Deckard's Movie Diary
index|past|will
『ウォンテッド』 まぁ、いいんじゃないですかね。本作は予告編から誰がどうみてもハリウッド・エンタの最たるモノでしたから、最初から笑っちゃうくらいのアホさを求めているワケです。そういう意味では見せ場タップリで十分及第点!っつーか、大笑い!全く迷惑千万な奴等ですわ!一応、バックボーンとかもそれなりに作ってあるんだけど、いかにも有りがちだし、どうしてそういう身体(超能力者なんでしょうけど)なの?みたいなコトもひっくるめて胡散臭さが満載です。しかし、弾丸がサッカーのフリーキックのような弧を描くってのはアイデアだよなぁ・・・(爆)。それにしてもだ!モーガン、出過ぎだよ!
『クローン・ウォーズ』 どーでもいい映画でした。こんなの映画館で上映していいんですかね?ビデオで十分なシロモノでしょ。ズーっとゲームムービーを観せられている気分でした。多くのゲームムービーって派手なんですけど、表情も作ったりするんですけど、目が完璧に死んでるんですよ。今作も全く同じ印象でした。だから、全然緊迫感がありません。ゲームムービーだったら、その後にゲームが始まるからいいんですけどねぇ・・・まぁ、予告編から分かっていたことですけどね。
2008年09月18日(木) |
おくりびと パコと魔法の絵本 |
『おくりびと』 う〜ん、題材が全てなのかな・・・それなりに心に響くモノはありましたが・・・。途中からストーリーが読めてしまうのですが、読めても面白い作品は多々あります。でも、この作品はそうはなりませんでした。そこがちょっと辛いとこですね。ストーリーの進み方が饒舌すぎるんですね。観る者の想像を越えないし、語り過ぎる気がしました。例えば、主人公が初めて納棺の儀に立ち会った時、その時の感情をナレーションで告白させるんですが、必要ないと思います。それに「汚らわしい!」は無いでしょ。そんな相手は願い下げですよ!“死”を扱っているわりには軽い印象が残るのもそのせいじゃないでしょうか?「触らないで!止めて!」だけじゃダメなんですかね?どうも良く分かりません。どうせなら去り行く命と生まれてくる命をもっと対比させた方が良かったような気もします。それでも、老い先短いオイラは納棺の儀を行われているシーンでは自然と涙がこぼれて困りました(苦笑)。山崎努、余貴美子(美味しい役柄)が手堅い中で主人公を演じる主演・本木雅弘の所作は美しいですが、その他はまだまだですね。広末涼子に至ってはかなり辛いモノがありました。それにしても、本当にこの程度の映画で満足しているんですかね?疑問だなぁ・・・まぁ、観て損は無いかもしれませんが、もっと良くなった気がするだけに残念です。
『パコと魔法の絵本』 想像していたより断然面白かったです!予告編から微妙にヤバい雰囲気が漂っていたので、半信半疑でしたが、パワーで押し切られた感じですね。ストーリーに目新しさはありませんが、主要登場人物の全てにキチンとバックボーンが作られており、どんなキャラクターもないがしろにはしない脚本には好感が持てます。実写からCGへの受け渡しもスムーズですし、メイクや撮影も含め、技術的にも申し分ないです。例によってギラギラの映像ですが、ここまで徹底されると、ある種のドラッグ感覚が味わえます(ホントかよ!)。ファンタジー作品はどーでにでも出来るので、いかに観客を引きつけておけるかが分かれ道なんですが、登場人物の造形キャラを強くして、ストーリーや性格を単純にしたことが大成功した要因の一つだと思います。泣けるとは思いませんでしたが、映画のマジックを思う存分に味わえます。まさに、飛び出る絵本のような作品!難を言えば、ワガママジジイの大貫の心情変化のシーンがちょっと弱く感じましたね。ここの描き方に一工夫あれば!と思ってしまいました。まぁ、例によって長いですけどね(苦笑)。
『シャカリキ』 こういう低レベルの映画が邦画をダメにしていると思いますね。どうして、こんなアホみたいな脚本を良しとするのでしょうか?チームワークが心情の自転車レースでエースは間違っても「オレだけで十分だ!お前らのサポートなんていらねぇ!」とか言うはずないんですよ。そういう言葉は、こういう団体競技を馬鹿にしています。もちろん!心の奥底でそう思っている奴は居るとは思いますが、決して口にはしませんよ!口に出すようなバカなら誰も相手にしません!っつーか、競輪(その競輪だって地元が同じ同士は協力したりするワケですよ)に行くでしょ!「所轄の仕事なんてどうだっていいでしょ!」と言い放ったろくでもない邦画がありましたが、今回もまた、あまりに稚拙な脚本にガッカリでした。チームワークの自転車競技って、けっこう好きなんで期待していたんですが、こんなデタラメな作品なら作らないで欲しいですね。自転車を担いで追うのは構いませんけど、その後に追いつくはずは無いでしょ!挙句の果てに演技も衣装も合成も素人丸出しで恥ずかしいと思わないのでしょうか?素晴らしい作品が出来た可能性が十分あっただけに、ほとんど犯罪ですね。
2008年09月12日(金) |
シティ・オブ・メン この自由な世界で |
『シティ・オブ・メン』 やっぱり凄い!
『この自由な世界で』 いつも“辛い”だけで終わっていたケン・ローチですが、少し変わったかもしれません。
2008年09月11日(木) |
イントゥ・ザ・ワイルド |
『イントゥ・ザ・ワイルド』 ショーン・ペンの監督作、第4弾。例によって、結局は思い描いていた通りにはいかない男の物語でした。だからと言って、決して情けない内容ではなく、その主人公を見つめる目線はいつも通り限りなく優しいです。優しいのですが、どうにも納得出来ませんでした。今までの彼の作品の中で、個人的には一番辛かったな・・・。映像も美しいし、主人公が出会う人々や出来事の描き方も丁寧で、そういう意味では完成度は高いと思うのですが・・・この主人公ってちょっとオツムが足りないんじゃないですか?どう考えても、こんなことしてたら死ぬでしょ!大体、春になれば川幅が広くなるのは当たり前だし、どうしてあんなカタマリ肉のまま燻製にしようとしてるんですか?ビーフジャーキーとか食べたことないんですか?ちょっと薄く切れば済むコトでしょ!大学を卒業している人間としては、あまりに無知で笑うしかありませんでした。“物質文明から逃れ、究極の自由を手にいれる旅”と言えば聞こえは良いですが、ぶっちゃけ、この主人公の行動は緩やかな自殺と一緒ですよ。ヘルメットをかぶらず急流を下り、「お金が無い旅の方が楽しかった!」と答える。死に近ければ近いほど、生命を謳歌出来るという刹那的な考え方って、どうなんですかね?もちろん、この主人公はそんなことを考えてはいませんが、彼の行動はそういうことです。『荒野へ』なんて、美しい題が付いていますが、オイラには世間知らずのお坊ちゃまの無謀な死への行軍にしか見えませんでした。もちろん、運が良ければ生きて戻って来たんでしょうけどね。“純粋”と“無知”とは違いますし、この主人公の場合は“無知”をも通り越した“無謀”って奴ですね。そんでもって、最後に「死にたくない・・・」って、意味が分かりません。生きる希望を見つけたんでしょうが、その前に死んでしまうかもしれない覚悟も無かったことに唖然としてしまいました。毎日、会社でうんざりするような出来事ばかりと向き合っている人々に、大自然の美しい映像と“どこまでもいこう!”的な自分探しの旅を見せ、「ああ、あんな風に生きられたらなぁ・・・」と思わせる息抜き的な作品ですが、内容はお粗末以外のナニモノでもありませんでした。それでも観て損はありませんでした。遠い昔に忘れていた“純粋”とか“無垢”とかいう気持ちを多少なりとも思い出させてくれましたからね(あらら)
『崖の上のポニョ』 予告編で感じた通りの映画でした。最近は芸術的?な作品が続いていましたからね、まぁ、いいんじゃないですか。手描きを生かした背景も好感持てますし、歌も可愛いですし、とやかく言う内容でもないでしょ。友人が『コクーン』とか『トワイライト・ゾーン』とか思い出したって言ってましたが、なるほどね。まぁ、そんな感じです。
『20世紀少年』 日本テレビの開局50周年記念映画だそうです。原作は浦沢直樹がビッグコミック・スピリッツに連載していた漫画ですが、例によって物語は遅々として進まず、あちらこちらにエピソードは飛びますし、長いですし、毎度の事ながらいつのまにか何がどうなったのか分からなくなってしまう作品でした。ただ、T.REX、遠藤ケンジ、敷島博士、金田正太郎、お茶の水、諸星弾、ボブ・ディラン、27歳のロッカーの死、万博等、オイラには魅力的な忘れ難いフレーズばかりが出てくる漫画で、まぁ、それだけで満足だったんですけどね(苦笑)。で、今作を観て思ったのは、原作の漫画よりも断然分かりやすかったです(笑)!そこそこの役者を存分に使っているので、それぞれのキャラクターの子供時代と成長してから姿とのギャップがほとんどありません。ストーリーもサクサクと展開されていき「ああ、そうそう!こういう内容だったよ!」と思い出しながら観ていました。さすが、開局50周年!いやぁ、なかなか面白かったですよ!っつーか、今回(最近かな?)の堤幸彦監督は真面目(『IWGP』ぽくないってコト)に作っていて、とてもシンプルに上手くまとまっています。エンドタイトルの後に来年1月30日から公開される第2弾の予告編が付いているんですが、原作はあの辺りからどんどんテンションが落ちていったような・・・・・・・・・( ̄。 ̄ )ボソ 堤監督、ひょっとすると大作を無難に作れる監督になれるかもしれませんね。
『12人の怒れる男』 う〜ん、どうななんでしょうか・・・並々ならぬ力の入り方に圧倒されますが、装飾過多の印象が残りましたし、オリジナルにあるストーリーと今回付加されたロシア事情が上手く溶け合っていない感じもしました。こういう展開が好きな方が居ても全く不思議ではありませんが、個人的には苦手です。陪審員が本線から外れて自分コトを語り過ぎるので、観ていてテンションが落ちる時が度々ありました。元々、密室モノですから舞台劇のような一面はあるにしても、ちょっとなぁ・・・ワザと過ぎるでしょ。ラストのどんでん返しは良かったんですけどねぇ・・・今の時代を的確に描いてみせたという点でも見事でしたし、“人を助けるコト”の難しさも改めて考えさせられました。まぁ、ミハルコフが一番美味しいところを持っていかなくてもなぁ・・・イーストウッドよりはマシだけど。\(^-^\) (/^-^)/ソレハコッチニオイトイテ、一番“?”だったのは・・・チェチェン部分が良く分かりませんでした。そういう意味では、この映画を正当に評価出来てないかもしれません。犬、手首、指輪・・・良く分かりませんでした!
『ハンコック』 意外な展開で驚きました!けっこう面白い線を狙っているんですよ。ただ、そのワリには脚本が雑です。細部を煮詰めていないので、中途半端な印象が残ります。オリジナル脚本は10年以上前に出来ていたそうですが、もう少し何とかならなかったんですかね?小手先で作ってしまった感は否めません。話はちょいとズレますが、ウィル・スミス演じるヒーローの名前がジョン・ハンコック。ジョン・ハンコックと言えばアメリカの独立戦争で活躍した人物です。ということは、ハンコックが今のアメリカの姿と捉えることも出来ます。そう考えると色々と面白い展開も考えられたと思うし、その為にも二人の関係をもっとキチンと描いて欲しかったですね。仲が良ければ“力”なんて必要無いんですよ!惜しいなぁ・・・。っつーか、その前に不必要な手持ちカメラ、止めて欲しいですね。そんなに自信が無いのかなぁ・・・。
|