感想メモ

2017年08月12日(土) みかづき  森絵都


森絵都 集英社 2016

STORY:
戦中の教育に嫌気をさし、文部省に対抗しようと塾を始めようと思い立った千明は、学校の用務員として働く吾郎の教えの才能に目をつけて、一緒に塾を始めるが…。

感想:
 塾の歴史を垣間見られる作品だった。

 自分は1980年代が塾などの対象となる年齢だったが、そんなだったかもなーと思い出したり。

 自分が対象となる年齢以前の塾の様子や、それ以降の様子が時代とともに描かれていて、興味深かった。

 それと、この千明の一家もすごくて…。千明のパワフルさ、吾郎の教えにかける情熱、その娘たちの生き方、周りの塾に関係する人々たち。

 最後に千明の孫・一郎がNPO法人のような感じでボランティアで貧困世帯の子供たちに無償で勉強を教える場を開くが、今の時代を反映しているなと思った。

 そして、タイトルの「みかづき」にあるように、教育の現場は毎日工夫を凝らしてがんばっているけれど、決して満足する「満月」にはならず、いつもいつも何かが足りない「みかづき」のような状態なのだということに、そうかもしれないと思った。

 昔はよかった…とか、今の教育はなっていない…とか、そういう言葉をもとに、より良い教育を目指してがんばっているのが、教育関係者たちなのではないかと。

 金銭のためだけに教えるのではなく、本当に子供たちのことを考え、未来のためにがんばっている人たちがいるのだということを、考えさせられる本だった。

 そして、これからもより良い教育のためにがんばっていってほしいと思った。


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