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| 2007年04月21日(土) ■ |
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| 伯爵日記・雷神 |
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私は神様なんてこの世にいるとは思っていません。 そういうものは、人の心の中にしか、いないものです。
まあ、そういう人間なんですけどね。
さっき、夕立にあって、ずぶ濡れになりました。 うひゃあ、なんて叫びながら雨宿り。 たまたまポケットに入っていたハンカチで、体を拭いて、ため息ひとつ。
雷鳴、ひとつ。
雷が、鳴り、私は驚いて空を見上げて。
けれど、そこには分厚い雷雲と大粒の雨。
ふう、と深く息一つ。
光が、一閃。
空の向こうの方で、雷が横に走りました。
普通、地面と空をつなぐものだと思っていた稲妻が、横に走りました。 電気ですから、そういうこともあるのでしょう。
でも、私にはそれが巨大な蛇に見えたのです。
見えただけなのだけれども。
それが私の神様ということに、今はしています。
まあ、そんな人間ですから。
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