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| 2007年02月06日(火) ■ |
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| 伯爵と25のシチュエーション |
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「まあ、そんな気がしてました」 カンテラ伯爵はあっけらかんと言い切った。 『後からはいくらでも言えるだろ』 Lは内心そう思いながらも「じゃあ早く言っててくださいよ」といやみを言うのでやめておいた。 「でもですね、ほら僕このグループとは仲がいいわけじゃないでしょう。僕が言ってもやっぱり部外者の言葉なんです。悲しいけれど。だから、好きにやってもらって、それが成功しようと失敗しようと手助けしよう、とだけ考えていたんです」 「立派なことですね」 Lは興味なさげに返事をした。
「だから、あなたを責めたりもしませんよ。Lさん」
Lの鼓動が、早くなる。 「わざとでしょう? 間違えたの。でも、それをいちいち暴き立てても、もう何も変わらないし、僕は、やっぱり黙っていることにしてます」 「なんで……」 口走ってしまう。 「なんでそれを……」 カンテラ伯爵は、あっけらかんと言い切った。 「まあ、そんな気がしたということにしておいてください」
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