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2002年11月17日(日) Jユース杯 予選リーグ 柏レイソル戦(H)

02年11月17日14:00開始 清水ナショナルトレーニングセンター・J-STEP
 第10回Jユースカップ2002・Jリーグユース選手権大会 予選Dグループ
 対 柏レイソルユース(H)

▼布陣
−−−−−真司−−拓也−−−−−

−大瀧−−−−−−−−−−上埜−

−−−−−枝村−−浩太−−−−−

−森安−−高山−−渡邊−−小林−

−−−−−−−海人−−−−−−−

交代:後半00分:小林→篠田(森安を右SB、篠田を左SBに)
   後半13分:上埜→仁科(拓也を右MF、仁科をFWに)
   後半36分:真司→阿部(そのままFWへ)

柏レイソルユース:

−−−−−菅沼−−多田−−−−−

−−−−−−−船山−−−−−−−

−佐藤−−大谷−−石原−−大峡−

−−−石川−−片寄−−岩崎−−−

−−−−−−−大桶−−−−−−−

交代:前半29分:大峡→和田、前半42分:岩崎→須賀、後半18分:多田→小森
   後半32分:船山→櫻田


▼試合展開

 2度目ということで迷わず、清水駅から徒歩50分弱で到着。時間余りまくり。
 現地は風は穏やかな曇天。前回と違い芝はやや荒れ気味。確かに寒いが、関東に比べるとかなり快適な日曜の午後。J-STEPには100人強の観客が集まった。まあ、昨日の高校選手権県大会決勝と比べれば、1%程度の人数だが。
 清水は山本真・前田らの中学生を合流させず、また阿部と仁科をベンチに。新聞によると阿部が左内転筋痛、仁科が左足捻挫ということだが、試合前のアップを見ている限り問題はないだろう。また天野は試合前、ウォーキングと軽いジョグをしていたので、軽傷で大事を見たというところか。前線に前節2人で3ゴールを稼いだ2トップ、右サイドには新鮮な顔ぶれを揃えた。
 一方、予選突破に希望を繋ぐには最低でも勝点1、清水に逆転するためには勝点3が必要な柏は、菅沼をトップから呼び戻し、船山をジュニアユースから合流させ、ほぼベストのメンバーを整えてきた。

[前半]
 序盤は定石通り、潰し合いの様相。8分、森安が攻め上がり、中央に切れ込んだところを潰され、FK、浩太が素早くリスタートし、左サイド、フリーの大瀧がセンタリングを入れるが、一歩前でDFカット。以後も両者、サイドで勝負してクロスを入れるが、DFが集中を切らさない。
 20分の浩太の左CKは、DFがクリア。このボールを海人が35M近く飛び出してキープ、FW多田に詰められるがターンして振り払い、右サイドにフィード。残っていた高山がセンタリングするが、GKボール。
 このあたりから、清水のポゼッションが高まり、再三裏を狙う大瀧と大胆に突破を図る森安の左サイドから崩しはじめる。しかし、FW二人がドリブルを狙う位置取りをしているため、中央でクロスが合わせる人がいない。また浩太のスルーパスを引き出す動き出しや、枝村が前線へ飛び出す時間を作るポストプレーもなく、攻撃が単発で散漫であった。しきりに浩太からポジショニングを修正される拓也・真司は、阿部と仁科のツラさが、身に染みて分かったことだろう(笑)。

 最初のシュートは25分。浩太が右サイドで切り返したボールをDFがカット。それを拾った上埜がダイレクトで狙ったもの。28分には、森安のタックルがボールと同時に大峡の足を踏んでしまい、ファウル。そして森安にはイエローカード、大峡は足首を捻って負傷交代。このFKを跳ね返すと、枝村が拾って中央を駆け上がる。一度右の上埜に預けると、その前に流れてリターンを受ける。センタリングは拓也に届くが、トラップに手間取り、クリアされる。
 一方の柏は32分、絞る森安の外のスペースに流れた菅沼が、フリーで受けてセンタリング。中央の多田が豪快にダイレクトで合わせてシュートを放ったが、右ポストを掠めて外れてしまう。41分にも、ファーに流れたかに見えた和田のアーリークロスに菅沼が追い付く。さらに前に刻み、左20度から強烈なシュート。見事に枠を捉えたが、海人も見事に反応し、これをキャッチする。
 前節と違い、むしろ清水に中盤を支配されてるからこそ、柏は堅守速攻という自分たちの持ち味を出せている印象。また、絞りすぎる傾向のある清水SBの外を突くなど、狙いも徹底している。

 清水は44分、森安が自陣から左足アウトに掛けたロングフィード。GKの守備範囲内に思われたが、中途半端なポジショニングを見逃さず、飛び出した枝村が先に触って追い付く。キックフェイントでGKを転ばすと、寄ってきたDFを見切って中央の拓也にラストパス。しかし、拓也のシュートは倒れるGKの前に弱々しく転がり、先制点を逃した。
 結局、ボールを支配しながら、有機的な攻撃を披露することなく、前半を終了する。

柏レイソル     清水エスパルス
3(1) シュート 5(4) ○上埜、×枝村、○上埜、○枝村、○拓也
3(1) 右クロス 7(1) ×上埜、×小林、×高山、○枝村、×上埜、×上埜、×小林
3(0) 左クロス 8(0) ×森安、×大瀧、×枝村、×大瀧、×森安、×大瀧、×枝村、×大瀧
2(0) 左右CK 5(1) ×浩太、○浩太、×浩太、×浩太、×大瀧


[後半]
 後半開始最初の清水の攻撃は、その狙いに定評がある。この日も、枝村が大瀧に当てると、その外に回り込みリターンを受ける。そのまま淀みない動きでサイドを突破し、角度のない位置からシュートを放つが、GKキャッチ。続けて1分にも、左の森安の大きなフィードを、真司が右サイドの深い位置で追い付く。これを上埜に戻すと、上埜のクロスはGKが弾く。このボールを上埜が今度はシュートを放ったが、またもGKが弾いてCKに逃れた。
 柏も6分、清水右サイドにロングフィード。流れて受けた菅沼に森安が対応し、一度は深いタックルを入れてボールを弾くが、菅沼に再度拾われると今度はドリブルで抜かれてセンタリングを許す。中央の大谷がミドルを撃つが、これは宇宙へと発射。
 9分にもロングボールから菅沼がフリーで前を向き、中央突破。これに渡邊・高山が対応し、粘る菅沼に対しシュートコースを完全に塞ぐ。菅沼は諦めて右に大きく開くと、篠田が対応する前に和田がセンタリング。和田と菅沼の間に入ったフリーの多田がボレーで狙ったが、ニアサイド外に逸れる。

 速攻の形ができている柏と、ボールは支配するが自分たちの形が出せない清水。柏優位に思えたが、清水にはもう一つ武器があった。まずは10分、海人のキックから左に流れたボールを、大瀧と真司が上手く追い込んでCKを得る。
 浩太の左CK。低く飛んで沈み込むボールはニアに殺到した両軍を越えて、中央の大瀧がフリー。大瀧が左足ボレーで合わせると、低い熾烈なボールがGKの指先を抜け、ネットに突き刺さる。1−0
 さらに13分、またもや右CKを得る。浩太のボールは、今度は中央も越えてファーで沈み込むと、フリーで待つのは、やはり大瀧。ヘッドで丁寧に合わせたボールがGKの飛び出したゴールに収まった。2−0
 これで流れは完全に清水。18分、中央の浩太のパスは、相手最終ラインの左外を回り込んでフリーの大瀧へ。大瀧から、さらに外でフリーの真司に渡してセンタリング。仁科が飛び込んだが、一歩早くDFがクリアする。
 20分、柏のロングボールに海人が反応良く、ギリギリまで飛び出して、…いや、ギリギリ以上に飛び出してヘッドでクリア。しかし、これが菅沼の体に当たってしまい、菅沼は海人と渡邊を振り切って無理矢理シュートに行くが、当たり損ねでカバーに入った高山が悠々とトラップ。
 そんなちょっぴりお茶目なプレーもあったが、直後にも、森安のロングフィードの競り合いのコボレを、真司がカカトでパス。受けた仁科からリターンが出て、真司が飛び出したGKを抜き去ろうとするが、失敗。

 24分、枝村のスルーパスから右サイドに拓也が抜け出て、サイドから横に切り込んだが、2枚目のDFがカット。25分にも再び枝村のスルーパスに、今度は拓也が縦に勝負に行き、PA内45度からのシュートは、枠の上。
 続けて28分、またも枝村から拓也へ。今度は拓也の前に枝村が飛び出してリターンを受けるが、読み切ったDFが詰めて、仕方なしに枝村とポジションの入れ替わった中盤の仁科に戻す。仁科は大きくサイドチェンジしてPA左角の真司へ。次の瞬間、左足一閃。地を這う低い弾道が、意表を突かれて反応が遅れたGKの横を抜け、ファーポスト内側に激突すると、そのままネットへと吸い込まれていった。3−0。高らかに腕を振り上げるファンタジスタは、観客のハートを掴んだ模様。

 しかし、試合はこれで終わらなかった。予選通過の望みを、柏が捨てなかったからである。31分、ロングフィードをクリア仕切れず、清水陣内ペナルティーライン付近で混戦。ここから菅沼が抜け出して、近距離からの痛烈なシュートは、しっかりコースを狙っていたが、海人の超反応が上回り、横っ飛びでストップ。だが、そこに最初に詰めたのは船山。3−1。さすがに、これには反応できなかった海人は、地面を叩きつけて悔しがる。
 35分にも、ロングフィードに対するオフサイド崩れで大谷が飛び出して、フリーでシュート。だが、海人はこれも横っ飛びでキャッチ、立ちはだかる。清水は、相手ロングボール攻勢を前に、軸となる浩太・枝村の中盤が消されてしまい劣勢。それでもカウンターの打ち合いに臆することなく、清水も真司・仁科が速攻を仕掛け、真っ正面からぶつかりあいに。
 そして39分。オフサイドトラップを仕掛ける清水DFに対し、一人後方から走り込んだ小森が左サイドを抜け出す。オフサイドの前線の選手はプレーに関与なし。スルーパスが決まり、完全フリーの小森はPA内に切れ込んでセンタリング。乱れたDFラインの隙を突いて大谷が飛び込み、ダイレクトボレーは海人の腕も届くことなく、ネットに吸い込まれた。3−2

 もはや、焦点は清水が残り時間を凌げるかに移ったかに見えた。だが、それでも清水は攻撃の姿勢を崩さない。仁科が、大瀧が、阿部が突破を仕掛けると、ロスタイムには、森安が相手ロングフィードに競り勝ってボールを落とし、拓也から自陣右に流れた浩太が受ける。すると仁科が相手左WBと左CBのギャップを突くフリーラン。見逃さない浩太からスルーパスが出ると、仁科が左CBを右から回り込んで抜け出て、1対1からシュート。股間を狙ったが、GK食い止める。
 さらにその後も、海人のフィードを阿部が競り合い、こぼれ球を裏で仁科が拾って左の大瀧へ。大瀧のクロスはDFに当たったが、跳ね返りを大瀧が反応してシュート。枠上に外れたところで、試合終了のホイッスルは鳴った。

柏レイソル     清水エスパルス
9(5) シュート 11(8) ○枝村、○上埜、◎大瀧、◎大瀧、×拓也、◎真司、×仁科、○大瀧、
               ○仁科、○仁科、×大瀧
6(1) 右クロス 5(2) ×上埜、×高山、○拓也、○枝村、×仁科
3(2) 左クロス 5(0) ×浩太、×真司、×大瀧、×真司、×大瀧
1(0) 左右CK 8(2) ×大瀧、×大瀧、×浩太、◎浩太、△浩太、◎浩太、×大瀧、×大瀧


 この試合の裏でヴェルディが磐田に0−6と惨敗したため、柏は勝点1でも加えられれば次節ヴェルディ戦に望みが繋げられたのだが、海人の牙城を崩しきれず。激戦区D組は清水とヴェルディの予選通過で決まった。

○試合後談話(スポーツニッポン静岡版より)
築舘範男監督「相手にプレスをかけられて慌ててしまった。攻守の切り替えをもっと徹底しないと」
杉山浩太主将「全日本ユースは心のどこかに油断があったと思う。今大会は同じ失敗をしないようにしたい」
大瀧義史「ヘディングの得点は久しぶり。予選突破が決まってうれしい」 そりゃそうだろう(笑)。


▼試合結果
清水エスパルスユース 3−2 柏レイソルユース
 得点:後半10分:清水・大瀧義史(杉山浩太:左CK)
    後半13分:清水・大瀧義史(杉山浩太:左CK)
    後半28分:清水・鈴木真司(仁科克英:ロングフィード)
    後半31分:柏 ・船山貴之(なし)
    後半39分:柏 ・大谷秀和(小森智孝:左クロス)


▼選手寸評
山本海人  7.5 ふぁんたじすた。

小林拓矢  5.0 酷いミスはないが無難なデキで、攻守に立ち後れ自分の色が見えなかった。
渡邊優希  5.5 勇気に満ちた高いDFラインは殆ど成功していたが、僅かな失敗が痛すぎた。
高山純一  6.0 優れた技術に支えられた奪取能力は健在だが、ポジショニングが今ひとつ。
森安洋文  5.5 意欲的な攻め上がりと高精度フィードで脅威を与える一方、守備は全く雑。

上埜健太  4.5 パスを呼び込む動きが無く消えていたが、ボールを持った時の精度は良し。
杉山浩太  6.5 攻守に別格の存在だったが、FWとの関係・柏の戦術故に不完全燃焼に。
枝村匠馬  6.0 持ち味の盛んな飛び出しを見せていたが、浩太と同じ理由で不完全燃焼。
大瀧義史  7.0 2得点の技術の確かさだけでなく、意欲的なスペースへの飛び出しが高評価。

鈴木真司  6.0 前半は殆ど消えていた。だが鮮やかな3点目が試合にもたらした影響は絶大。
杉山拓也  5.0 スペースで受けてドリブルの意識が高すぎ、厚みのある攻撃を導けず。

篠田大輔  5.0 真司が左に開くせいか、殆ど攻撃に絡めず。守備も無難という域を出ず。
仁科克英  6.0 有機的な攻撃を先導したが、1対1に2度失敗など自身の見せ場はイマイチ。
阿部文一朗 --- それでも何度か能力を垣間見せたり。


▼Jユース杯・Dグループ[途中経過]
09/08 日 15:00 大宮  0−5 東京V 仙元山
09/15 日 15:00 柏   2−2 大宮  あけぼの山
09/29 日 13:00 東京V 5−0 磐田  ヴェルディG
10/02 水 19:15 東京V 2−0 柏   ヴェルディG
10/05 土 13:00 磐田  1−0 大宮  大久保G
10/13 日 13:00 大宮  0−6 柏   大宮 
10/14 月 13:00 東京V 2−1 清水  ヴェルディG
10/20 日 14:00 清水  1−0 磐田  三保G
10/26 土 13:00 磐田  2−6 清水  磐田
11/03 日 14:00 柏   1−1 磐田  柏の葉
11/04 月 14:00 清水  2−0 東京V 清水NTC
11/10 日 11:00 大宮  1−1 磐田  東松山
11/10 日 14:00 柏   0−6 清水  あけぼの山
11/13 水 19:15 東京V 1−0 大宮  ヴェルディG
11/17 日 13:00 磐田  6−0 東京V 磐田
11/17 日 14:00 清水  3−2 柏   清水NTC

1 清水  15勝点(6試合5勝0分1敗) 19得点 6失点 得失点差+13
2 東京V 15勝点(7試合5勝0分2敗) 15得点 9失点 得失点差+ 6
3 磐田   8勝点(7試合2勝2分3敗) 11得点14失点 得失点差− 3
4 柏    5勝点(6試合1勝2分3敗) 11得点14失点 得失点差− 3
5 大宮   2勝点(6試合0勝2分4敗)  3得点16失点 得失点差−13

○次回対戦 11/23 (土・祝) 14:00 大宮 vs 清水  埼玉県営大宮公園サッカー場


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ひかる。 @H.P. [MAIL]

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