笑う角に光りあれ...オレステス・デストラーデ

 

 

草の花 - 2020年12月21日(月)

会社で上手く行かないことに出くわすと、仕事中も、帰宅中も、そして家でテレビを見ている瞬間でさえも、頭の後ろの方に僅かな重みをもった靄のようなものがかかり続け、離れない。
自分は楽天的な人間だと思っていた時代が確かにあったはずだが、ここ最近は靄どころか深い霧の中に入り込んでしまうことが増えてきた気がする。

‘病気なんて問題じゃないよ、生きるってことはまったく別のことだ、それは一種の陶酔なのだね、自分の内部にあるありとあらゆるもの、理性も感情も知識も情熱も、すべてが燃え滾って満ち溢れるようなもの、それが生きることだ。考えてみると、僕はもう久しくそうした恍惚感を感じない、眩暈のような恍惚感、とむかし僕は呼んでいたがね。つまりそういうことがなくなってから、僕はもう死んでいたのも当然なのだ、今更、肉体の死なんかに何の意味もないさ。’

2020年の内なる収穫の筆頭は間違いなく読書で、その中でもこの福永武彦『草の花』の一節は私の胸を突き刺した。
今の私の心模様が寸分違わず描写されている。


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