームであり、昨年のJユースカップでも16強に勝ち進んでいる。今年は常連の福岡を3−1で倒して1枠しかない九州からの出場権を掴んだわけだが、九州プリンスリーグに参加していないため、客観的な評価基準に欠き、よく分からない。海人から新潟国際でスタメンを奪った男、GK西川を中心に、韓国人監督・皇甫官(ファンボ・カン)氏の率いる好チームだとは伝わっている。 清水は今年も予想スタメン的中! 要するに、慎重に緒戦に挑んだというところか。プリンス終盤は出場停止や怪我、代表選出などがあったため、ベストメンバーで試合を組むのは久々のこととなる。
(試合開始前の整列。左より大瀧、真司、森安、篠田、真希、阿部、村越、枝村、谷野、高柳、海人。登録上は村越177cm、枝村175cm…あれ?(笑) ちなみに森安が177cmで、彼は恐らく正しいかと)
[前半] 試合は序盤から清水が攻勢。最近、戻ってポストを覚えたブンがクルクルクルクル回って、反転してはダイレクトでボールを戻してゴール前に突進、起点を作る。3分に早くも真希のFKの跳ね返りから阿部がボレーを放つと、5分には谷野と真司のフォアプレスに慌てたDFのパスが谷野の体に当たって真司が抜き出しかけるが、GK西川が素早く飛び出してキャッチ。クルクルブンは、7分にも篠田のアーリークロスをPA手前からリフティング反転ボレーを放つ。当たり損ねだったが、体は相当キレてる感じ。 12分には、清水らしいボール回しが出る。左から中に切れ込んだ大瀧が詰まって中盤に戻すと、受けた真希がダイレクトで小さく右に流し、今度は枝村が中央突破。DFが対応したところで再び後ろに下げると、真希が左にチェンジサイド。大きく外に開いていた大瀧は対応に来たDFと勝負せずに後ろに戻すと、駆け上がった篠田がアーリークロスを放つ。阿部が走り込むと、テクニカルなバックヘッドで狙ったが、ボールは僅かに右に外れる。 対する大分は殆ど攻撃を組み立てられず、効果的なプレーもなかったが、ならば彼らには飛び道具があった。18分、GK西川のゴールキック。低く鋭く伸びたボールは、なんとゴールtoゴールで清水PA内へ。バウンドしたボールを河内?が村越と競り合いながら頭に当てるが、体を入れられて威力の無いシュート。しかし、これが幸いしたかループ気味に海人の逆を突いて、ファーサイド上角に吸い込まれていく。どうにか間一髪、高柳が頭で掻き出す。
清水はこの奇襲にも怯まず、定石通りのサイド攻撃を忠実に続けていく。21分、森安の右クロスはDFに跳ね返されるが、枝村がフォロー。ワントラップで縦に鋭く入れるとPA内の大瀧が外に叩き、そこに大瀧とポジションチェンジしていた真司が走り寄って左クロス。これもDFが跳ね返したが、今度はそれを真希がフォローして、ダイレクトでミドル。勢いはあったが、大きく横に外れた。 23分。左の展開が行き詰まり、中盤の底の枝村に戻して組み立て直す。枝村は、やや当たり損ねたが、巧みに回転を掛けて横パスを巻いて村越に戻すと、村越が大きく右へ展開。ボールは林に隠れる幻のゾーンに渡ったが、恐らく谷野が受けて溜めると後ろに戻し、森安がダイレクトでアーリークロス。これでファーポスト付近の真司がフリーになり、ワントラップから落ち着いてニアに流し込む。西川の反応は間に合わず、遂に均衡破れた。1−0、清水先制。
更に清水は30分、真希が斜めに左へ捌いたボールを大瀧、すぐに内側に小さく戻し、これを枝村が中央へグラウンダーのパス。一度引いてから飛び出した阿部が抜き出しかけるが、トラップミスでボールは左に流れ、DFに引っ掛かる。それを大瀧がフォローし、最終ラインの裏を狙ったグラウンダーのクロス。枝村が完全に抜け出して1対1になったが、西川も素早く枝村との間のスペースを詰め、余裕なく至近距離からダイレクトで放ったシュートはGK正面。 しかし、攻めるしかなくなった大分も、決定機以下の好機を次々に作っていた。素早くボールを動かしてサイドを攻める清水に対し、1トップ下の3人がDFの枚数に関係なく次々とドリブルで特攻。特に狙われたのが1対1に脆さを見せる篠田の左サイドで、CKやファールによるFKでの危局が続く。37分には、出ましたGK西川のFK。
(ああ、こうやって見ると、結構カブってますね)
しかし、これは壁に跳ね返され、真司が抜き出しかけるもオフサイド。GKが上がってるから、後ろに2枚DFがいないと、オンサイドにならないのね。30分間の恒常的優勢と先制点、残り10分間の若干の劣勢。後半に続く。
大分 清水エスパルス 2(1) シュート 10(4) ×阿部、○阿部、×篠田、×阿部、×真希、×阿部、◎真司 ○枝村、×谷野、○大瀧 2(0) 右クロス 5(2) ×枝村、×枝村、×森安、◎森安、○枝村 2(0) 左クロス 6(2) ○篠田、×枝村、×真司、×篠田、○大瀧、×大瀧 2(0) 右側CK 0(0) 2(0) 左側CK 0(0) 0(−) 犯OS 2(−) 阿部、真司 7(−) ファウル 7(−) 森安、真希、阿部、高柳、谷野、篠田、篠田
[後半] 最初の10分は、前半の最後を引きずる形で始まる。2分、もたついた村越が古手川に詰められ、漸く入れたクサビは読んでいた三好がカット、自ら拾って逆に前へとクサビ。このボールを河内が簡単に逆サイド(清水の左側)に流すと、先ほど村越のカバーで全体が右に寄っていた関係で、大きく空いた高柳と篠田の間で石田?がフリー。しかし、篠田がシュートブロックを図って矢のようなスライディングで飛び込むと、これを交わすために切り返してしまい、再度シュート体勢に入る前に高柳がカバー、結局シュートはブロックされる。大分は続く5分には梅崎のミドル、8分には森安の裏を取って古手川のクロスは篠田がクリア。攻める。 が、清水も手をこまねいていたわけではない。9分には、海人のゴールキックを競り勝った阿部が頭で後方に流し、抜け出した谷野の突破から右CK。ニアを狙った大瀧のキックが跳ね返され、真希?がもう一度PA内に入れるが、これも跳ね返される。だが、ほぼ中央で拾った枝村、20Mミドル。良いシュートだったが、僅かに左に外れる。押しているのは大分だが、ゴール前の決定力の違いで清水が勝ち抜きそうな雰囲気が、この時点では確かにあった。
分水嶺となったのは、後半10分前後の交代。清水は谷野から柴田へ。攻撃的な意味合いがあるが、いつも通りに1年生2人を共に経験を積ませようとの意図が強い。一方の大分は、森重をDFラインに入れて、代わりに183cmの吉良をCBから1トップに。この吉良1人に清水のCB2枚が振り回され、すると1トップ下の3人をSB2人では掴まえきれない。真希が下がって守備に専念すれば、枝村1人では中盤中央を抑えられない。普段通りサイドに張る大瀧・柴田は孤立し、単独突破で打開を図るには力不足。例によって真司は消え、阿部も一人ポツンと前線に。勿論、サッカーは理論通り行く方が少ないのだが、この日の清水は完全に混乱し、皇甫官の手中にあった。 14分、森安の50Mチェンジサイドで真司が左サイドを抜け、折り返しに枝村がニアで抜け出すも、トラップが大きくなってラインを割ったのが、清水最後の好機。以後は一方的に攻められ続け、17分には一本の長いパスから大分のカウンター。単独突破を図る河内の進路を高柳が塞ぐが、遅れて村越が応対に来ると、その隙間を利用して15Mミドルを放った。しかし、ボールはファーに外れる。21分に大分がちびっこドリブラー甲斐を投入すると、混乱はいよいよ拍車が掛かる。
それでも、大分はゴール前の決定力がなく、シュートの殆どは清水DFのブロックに遭ってゴールへと飛ばせず。33分の甲斐の右クロス→吉良のヘッドは当たり損ね、34分のシュートはブロックに引っ掛かって海人は拾うだけ。37分、中央から捌いたボールから甲斐が精妙な左クロス。頭一つ高い吉良が裏に落として、2列目から抜け出た河内がボレーを打ったが。これも当たり損ねで海人がワンバウンドキャッチ。高柳を余らせて村越・森安をCBに置く3バックとか、大瀧を中央に置いて3ボランチにするとか、或いはもっとシンプルに高さ対策で石垣を入れるとか、有効な手立てはあったはずだが清水ベンチは動かず。グラウンドの選手に任せたとも言えるし、実際、逃げ切れる可能性は十分にあったと思う。 終了間際の38分、それは起こった。大分の左CK。梅崎のキックはニアで大分の選手が触れて流すと、PA手前中央の所謂バイタルエリアへと渡る。このボールをワントラップで低く斜めに折り返すと、ニアの外側にいた石田が斜めに走り込みながら、抜け出しかける。その瞬間、内側にいてスクリーンできなかった村越が、反射的にスライディング、バックチャージ、石田が倒れ、判定はPK。遠く大分から駆けつけた親御さんたちが見守る中、古手川のシュートは完全に海人の裏をかき、ほぼ中央に決めた。1−1。土壇場で大分が追いつく。海人は遂に、大会初失点を喫した。 歯車の噛み合わない清水が突き放す力はなく、阿部がキックオフ・ゴールを狙ったが、神谷でない阿部が決めることは能わず、4分以上あったロスタイムも無為に過ぎて、タイムアップ。今年は緒戦から躓いたが、ドローで終わったことを感謝すべき内容であった。
大分 清水エスパルス 6(5) シュート 2(0) ×枝村、×阿部 3(0) 右クロス 1(0) ×柴田 5(2) 左クロス 3(1) ×篠田、○真司、×大瀧 1(0) 右側CK 0(0) 1(1) 左側CK 1(0) ×大瀧 2(−) 犯OS 5(−) 阿部、谷野、大瀧、阿部、真司 11(−) ファウル 15(−) 真司、森安、村越、真希、高柳、阿部、真希、阿部、真希、真司 高柳、枝村、村越、森安、大瀧
▼試合結果 清水エスパルスユース 1−1 大分トリニータU-18 得点:前半25分:清水・鈴木真司 (森安洋文・右クロス) 後半38分:大分・小手川正忠(PK) 警告:前半16分:大分・福元洋平 (ラフプレー) 前半19分:大分・三好洋央 (ラフプレー) 後半39分:大分・小手川正忠(遅延行為)
▼選手寸評 山本海人−−キックも含めて終始安定。PKは仕方なし。
森安洋文−−裏を取られる回数の多さは気になるが、その分、中央のフォローに奔走。 村越大三−−良いプレーもあるが、全体的に競り負け傾向。大事な場面で大胆さの負の面が出た。 高柳亮太−−1対1で勝てずにチーム全体が下がる起因となった。的確なカバーはさすがだが。 篠田大輔−−前半終盤に競り合いの脆さを出したが、後半は破綻寸前の中央を必死に繕い続けた。
谷野由紘−−決定的な仕事は無かったが、幅広い動いて攻守に絡み、悪くない内容。 山本真希−−後半は獅子奮迅。怠りなく中盤の守備・繋ぎをしつつ、第3のCBとして機能した。 枝村匠馬−−この劣勢の展開でファールが1回(しかもハンド)。これが全て。 大瀧義史−−サイドに孤立する状況は大瀧には酷だが、状況への対応力が彼にはあるはず。
鈴木真司−−先制点は見事。だが、特に劣勢の後半、殆ど消えた。 阿部文一朗−くるくる。シンプルなポストそれ自体は良いが、後半は前線で溜めるべきだった。
柴田和也−−同じくサイドに孤立。単独突破も彼には求められたはずだが、悉く失敗した。
--- 03年07月27日11:00開始 Jヴィレッジ Pitch 3 日本クラブユース選手権(U-18)大会 横浜F・マリノスユース 対 ヴィッセル神戸ユース ※40分ハーフ
▼布陣 横浜F・マリノスユース: ヴィッセル神戸ユース: −−−−−保崎−−村岡−−−−− −−−−−稲田−−木村−−−−− −坂井−−−−−−−−−−荒井− −−−−−−−吉田−−−−−−− −−−−−鈴木−−今田−−−−− −久門−−市川−−大森−−安里− −染宮−−奥山− 加藤広 −天野− −−−中島−−古川− 小宮山 −− −−−−−−−飯倉−−−−−−− −−−−−−−安原−−−−−−− 交代:後半17分:保崎→杉山 交代:前半30分:小宮山→高田 奥山→加藤健 後半06分:吉田 →木下 後半27分:村岡→ハーフナー
▼試合展開 前半16分:横浜、坂井のドリブルが正直、もたついてサイドに追いやられたところ、異様にファールに神経質な主審がホールディングのファールを採って、横浜のFK。保崎のキックは壁の裏へと抜けると、ファーに走り込んだ加藤広が頭でゴール左に流し込み、横浜が先制する。1−0。 後半11分:横浜、左60度距離35MほどからのFK。坂井のキックに対し、巧くマークの前に入り込んだ奥山が頭でニアに流し込み、セットプレー2発で横浜が点差を広げる。2−0。
横浜F・マリノスユース 2−0 ヴィッセル神戸ユース
横浜 神戸 10/10(5/7) シュート 4/3(0/1) 7/5(3/2) 右クロス 0/0(0/0) 1/5(0/2) 左クロス 1/2(0/0) 0/2(0/1) 右側CK 1/0(0/0) 0/1(0/0) 左側CK 0/1(0/0) 2/1(−/−) 犯OS 1/1(−/−) 14/9(−/−) ファウル 17/9(−/−) ※前半/後半(成功数・枠内数)
個人的好印象選手:加藤広、今田(横浜)、市川、吉田(神戸)
--- 03年07月27日15:00開始 Jヴィレッジ Pitch 1 日本クラブユース選手権(U-18)大会 ガンバ大阪ユース 対 三菱養和サッカークラブユース ※40分ハーフ
▼布陣 ガンバ大阪ユース: 三菱養和サッカークラブユース: −−−−−江口−−三木−−−−− −−−−−染宮− 土岐田 −−−− −−−家長−−寺田−−松岡−−− −− 長谷川 −吉田−−小川−−− −−−−−−− 與 −−−−−−− −−−−−−−塩田−−−−−−− −森山−−野村−−丹羽−−河内− −後藤−−吉田−−塚原−−風間− −−−−−−−三橋−−−−−−− −−−−−−−富居−−−−−−− 交代:後半12分:江口→出口 交代:後半39分:小川 →湯澤 後半32分:與 →横谷 長谷川→飯田 後半39分:三木→渡部
▼試合展開 後半23分:養和、佐藤が河内を交わしてスルーパス、染宮は抜け出すのがワンテンポ遅れたが、右に大きく開いて流れたボールに追いつくと、林に隠れた幻のゾーンで何とかして右クロス。GKを越えてファーに抜けたボールを土岐田がフリーで合わせて、養和先制。0−1。 後半36分:ガンバ、中盤の底から寺田のロングフィードに、それまでコンタクトを厭わなかった養和DFが何故かオフサイドを奪いに行って失敗。一度引いていた三木が抜け出すと、GK富居はPA境界線で飛び出しを躊躇、PA内で手を使えてもその場ジャンプとなった富居よりも、助走した三木が高さで上回り、当てただけのシュートはDFのカバーも間に合わず、ゴールに吸い込まれた。1−1。 後半38分:ガンバ、DFの跳ね返しを拾った寺田、養和のチェックは非常に緩慢で余裕を持って20Mミドルを放つ。威力は並だったが、低く丁寧にサイドを狙ったシュートに、DFがブラインドになったか富居の反応は全く遅れて、土壇場でガンバが逆転する。2−1。
ガンバ大阪ユース 2−1 三菱養和サッカークラブユース
ガンバ 三菱養和 6/10(2/5) シュート 2/6(1/1) 0/0(0/0) 右クロス 2/0(0/0) 6/3(1/3) 左クロス 2/2(0/0) 1/2(0/1) 右側CK 1/0(0/0) 0/1(0/1) 左側CK 0/1(0/0) 0/0(−/−) 犯OS 3/1(−/−) 6/9(−/−) ファウル 15/10(−/−) ※前半/後半(成功数・枠内数)
個人的好印象選手:前半の家長、最後3分の寺田(ガンバ)、佐藤、吉田(養和)
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