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第11話 朝がやってきた - 2002年03月11日(月) 街が静かに息をはじめた。 朝の光はすべてをはっきりとさせていく。 夢から現実へと。 だが、ブライアンはまだ夢の中。 あったかい毛布にくるまったまま。 目覚めたのはブライアンの下半身だけ。 野獣のように、それはリンダを無意識に 探した。 しかし、リンダはベッドにはいなかった。 隣の部屋にはグランドピアノが置かれている。 そのピアノに向かい、ひとつの甘いメロディを 奏でる小さな手。 やがてそのメロディは、部屋を飛び出し、風にのり、 ニューヨークの空へととけていった。 ブライアンはピアノの音色に惹かれ、 寝室から隣の部屋に入っていった。 ピアノに向かい引き続けるリンダがそこにはいた。 そして、リンダの視線は、ピアノの上にそそがれ、 そこには、色あせた、一枚の写真が収められていた。 にこやかに笑う男女、それは、若かりしブライアンと キャロラインだった。 ブライアンの下半身は一気になえてしまった。 どうした、ブライアン。 朝からちょっと重い雰囲気だぞ。 リンダはいったい誰なんだ。 やばいぞ、もしかして? つづく - 第10話 嵐 - 2002年03月10日(日) 小さなランプに照らされたベッドルーム。 ひとつになっ男と女が二人の愛を確かめ合っていた。 生きることとは今を楽しむこと。 二人にはわかっていた。 この時間はなにごとにも変えられないことを。 ベッドのブライアンは完璧な大人だった。 経験豊かなリンダにとっても初めての体験だった。 ブライアンは荒々しくあばれまくるリンダをいとも 簡単に、嵐の中を行く船の艦長のようにさっそうとあやつっていた。 リンダはブライアンにすべてをまかせていた。 やがて二人は港につき静かな眠りについた。 しかし、幸せに眠る二人には、 運命としか呼べない大きな嵐 が待ち受けていたのであった。 つづく - 第9話 男と女 - 2002年03月07日(木) 夜は長く欲望はその扉をゆっくりと開いていく。 隠しこんでいた秘密がそっと顔をだす。 古いスピーカーからオールドロックが流れている。 5杯目のホットミルクが運ばれてきた。 「もう飲めない。おなかがパンパン。」 ブライアンはここがどこなのか、いったい今 いつの時代なのかもわからなくなっていた。 ウエイトレスのリンダは豊満な胸を巧みに 利用し、ブライアンに何度もはなしかけてきた。 しかし、本人は何の興味もないようだ。 リンダもあきらめかけていた。 今まで何人の男を誘惑してきた彼女だが、 ブライアンには何の効果もなかった。 リンダは結んであったポニーテールをほどいた。 美しい金色のロングヘアーがブライアンの顔をかすめた。 そのとき、ブライアンの目が大きく開いた。 顔を上げ、リンダの顔を見た。 ブライアンは金髪ロングヘアーフェチだった。 いままで、惚れた女はいつもロングヘアーだった。 彼の心に火がついた。 「髪にふててもいいかい。」 「どうしたの。やっとお目覚め。」 ブライアンはリンダの髪にふれた。 興奮を抑えきれなかった。 饒舌になったブライアンはまるでジェットリーのように マシンガントークをはじめた。 二人はわけもなく笑い、夜はふけていった。 こんな夜の男と女がいきつくところは決まっていた。 二人は静かにバーをあとにした。 いったいどこにいくんだい、ブライアン。 お楽しみかい。 うらやましいぞ。 歌どころではないのはよくわかる。 だが、それでいいのかブライアン。 立ち上がれブライアン、歌ってブライアン。 つづく -
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