年が明けた。正月っぽくない正月のような気がする。 でも、いろいろ仕切り直そう。 いろんなモヤモヤは、全部去年においてきて。
先日、たんす屋さんへ羽織紐を買いに行きました。 最初、店内には私だけだったのですが、通路沿いの棚に年配の女性が。 紋付の黒羽織を見ていました。
そこへ通りすがりの同じ年頃の女性が、「あら、こんなに安いの?」と 黒羽織を見ていた女性に話しかけたのです。
それからおっきな声で、着物談義をはじめ、自然と耳に入ってくるので 聞いていましたが、 「私たちのころは、何十万も出して誂えたものよね〜」とか 「なんでこんなに安くなっちゃったのかしらね〜」とか。
結局、乗せられる形で、紋付の黒羽織を買っていかれました、最初の女性。 お裁縫の材料にすると言って。
なんか、う〜ん、な感じでして。
なんでこんなに安くなったのかというと、あなた達世代の方々が 着物を捨てたからですよ。
でも、おかげ様で私たち世代が安く買えてるし、着れてます、とも。
昭和の中期、私らの親世代が若いころは、洋服のほうがお洒落だったんですよ。 私たちが着物を見て、素敵〜着たい〜と思っているように、あの世代の方達は ワンピースやスカートに胸をときめかせていたのだと思います。
ただ、そんなに勢いよく、脱ぎ捨てなくてもよかったのになあと、ちょっと残念。 礼装が残ってるのは、そのなごりなのでしょうね。
お正月ぐらいは、ちょっと昔の着物でも着てみようかと、団魂の世代の方々が着てくれると 若い人たちにも受け入れやすくなるのかもなあと、ぼんやり考える年末です。
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