正直、育児ストレスが相当あったと思う。 一時期、毎日毎日イライラして旦那さまとケンカばかりしていた。 「育児」はまさに「育自」だ。 親は子供と共に成長する。 子供が出来れば形的には親になるけれども 誰しもが自分の抱いている、理想の親にすんなりなれる筈がない。 昔、それはそれは、母親を憎んでいた。 旦那の借金。離婚。 嫌気が差したのか、祖父母に姉と私を託し男と蒸発した。 自分の存在に価値や意味、必要性がないと悟ったのは7歳の頃だった。 ただ、祖父母には捨てられないよう、一生懸命イイコでいようと心がけた。 時が過ぎ、ふらっと帰って来た母。 許したい。でも許せない。葛藤していた。 1人暮らしを始めた時。 自分で働いて、生活していく大変さを知った。 女手1つで働いて、子供を2人育てることはさぞ大変だったろうと 母の苦労を理解することが出来た。 そして、友人がどんどん「お母さん」になり、話を聞くたびに 親は完璧じゃない。間違うこともある。逃げ出したくなることもある。 だって、自分と同じ1人の人間だもの。1人の女だもの。 そう、思えるようになった。 子供達を叱った後で、とても反省する。 怖いものを見るような顔で私を見る子供達。 まだたった1歳の子に対して、大声を上げてしっまた事に胸が痛くなる。 自分のしたことに泣きそうになり、子供達をギュッと抱きしめる。 母も、何度、後悔しただろう。 何度、涙を流しただろう。 帝王切開の日。 手術室に向かう私の頭を、母の手がそっと撫でた。 三十路を過ぎて、親に頭を撫でられるなんて恥ずかしい気もしたが 母にとって私は、いつまでも子供なんだなと。 なんだか笑みがこぼれた。
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