2002年06月02日(日) |
クラブ選手権 東海予選 名古屋グランパスエイト戦 |
02年06月02日14:01開始 第26回日本クラブユース選手権(U-18)大会 東海予選準決勝 対 名古屋グランパスユース
▼布陣 −−−−−仁科−−阿部−−−−−
−篠田−−大瀧−−浩太−−拓也−
−森安−−高山−−渡邊−−天野−
−−−−−−−海人−−−−−−−
交代:後半00分:篠田→真司(そのまま左MFに) 後半20分:天野→真希(拓也を右SB、真希を右MFへ) 後半35分;渡邊→高柳(そのままCBへ)
中日本ユースリーグでは、累積警告の浩太を欠く中、0−1の惜敗。県大会磐田戦での敗北と比べ、1年生以下を外した上級生による陣容になり、特に仁科と渡邊が戻ったことで、攻守に引き締まった。
名古屋グランパスユース:
−−−−−−−津田−−−−−−−
−−−上原−−平林−−神丸−−−
−−−−−稲垣−−高橋−−−−−
−森賢−−北本−−鈴木−−小出−
−−−−−−−森真−−−−−−−
交代:後半00分:上原→曽根原、後半15分:稲垣→諸江、20分:平林→遠藤
例によって、背番号は中日本リーグのパンフより推定(一部、情報を頂きました)。そして、例によって名古屋のシステムは、よく分からない(苦笑)。複雑な決まり事があるようで、2トップに対し北本とボランチ(主に稲垣)がケアすることで、鈴木をスイーパー的に余らせます。SBはボール側の選手が絞って守備に行き、逆サイドのSBは高い位置に上がります。つまり、例えば名古屋の右サイドにボールが出た時、
−−−北本−−稲垣−−小出−−−
−−−−−−−鈴木−−−−−−−
と変化するようです。 先発が随分とメンバーを落としたのは、磐田戦1−4の情報を得ての余裕? とすれば、あの完敗劇も、意味があったのかも(苦笑)。
▼試合展開 歩いて向かう途中、磐田市の布団屋でパルちゃん発見!…は、どうでもいいか(笑)。
試合開始直後は互いにプレスが厳しく、なかなか形の作れない状態。清水は動き回る仁科を起点に、ボランチとアウトサイドMFで三角形の形を試みる。例えば前半13分、外でキープする仁科から浩太、そしてスルーパスに篠田が飛び出すもラインを割る。 対する名古屋は、アウトサイドからのドリブル突破と、ロングフィードを使った裏への飛び出しで、得点機を狙う。しかし、渡邊・海人の統率するDFラインはスペースを与えず、相手を高い位置で封殺。名古屋の攻撃を散発するドリブル突破に抑え、それすらも渡邊・高山が素早く体を寄せてシュートまで持ちこませない。すると徐々にDFも攻撃に加わり、全体が前掛かりで攻め立て始める。
阿部の20Mドリブル突破や、CKから高山の「お前はトップ下か!」的な切り返しなど、清水の方も単発の個人技に頼みの時間が続いたが、最初のビッグチャンスは28分。相手のドリブルを潰した森安から大きく斜めのフィード、流れたボールを走り勝った阿部が、右アウトサイドからセンタリング、これも流れるが長い距離を走ってきた篠田が追いつき、再びセンタリング。阿部が飛び込むもオフサイド。 33分、DFがGKに戻したボールを、大瀧が飛び出しカット、センタリングは合わず。 34分、浩太が低い位置からキックフェイントでマークを外してから、アウトサイドを走る篠田へスルーパス、篠田のさらに外を森安がオーバーラップしマークが散ると、篠田が急遽カットイン。名古屋DF、たまらず足を引っ掛けFK。浩太の素早いリスタートに仁科がフリーでダイレクトシュートは、弱くてGKボール。 仁科は39分にも、自陣から森安のFKに合わせて、PA内フリーでダイレクトシュートを放つが、これも弱すぎてGKに落ち着いてキャッチされる。
折からの酷暑、そして強風で集中力の維持が難しい状況だが、両者譲らずにハーフタイム。こうなると、最初に集中を途切れた方が、失点する可能性が高い。後半は順風となった清水、その時は、意外なほど早く訪れた。
後半開始直後、中央右よりでボールを受けた浩太、アウトサイドを走る拓也にスルーパス。拓也は受けると、果敢にPA内に切れ込む。数人で囲んだDFがカットに入るも、ボールは足下から離さず、向き直して、右足一閃。低いボールがネット右に突き刺さり、清水先制! 1−0。大盛り上がりの清水イレブン。得点にこれだけ喜ぶ姿を見るのは、初めてかも(笑)。
大きく清水側に揺れた振り子は、暫く戻ることはなかった。 3分、自軍右の天野から敵陣左の真司へロングクロスフィード、さらに受けた真司のアーリークロスに、仁科がボレーで合わせたが、バーの上。 5分、またもPA内で大瀧が飛び出してカット、瞬時、シュートは右に外れて転がる。 8分には阿部の左でのキープから、真司が走り込んでスイッチ、中に切れ込んで大瀧へセンタリングを送るも、ダイレクトで合わせたボールは右へ流れた。 得点を奪えないまま、振り子は徐々に名古屋側に戻るかと思われたが、ここで個人能力。11分、左サイドの相手を阿部と真司でプレス、それから逃れようとしたパスを、阿部が驚異的な瞬間的速さでカット、直後、何とも簡単に強烈なボールが突き刺さる。2−0。
風上に立ち、ロングボールの応対が楽になった清水は、強固な守備組織を構成。もはやDFが攻め上がっても、穴が空くことはない。流れは前後するが、8分にはゴールキックをカットした渡邊が、大瀧にボールを預け、ゴール前まで飛び込む大きなワンツー。12分には、森安もPA手前まで飛び込み、浩太からのスルーパスを受けた。
後手に回った名古屋は、ライン統率ができない錯乱状態。すると、16分。自陣右アウトサイドでキープする浩太が、囲まれながらターン。刹那、ボールを前に出し3人を置き去りにすると、詰めてきた4人目を抜き去るという40M独走ディエゴ様ドリブル! 生憎5人目にカットされ、伝説は残せなかった(笑)。
それに触発されたのか、17分には鈴木真司が見事なキープから左45度の位置にパス…、 って誰もいねぇ(笑)。 相変わらずの壊れたファンタジスタぶりを発揮、相手速攻を許す(苦笑)。
20分、菊地直哉を超えると噂される男、山本真希登場。…あれ、長袖!? 謎だ…。直後、長い縦パスにDFをぶっち切り、センタリングは真司がダイレクトボレーも右。速え! いくら相手の疲労が蓄積してるとはいえ、恐るべき中学生。 勝手に個人的に盛り上がってる中、24分、真司が自陣で粘ってFKを得る。これを森安が大きくフィードすると、阿部が頭一つ抜けだしヘッド、しかしバー直撃。それを、リバウンドに仁科の頭。決定的な得点が入る。3ー0。
29分、DFラインからのフィードを浩太と真希がお見合い。これをカットされると、受けた神丸がスピードに乗って30Mドリブル突破。奪われた真希が必死に追い掛けるも、追いつかれる前に、狙い定めた低いシュート。それは糸で引かれた如く正確に、DFの間を抜け、懸命に伸ばした海人の腕を僅かに抜け、しかしファーポストの外を、測ったように僅かに抜けていった。 結局これが、最初で最後の被決定機。 清水は37分にも、大瀧の裏へのロビングに、真司がダイレクトボレーでセンタリング、さらに仁科がダイレクトボレーで飛び込むも、バーの上。以後、大勢が決まった試合は動きなく、3−0で完勝。7月末からJヴィレッジで行われる、全国大会への出場権を得た。
▼試合結果 清水エスパルスユース 3−0 名古屋グランパスユース 得点:40分:清水・杉山拓也 (なし) 51分:清水・阿部文一朗(なし) 64分:清水・仁科克英 (阿部文一朗・リバウンド)
▼選手寸評 山本海人 6.5 出番は数回も、ポジショニングを修正するコーチングは見事。
天野数士 6.0 ロングフィードに冴え。攻め上がり後のカバーリングに難あり。 渡邊優希 7.5 美しくも凶暴なライン統率。体の寄せが速く、奪取後の展開も早い。 高山純一 7.5 普段より下がり目で空中戦要員。そして完勝。破綻を繕い続けた。 森安洋文 7.0 相手のキーマン神丸をほぼ抑え込む。ダイナミックな攻め上がり。
杉山拓也 6.5 清水の突破口。フィニッシュまで一連の動きを完成できれば無敵かも。 杉山浩太 6.5 献身的な守備的MFとして体を張る(!)。時折気紛れファンタジー。 大瀧義史 6.5 能動的な飛び出しから左足の多様な選択と、本来の動き。攻撃的。 篠田大輔 6.0 不得手な攻撃的な位置で、鋭い突破もあり。動き出しを早めにしたい。
仁科克英 7.0 決定機を外しまくるが、合わせる技術は見事。有機的な動きで貢献。 阿部文一朗 6.0 空中戦で起点になれず。むしろ地上戦の瞬間的速度が脅威に。
鈴木真司 6.0 見ていて最も面白い選手。意外性溢れる高い技術も、やや空回り。 山本真希 6.0 身体能力以上に、確実にボール中央をインパクトする基礎技術が驚き。 高柳亮太 --- 出番なく、採点なし。
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