信じられない幸せな時間になった。 今日は、全然緊張しないで話ができたんだ。 どきどきしたり、かたくなったりしないで、他の誰かと話すのと同じように普通に話ができたんだ。 わんこも初めて会わせることができたなあ。 「私がすごーく好きな人なんだよー」って心の中で紹介した。
「もう終わっちゃう感じ?私もっと練習したい感じ」 って言ったら「別に残っても大丈夫だよ」って言ってくれて一緒に練習した。 しばらくすると他の人はみんな帰ってしまって、図らずも二人きりになっちゃった。 私は心の中では「幸せすぎるー、なんだこれ!?」って、頬をつねりたい気分だった! それでも、どぎまぎしたりしなかったよ。 昔、大学生の時に二人で練習した時、ちょうどこんな感じだったなぁって思い出していた。いったいいつくらいぶりなんだろう。 随分遠周りをしてしまったねえ。 また、こうやって卓球の話をして、打つことができるなんて思えなくなっていたのに。
あの人はすごく下手になった私の卓球を笑いながらも練習に付き合ってくれたよ。 それから試合をやって、フルセットで私が負けたんだけど、それでじゃあねってさっぱり別れた。
もっと話をしたり、ご飯行こうよって誘ったり、そういうこともできたかもしれないけれど、でも、そういうのいいやって思えるくらい、今日は本当に十分すぎるほど幸せな気分になれたんだよねえ。 これ以上を望むことなど思いもよらないほど満ち足りた気分だったのよ。
今の私とあの人にとって、これくらいが本当にちょうどいい。 もっと親しくなったら、きっと否応なく仕事の話とか、家族の話とか、そういうことまで知らなければならない。 だけど、私はそれは望んでいない。 私が知りたいのは、現実のあの人ではなくて、以前のあの人の影なのかもね。
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