2003年07月05日(土) |
東海プリンスリーグ 藤枝東高校戦 |
03年07月05日14:10開始 磐田市営安久路グラウンド JFA プリンスリーグ U-18 東海 2003 対 藤枝東高校 ※45分ハーフ
▼布陣 −−−−−八木−−阿部−−−−−
−大瀧−−−−−−−−−−谷野−
−−−−−真希−−枝村−−−−−
−篠田−−森安−−石垣−−雄也−
−−−−−−−前田−−−−−−−
控え:海人、小林、田淵、杉崎、望月、柴田 交代:後半21分:谷野→柴田(そのまま右MFに) 後半35分:雄也→小林(そのまま右SBに)
藤枝東高校:
−−−−−柴田−−閨谷−−−−−
−−−鈴木崇−−−−−赤星−−−
−−−−−滝口−−木村−−−−−
−立田−−小関−−新庄−鈴木大−
−−−−−−−高橋−−−−−−−
交代:後半00分:鈴木崇→北村、後半12分:柴田→河津、後半31分:閨谷→中村 後半35分:鈴木大→佐々木
▼試合展開 何気ない気持ちで「あ、この日はJrユース→ユース→トップでハシゴできるな」と言い出したら、駅前探検倶楽部の弾き出した回答、…6時前に家、出ないと駄目ですか? すいません、三好町、舐めてました。前日、職場の食事会で無意味に食べた310kgステーキが胃もたれする中、起床。一路、西へ。途中、お二方に車で送って頂き(深謝!)、何とか両会場、共に間に合うことが出来た。 ユースの会場は恒例の安久路グラウンドだが、普段と大きく異なる点が一つ。観客の数、数、数! いつもはグラウンド脇の20台ほどの駐車場すら埋まらないというのに、ヤマハの駐車場まで満杯。地元の磐田ユースとの対戦に際し、静岡学園応援団が大挙して駆けつけたようだ。応援団側には行かなかったので正確には分からなかったが、駐車場に停まっていた車は100台ほど、観客は延べ1なら000人近くにはなっていただろうか。静学−磐田戦(静学の2−0の勝利)後には、だいぶ人も引いたが、それでも200名近い観客がこの試合を見守った。天気は曇り、時々思い出したように雨粒が落ちてきた。暑苦しくはないが、蒸して不快指数高し。
さて、東海高校王者、藤枝東。だが、プリンスリーグでは不調が続いている。清水も中日本でU-18、U-17と2回当たっているが、連勝。とはいえ、その後の藤枝東は県・東海と高校総体を制覇。主将の木村がますます存在感を増すと共に、彼とダブルボランチを組む滝口の成長、更に立田と1年生鈴木崇によるサイド攻撃も威力を増しているということだ。 一方の清水、先日の静学戦で警告を受けた真司・村越が、累積で出場停止なのかベンチ外。それに加えて、DFリーダー高柳、左サイドの岡村もベンチ外(寄稿された観戦記にはないが、同様に静学戦で、それぞれ遅延行為とラフプレーで警告を受けていたとの情報あり、なお出場停止は累積2枚)。更に海人をベンチに置いたのは、7月12-16日のU-18代表候補合宿(候補が取れれば21日まで)を考慮して、前田に経験値を積ませたいとの意図だろうか。全員チームには同行し、ハーフタイムではボールで戯れていたので、怪我とは考えづらい。何はともあれ、GKも含めて守備陣は大きく組み替えられ、1年生7人中5人を先発に並べるフレッシュな布陣で挑むことになった。
(主将の大瀧と藤枝東主将・木村。共に質の高いプレーでチームを率先した)
(左から森安、真希、篠田、前田、阿部、石垣、枝村、谷野、八木、雄也。学年ごとにまとまってると思いきや、意外にバラバラ)
[前半] 開始後は、いきなり藤枝東。久々の公式戦となった前田は試合勘が戻らなかったのか、無理にクロスや裏を狙ったパスに反応してしまい、クリアも曖昧で無用なピンチを招く。だが、藤枝東の方もクロスは1本、シュートはDFにブロックされ、効果的なプレーができない。 相手の拙攻にも助けられた清水は5分、大瀧のクロスを鈴木大がブロックし、左CKを得る。枝村が蹴ったボールはPA内中央を抜けると、ファーに石垣が走り込みながら折り返す。雄也が競り合うが、これはDFがクリア。そこに森安、素早く中盤から駆け上がってフォローすると、バウンドするボールをノートラップ15Mミドルシュート。ボレーの基本で叩き付けたシュートはGKの手前でバウンドし、その腕を抜けていった。1−0。初シュートで先制に成功する。森安は東海プリンス、5得点目。
主導権を握ったことで漸く落ち着き、両SBが意欲的に上がって、アーリークロスで効率良く崩しに掛かる。藤枝東も赤星が30M強の位置からFKで強襲するが、枠上に外れる。すると14分、枝村の突破を赤星がカット、そのクリアボールから閨谷が右サイドスペースに抜け出しを図るが、篠田が体を入れ替えて再奪取する。こぼれたボールを真希が素早くフォローすると瞬間、クサビの低い縦パス。これを大瀧が受けて体を張って粘るが、反転しようとしたところを新庄と鈴木大に潰され、…たかに見えたが、一緒に倒れ込みながらも左足を動かし、そのマークの裏へとスルーパス。ここに阿部が反応、裏に抜け出してのシュートは阿部が最も得意とする形。寄せる小関を力でブロックし、速さで惑わすと、低く強烈なシュートをゴール角に突き刺した。2−0、2本目のシュートで突き放す。阿部は、GW中のU-18代表候補合宿で落選以降、県クラセン磐田戦から8試合連続ゴールを達成した。 藤枝東も柴田が積極的に撃ってきたが、もはや流れは清水。少ないタッチでシンプルにスペースを使うサッカーで、プレーに一呼吸多い藤枝東を判断速度で圧倒した。左サイドから、16分に阿部が落としたボールを大瀧がミドルで狙うと、18分には後方からのロングフィードを中盤で真希が頭で落として、大瀧。そのまま前方のスペースにパスを送ると、ポストした真希がすぐさま走り込む。PAに侵入すると、軽い切り返しから早いタイミングでシュート。低い軌跡で唸りを上げたが、GK正面。 続けて19分、枝村が自陣中盤の底で奪うと、反転して右サイドの雄也に戻す。すると雄也は逆サイドへ大きくチェンジサイド。ハーフラインやや進んだところで篠田が受けると、今度はアーリークロス。ボールは左SB立田のまた外のファーへ流れていくが、阿部はそれを一目確認するや、猛然と突進。誰もいないスペースに一人侵入すると、狙い澄ましたダイビングヘッド。ボールはゴールに突き刺さった。3−0。
点差が開くと、リードしている方は無用の警告と怪我を恐れて、ノーファウルを心がけるものである。だが、この日は違った。20分まではファウル数は、清水2:藤枝東1だったのが、その後の25分間で、清水8:藤枝東3。贔屓目だが、急に清水のプレーが荒くなったってことは、無かったと思う。ともかく、これで清水の攻撃の連動性は損なわれ、次第に藤枝東ペースに変わっていく。 22分、藤枝東陣内での大瀧のファウル。このFKを蹴った先で、今度は森安のファウルの判定。労せずして清水陣内左45度25Mの位置でチャンスを掴んだ藤枝東、赤星が2枚の壁をふわりと越えるボールを蹴ると、その裏で小関がバイシクル! だが、威力無く、ボールも左へと転がって外れていった。続いて23分にも、閨谷の突破から枝村のファウルを誘うと、左45度25Mから赤星が巻いて壁の裏に落としたが、前田が弾き、詰めた選手はオフサイド。 ファウルの判定が続いたことで、清水はドリブル突破にも及び腰になり、サイドを崩される場面が増えていく。29分、阿部のオフェンスファウルから素早く試合を再開させた藤枝東、枝村のチェックを軽く交わして木村が突き進むと、戻ってチェックに来た阿部が追い付く前に閨谷にクサビを当てる。閨谷はダイレクトで左に流すと、そこに柴田が流れて受け、そのままドリブルからシュート。パワーはあったが、真っ直ぐニアに外れる。 30分、鈴木崇に谷野と雄也の間をスルスルと抜かれ、30度からシュートを放たれるが、前田がキャッチ。32分、赤星のドリブルからCKのチャンス。左CKを赤星が自ら蹴ると、中央の競り合いを抜けたボールに、ファーで藤枝東の選手がフリー。前田は競り合いから戻りきれず、これをワントラップから無人のゴールに流し込んだに見えたが、石垣が冷静に戻って、きっちりとカバーした。 正直、藤枝東が「ドリブルのためのドリブル」ではなく、「シュートのためのドリブル」・「クロスのためのドリブル」がもっと多ければ、危険な場面は増えていただろう。だが、ドリブルが成功したことで「ドリブルのためのドリブル」が増えてしまい、清水としては守りやすかった。その後も、壁が必要な位置で2度、FKの判定を受けたが、凌いでハーフタイムへ。この時間帯、攻撃はクロスが単発で上がるのみ、見るべきものは少なかった。
藤枝東 清水エスパルス 7(3) シュート 5(4) ◎森安、◎阿部、×大瀧、○真希、◎阿部 3(1) 右クロス 3(1) ○雄也、×雄也、×雄也 1(0) 左クロス 6(1) ×真希、×篠田、×篠田、×大瀧、◎篠田、×真希 1(0) 右側CK 0(0) 1(1) 左側CK 1(1) ○枝村 1(−) 犯OS 3(−) 阿部、阿部、八木 4(−) ファウル 10(−) 篠田、森安、大瀧、森安、枝村、篠田、阿部、不明、谷野、 谷野
[後半] 試合再開後も、最初の5分でいきなり4回もファウルの判定。だが、次第に藤枝東の運動量が落ちたことで、審判を意識できる余裕が生まれる。2分、真希の左クロスの跳ね返しを、枝村が奪って再度左に展開。今度は大瀧が受けて、マイナスのクロス。PA内中央の阿部はスルーすると、ファーサイドで谷野が走り込み、PA外距離20Mからミドル。質の高いシュートだったが、反応した高橋がボールを逸らし、CKに逃れる。 その後も押し気味に進めたが、今度はオフサイドに引っ掛かり、攻めきれない。一方の藤枝東は、3−5−2の左WBに回された立田を中心にドリブルを仕掛けるが、最後のクロスのタイミングがPA内のFWと合わない。 清水ベンチに飛んできたボールを、獅子内がボレーで跳ね返し、それが座っていた海人を強襲したりした後の11分。中に切れ込んだ大瀧だが行き詰り、谷野に斜めに戻す。これを谷野はダイレクトで低く強く縦に入れると、いち早く反応したのは八木。ブレなく直進するフィードの軌道上に走り込むと、CB2人の間に巧妙に抜け出す。2人挟まれると、本来どんなFWでも仕事はできないものだが、八木は両CBが寄せ切る前に自ら体を倒し、スライディングシュート。W杯ベルギー戦での鈴木隆行のようなテクニカルな左足キックは、GKの脇の下を抜いてゴールへと吸い込まれた。4−0。
流れを掴んだ清水は12分にも、谷野が入れた右クロスに、阿部がクライファート的な難しいボレーで合わせたが、GK正面。17分には、枝村が右サイドPA角手前に散らすと、そこへサイドから斜めに入ってきた谷野がクサビになり、更に右へと流す。中盤の底から大きく回り込んできた真希がサイドスペースに抜け、ダイレクトでクロス。すると、PA中央に起点となった枝村が走り込む。枝村には珍しい飛び込みながらのヘディングシュートを放ったが、これもGK正面。 藤枝東も河津を投入。河津が意識して右に流れることで、左の立田を合わせて攻撃の幅が出てきた。18分、森安が戻したボールを石垣がフィードし損ね、河津の下へ。フリーでシュートを放ったが、前田の正面。不安定だった前田だが、21分にも赤星のスルーパスに右に抜け出した河津の角度のないシュートを、ニアに位置取りながらファーに軽快な横っ飛びでキャッチ。乗ってくる。 攻撃面では谷野に代えて入った柴田が、積極性を見せる。21分には、枝村の中央ドリブルから真希に戻し、その前に斜めに走り込んだ柴田がポスト、右に叩いて流れた八木がクロス、ファーで大瀧がもう一度折り返すも、GK。 28分、左サイドで八木が素早くスローイン。受けた大瀧は幾らかタイミングを図ると、サイドスペースにスルーパス。タッチを割ろうかというところで八木が追い付き、低い弾道の左クロス。中央の阿部が見送ると、ファーサイドで柴田がインサイドで合わせる。しかし、ボールは僅かにバーの左へ。柴田は更に30分にも、大瀧の35Mアーリークロスに斜めに駆け込んでボレーで合わせたが、GK正面。
逆襲の機を狙う藤枝東、ここで1年生・中村を投入。中村自身のプレーよりも、ターゲットマンが入ったことで狙いが明確になり、再三繰り返していたサイド突破が「クロスのためのドリブル」に昇華したことが大きかった。早速、32分には立田の左クロスから中村が頭で合わせたが、昨年までのチームメイト・前田がガッチリとキャッチ。32分、再び左サイドを突破した立田のクロスは、ニアで石垣がカット。だが、そのリバウンドを拾った木村が、20Mの位置からミドルシュートを放つ。ゴール前でポップする強烈なボールだったが、敏活に反応した前田が弾き、こぼれ球は自らキャッチ。 すると藤枝東は右のWB鈴木大に代えて、スピードのある佐々木を投入。サイド攻撃を強化する。一方の清水も、雄也に代えて小林を右SBに投入。幾度も狙われていた柴田と雄也の間合いの悪さの修正を図る。この対策で試合は再び膠着状態に。中村はJrユースの同期、石垣がキッチリとマーク。柴田が通算10回目のオフサイドを受けたのにキレた阿部が警告を貰った場面の他は、動きなく時間は過ぎていく。 そんな状況に43分の赤星、切り返しで真希のマークを一瞬外すと、右45度20Mから強引にミドル。だが、前田も反応してディフレクト、CKに逃れる。44分、右CKは立田の左足のキック。これがファーに抜けると、タイミングを待ち構えていた河津が、高い打点で折り返す。このボールにGK前田が食らいつこうとしたがカブり、佐々木がボールを受けると、誰もいないゴールに冷静に押し込んだ。4−1。 土壇場で一矢報いた藤枝東、ロスタイムも続けて攻勢。再び、立田の右CKは、前田がパンチングで弾いたボールを、新庄がシュートに行くが宇宙開発。次の場面では、左に流れた木村がクロスを入れるが、森安がカット。左サイドに戻して篠田に繋ごうとしたが、篠田の反応が遅れて木村が再び拾う。これを今度はPA角に戻すと、そこに佐々木が走り込んでシュート。だが、枠上。この強引さが、もう少し早く欲しかった。既に残り時間無く、フレッシュな面子で清水が快勝。得失点差を広げたことで、静学を抜いて東海プリンス首位に躍り出た。
藤枝東 清水エスパルス 8(6) シュート 9(5) ○谷野、×枝村、◎八木、○阿部、○枝村、×阿部、○枝村 ×柴田、×柴田 2(0) 右クロス 3(3) ○谷野、○真希、○八木 5(2) 左クロス 8(3) ×真希、○大瀧、×大瀧、×大瀧、○八木、○大瀧、×大瀧 ×篠田 2(1) 右側CK 1(0) ×大瀧 0(0) 左側CK 1(0) ×枝村 0(−) 犯OS 7(−) 大瀧、阿部、八木、八木、阿部、大瀧、柴田 5(−) ファウル 5(−) 石垣、雄也、八木、不明、不明
この後、東京在住シーズンチケットホルダーとしては当然、国立にハシゴする予定だったのだが、旧友の上京に伴い焼き肉パーティーへ(連日の肉かよ…)。無念、だったのだが、現地の友人からはメールが。「来なくて良かったですね」。…いやはや。
▼試合結果 清水エスパルスユース 4−1 藤枝東高校 得点:前半05分:清水・森安洋文 (なし) 前半14分:清水・阿部文一朗(大瀧義史・スルーパス) 前半19分:清水・阿部文一朗(篠田大輔・左クロス) 後半11分:清水・八木和秀 (谷野由紘・スルーパス) 後半44分:藤枝・佐々木太朗(河津恭平・ショートパス) 警告:前半26分:清水・篠田大輔 (ラフプレー) 後半40分:清水・阿部文一朗(異議)
▼選手寸評 前田陽平−−序盤は混乱。次第に復調、軽快に際どいシュートを防いだが、失点には責任大。
杉山雄也−−強く速く高く、フィードも正確。しかし、ポジショニングの悪さは相変わらず。 石垣勝矢−−時折、気の抜けたクリアがあるが、凶悪かつ冷静な守備でゴール前に蓋をした。 森安洋文−−攻守で八面六臂。先制点を叩きむと、広範にカバーしつつ局所戦でも圧倒した。 篠田大輔−−徐々に節制したが、大瀧と巧く攻撃に絡んだ。新顔の揃う最終ラインをカバー。
谷野由紘−−バランスが良い。サイドに限定せず、守備に戻り、切れ込んでクサビも受ける。 山本真希−−代表の遠征後、覚醒か。判断の速さと潰しの激しさは、枝村を補って余りある。 枝村匠馬−−赤星との痛烈な個人対決に終始。そして共倒れ。互いに激しく当たり、消えた。 大瀧義史−−魔法の左足は健在。だが、それ以上に粘り強さを見せ、攻撃の厚みを誘引した。
八木和秀−−前半は消えがち。後半は適切にサイドに流れ、サイドプレーヤーの本領を発揮。 阿部文一朗−絶好調。異議以外は文句なし。素早く的確に繋ぐポストは昨年に比べ隔世の感。
柴田和也−−PA内に飛び出す動きに良さを見せた。戻りが悪く、右SBには負担を掛けた。 小林拓矢−−短時間だったが、前掛かり気味の柴田の裏をカバー、投入目的は果たしたはず。
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