Subterranean Homesick Blues...YANG(ヤン)

 

 

TV - 2003年12月24日(水)

おしゃべりなTVは話しつづける。

気まぐれで泣いたり笑ったり、
怒ったり悲しんだり。
俺は聞き上手なふりをして、
だまっている。

おまえのわがままな態度には
ほとほとあきれてしまった。
そして、その変わり身の速さにも
嫌気がさしてしまった。

特にこの時期のはしゃぎぶりには
もう手が追えなくなってしまう。
だから、お前のいない国へ行く
ということになるわけさ。






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来る日も来る日も - 2003年12月22日(月)

朝、8時に犬が吠える。
夜、8時また犬が吠える。
新しい朝がきて、また同じ時間に
犬が吠える。
来る日も来る日も犬がほえる。

目覚ましというわけにはいかない。
何かの合図にもつかえない。

なんとかしてほしいという日々が
続いた。
ある日、何の手立てもなかったが、
その犬の家に行ってみた。
小さかった。
小さな目をしていた。
今にも泣き出しそうな目だった。

その日から、その声は生活の一部になった。



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絵 - 2003年12月21日(日)

その画廊には3メートル近い
絵が飾られていた。
画家は絵に囲まれて、
寒さに震えてる感じだった。
画家とはだいぶ長く
友人としてつきあっている。

その絵は混沌としていて、
彼の今をあらわしているようだった。
けっして世渡り上手でない彼は彼なり
にもがいていて、なんとか世間とおり
あいをつけながら、絵を描きつづけている。

彼は絵をとおして、
見知らぬ誰かに叫びつづけている。



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