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海老日記
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2007年02月10日(土)
伯爵と25のシチュエーション


 ツーツーツー

「どうした?」
「彼女の電話、電池が切れたみたいですね」
「お前ら二時間喋ってたからなあ」
「僕の電池もそろそろ切れそうでしたからちょうどよかったですね」
「……」
「元気ないですね。最初は僕がNさんと電話してたらちゃちゃ入れてきたのに途中から黙っちゃって。……もう、放っておいたからってすねないでくださいよ」
「違う。お前とNがほんと楽しそうに会話してたから、邪魔したくなかっただけだ」
「あなたが隣でいろいろ言っててくれた方が楽しいです。彼女だって受話器の向こうで笑ってましたよ」
「お前がそんなに楽しそうに喋るところ、初めて見た」
「……そうなのかなあ」
「どうする? 帰るか?」
「ええ、帰りましょうか」


 カンテラ伯爵は携帯電話をしまい、インスリン男爵は伝票を手にした。