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海老日記
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2007年03月12日(月)
伯爵と25のシチュエーション

 男の部屋。ソファに仰向けに寝そべる女は、キッチンに立つ男に訊いた。
「ねえ、Qさん」
「なんだい」
 男は背中で答えた。女も、天井を見上げたまま、言った。
「どうか笑わないで聞いて。ねえ、Qさんは、私を好き?」
 男は動じない。
「脈絡がないな」
「ねえ、答えてくださいな」
「好きですよ、それが何か?」
 女は続けた。
「Qさんは、私のことを許してくださる?」
「大概のことはね」
 そこで、身体を起こして、女は男を正面に、訊く。
「あなたのこと愛してもよろしいの?」
 男は動じない。
「どうぞ」
 そこで、料理ができあがった。
「さあ、食べよう」

 男が、居間に入る。
 女は、なおも訊く。
「私達、恋人になってどれくらい経つのかしら」
「さあ、二年目突入ってところだろう」
 二人はテーブルに向かいあい、腰を下ろす。
「ところで、どうしてそんなこと訊くんだい?」

 女は窓の外をちらりと見た。
「ええ、昨日は私の誕生日だったけど、いつ気づいてくれるかなあと思って」

 男は動揺した。