朝からお子はわくわくしている。
バレンタインデーである。お子はチョコを湯煎にかけとろとろに溶かし、σ(￣▽￣)はチョコを流し込む型を皿に並べる。その時点で味見。あま〜〜〜〜。
で、型に流したチョコがや〜らかいうちにクルミとレーズンを入れたり色のついた砂糖のかたまりを飾ったり。冷蔵庫にいれて出来上がり。
冷蔵庫に入れて冷やしている間に、箱を買いに行く。バレンタインデー当日でも、バレンタインデー用品の一角は結構混んでいた。

帰宅後箱詰めにしてＧＯ。まゆ旦那お友達薬屋さんに行くと、お友達薬屋さんと坊やは外出中とのこと。奥さんにお願いし、レンタルビデオを返しにいって最後にお子の保育園の時からの彼氏宅に向かった。
地図で確認はしてきたんだけど…どこだろ？？？と思いながらうろうろ。ちょうど雪かきをしているおじさんがいたんで、聞いてみると「すぐそこそこ。いま車でてきたとこ！」とのこと。見ると車が一台出てきて、お子彼氏のおばあちゃんが助手席にのっている。みんな出かけていて夜の７時過ぎに帰る予定だとのこと。
しょうがないので帰宅。夕飯後に再度出かけることにした。

夜の７時、またもお子とお子彼氏宅へＧＯ。今度はお子彼氏宅の位置もちゃんとわかったし安心安心。お子はわざわざ一番のお気に入りのピンクのコートをいそいそとひっぱりだして着込んだ。「可愛いって言ってくれるかな？」お子の気分はかなーり盛り上がっている。
お子彼氏宅に電話を２度入れてみたが留守のよう。「もしかしておばあちゃんがいたらあんまり遅くなるといけないからおばあちゃんにチョコレートをお願いしようね」と言うとお子は無言でうなづく。実際到着したところでお子彼氏一家が在宅している気配はなかった。
さっき来たときよりも車の往来がないので車庫の前に車を止めて待ってみた。雨がどんどん大降りになってきている。お子はフロントガラスを瞬きもせず見ている。車の中のＢＧＭはお子のリクエストである「冬のソナタ」オリジナルサウンドトラック。ちょうどいきなり哀しげなフレーズの曲になっていてお子は自分の世界にどっぷり浸かっている。お子彼氏に作ったチョコレートの箱を抱いて泣きそうな横顔のまま数分が過ぎた。
後ろから車が一台近づいてきた。あっと思ったらお子彼氏一家の車だ。すぐに車庫の前から車を移動し、車を降りる。お子彼氏がお母さんと車を降りると、お子彼氏お父さんは彼氏の二人のお兄さんを乗せたままその辺を一回りしてくるって感じで車でどっかに行ってくれた。お子彼氏・お母さん、σ(￣▽￣)そしてお子だけになった。お子はわざとだかなんだか知らないけどなかなか車から降りようとはしなかった。
「ほら、早く早く」とσ(￣▽￣)。そのときは大雨なんでしかも傘も差していなかったから頭はずぶぬれに近いものになっている。
お子は本当に恥ずかしそうに、照れながらチョコレートを渡し、お子彼氏は恥ずかしそうに受け取ってくれた。
一生懸命つくったんだもんな。今日渡せなかったらどうなってたんだか。
すごい大役を果たした感じで、本当にほっとした。

帰宅してからまゆ旦那に今日の顛末を話したのだが、お子彼氏にからむ話になると妙に不機嫌になっていくのがなんともおかしかった。

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