Deckard's Movie Diary
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『カンフー・パンダ』 いやぁ、凄いですねぇ!このスタッフは素晴らしいです!キャラクターはもちろん、色も綺麗だし、カンフーの動きも本場顔負けの仕上がりでしょう。また、それぞれの表情がとても細やかで驚かされます。ストーリーに目新しいモノはありませんが、そんなモノは全く必要ないですね。観たのはオリジナル版ですが、ハリウッドの役者は吹き替えが上手いですねぇ・・・やはり、基本が出来ているからなんでしょう。申し分のない作品なんですが、ひとつだけ心に引っかかっているところがあります。シーフー老師と相対したところのタイランの表情が本当に素晴らしいんですよ。タイランの心に宿ったモノはなんだったんでしょうか?だからこそ!だからこそ!なんだよなぁ・・・ラストに一工夫欲しかったです。どことなく東映動画の香りも感じられて楽しかっただけに、ちょっと残念でした。でも、続編があるのかな?っつーか、このスタッフで『わんわん忠臣蔵』をリメイクしてくれないかなぁ・・・( ̄。 ̄ )ボソ
『スカイ・クロラ』 ストーリーは相変わらずの押井守哲学が展開されていますので、オイラには意味不明ですし、いつものように“しゃらくせぇ〜”だけです。空中戦を始めとする映像は、こちらも相変わらず美しく溜息が出るほどですし、スカイウォーカー・サウンドが手がけた音声面も迫力十分に楽しめます。だから、オイラのように「音と映像が楽しめればいいや!レシプロの空中戦好きだし!」みたいな人にならお薦めです(空中戦はちょっと短いですけど・・・(T_T))。個人的には、主人公の一人・草薙水素の声も仕草も鳥肌が立つほど気持ち悪かったです。っつーか、“キルドレ”って子供じゃないじゃん!この映画に登場する“子供”は大人が都合良く使う「子供のくせに!」という場合の“子供”であって、自分達は“子供”と思っていない連中です。それって、どうなの?狙いなの?だいたい声優に谷原章介とか使ってるのって可笑しくないですか?彼はいい声の持ち主ですけど、どう考えても落ち着いた大人の声でしょ!それにしても、洋画アニメが声優にハリウッドのビッグネームを起用しているのを真似しているワケじゃないでしょうけど、邦画アニメにそこら辺のタレントや声優の勉強していない役者等を起用するのはいい加減止めましょうよ!下手糞さが気になって気持ちが内容から外れちゃうんですよ!ま、どーでもいいか、今回は。そんな映画でした。
2008年08月01日(金) |
赤い風船 白い馬 天安門、恋人たち |
『赤い風船』 劇場で観たのは初めてでした。やはり、暖かい気持ちになりました。空撮の最中に事故で亡くなった監督のアルベール・ラモリスは本当に浮遊することに魅せられていたんでしょうね。そうでなければ、こんなにも夢のある作品なんて作れませんよ!後世に残る映画芸術の1本!必見!それにしても・・・どうやって撮ったんだろうか?
『白い馬』
『天安門、恋人たち』 中国では公開禁止、ロウ・イエ監督には5年間の表現活動の禁止という厳しい処分がされた問題作です。う〜ん、力作なのは間違いないですが、力が入り過ぎましたね。まぁ、仕方ないのかなぁ・・・。
映画の中で天安門事件は単なるバックボーンでしかありませんが、観ている最中、懐かしい気持ちで一杯でした。小生は高校1年の時に70年でしたから、多少なりとも70年安保を経験しているのですが、この作品は70年代安保を背景にした青春映画のようでした。天安門事件とは自由と民主化を求めた学生たちが天安門広場で起した大規模デモですから、日本の学生運動とは背景が違いますが、当時の“このままでいいのか?”という落ち着かない気分を思い起こさせてくれました。70年安保の時も世界で若い血が弾けたように80年代後半からも以下のように
1988年天安門事件 1989年ベルリンの壁崩壊 1990年東西ドイツ統一 1991年ソビエト連邦崩壊
民主化の嵐が吹き荒れた時代でした。その中で中国だけが踏み止まったワケです。天安門事件から20年が経とうとしています。あの事件は中国では単なる暴徒の起した出来事になっているようです。つまり、当時10歳だとして現在30歳前後の中国人はほとんど記憶にない事件なんですね。心配された北京オリンピックも成功のうちに幕を降ろしましたが、歪な発展をし続ける中国が今後どのように成長していくのか全く分かりませんが、興味深いのは間違いないです。
この映画は当時の中国を背景とした青春映画として貴重な作品と言えます。学生時代というのは地位とか名誉とか収入とか相手の立場とかに関係なく純粋に人を好きになれるし、ワケの分からない熱いモノが胸に流れ込んで来たりもします。そんな甘酸っぱい時代を過ごしたとしても、多くの人間は10年も経てばそんな気持ちも何処かへ行ってしまうのでしょう。そして、オイラのような凡人は過去を振り返りながら酒浸りの日々を過ごすのでした。あらら。
『ハプニング』 早々に観てきました!だって、シャマラン作品は早く観ないとネタバレされそうで怖いんですよ(苦笑)。話しは逸れますが、個人的に一番望ましい映画鑑賞は、その作品の情報が一切ない状態で観るのがベストなんです。そういうワケですから、シャマラン作品なんてネタバレされた時点で楽しみ90%減!だから観に行く時は、劇場から出てきた客を避けるようにして入ります。何故なら、カップルの女性が男性に「結局は○○ってこと?」とか、思いっきりネタバレトークをしながら出てきたりするからなんですね(笑)。
で、今作はどうだったのか?そうですねぇ・・・『ヴィレッジ』を観終わった時と同じような読後感(観賞後感)でした。前作の『レディ・イン・ザ・ウォーター』ほどの完成度?は無かったですね。っつーか、ちょっと雑な感じがしました(あ、オープニングとエンディングの“雲”は良かったですね)。特に事が起こるオープニングが・・・もっともったいぶっても良かったんじゃないのかなぁ・・・。で、ぶっちゃけ、出来はどうなの?って、ことですけど、60年代の作品だったら良かったんですけどねぇ・・・あの傑作には遠く及びませんけどね。でも、シャマランですから、オイラはOK!です(いいのか、それで!)。っつーか、90分もよくもたせましたよ(苦笑)
昔、美大に入る為に通っていた予備校でトンでもない奴が居ました。例えば、ブルータスの石膏デッサンをする時に大抵の場合は全体のフォルムを捉えながら、少しずつ全体を完成させて行くのですが、そいつはいきなり石膏のてっぺん、つまりブルータスの頭のてっぺんからキッチリと描き始めたんです。これには驚きました!そんな描き方でまともなモノが描けるのかなぁ・・・と、オイラは思うワケですよ。シャマランも似ているんじゃないでしょうか?つまり、セオリーとか関係ないんですよ。自分が描きたいから描くだけなんですね。シャマランはアイデアが閃くと次から次とその映像が浮かんで来て、もちろん、多かれ少なかれ監督なんて人はそういうモノなんでしょうけど、シャマランの場合はその映像にかなり思い入れが強く、そこから一歩も離れないような気がします。ただ、そのオキニの映像が素晴らしいだけに、それぞれの映像を繋ぐ部分が弱く感じられてしまいます。でも、そんなコトを考えるのはオイラのような凡人だけで、天才はそんな事は気にしません!創りたいモノを創るだけです。そして、オイラはそういう天才が大好きです。GO!GO!シャマラン!
え、テッペンから描き始めたデッサンの仕上がりはどうだったのか?ですか?完成した作品は、確かに正確さは足りなかったのですが、凡人を驚嘆させるのには十分な魅力がありました!
『ジャージの二人』 『アヒルと鴨のコインロッカー』『チーム・バチスタの栄光』とキチンと脚本が読める監督だった中村義洋の作品です。う〜ん、ひとつも面白くありませんでした。個人的にはとても苦手な作品の類に似ている感じがしました。つまり『かもめ食堂』とか『めがね』とか・・・( ̄。 ̄ )ボソ スローライフだが、癒し系だが知りませんけど、クリエイティブの放棄にしか感じられません。何かありそうに見せているだけで何も無く、つまらん!中村義洋さん、こういう映画を作るのは爺になってからにしたらどうでしょうか?
2008年07月24日(木) |
庭から昇ったロケット雲 |
『庭から昇ったロケット雲』 ぶっちゃけ、幸せなドン・キホーテ一家!という感じですね。もちろん、サンチョパンサは家族です。こういう映画にツッコミを入れても意味が無いというか、だっていいじゃないですかぁ!ある意味、古き良きアメリカだと思うんですよね。やっぱり『夢』って忘れちゃいけないんだなぁ・・・と、思い出しましたよ(苦笑)。エンディングでエルトン・ジョンの♪ロケットマンが流れて来た時には、ちょびっと幸せな気分になりましたわ!
さて・・・1961年に米国人初の宇宙旅行に成功したのはアラン・シェパードです。『ライト・スタッフ』でそのシェパード少佐を演じたのはスコット・グレンですが、その『ライト・スタッフ』で音速の壁を越えるテストパイロット・チャック・イェーガーを演じていたのはサム・シェパード。で、今回の作品で管制官として主人公のチャーリーを助ける長男の役名がシェパード。“シェパード”という名前はソラ(空・宙)飛ぶ名前の代名詞になりそうですね。
『BUG』 『ハンテッド』で久々に存在感を見せたフリードキンの新作です。原作はオフブロードウェイの舞台劇だそうですが、映画的な演出が実に効果的です。トップカットに空撮あのショットがあることによって、人間自体を虫けらのように見せています。まぁ、血栓のように見えなくもないですが・・・。
2008年07月11日(金) |
ホット・ファズ/俺たちスーパーポリスメン! |
『ホット・ファズ/俺たちスーパーポリスメン!』 端的に言いますと“世界のナベアツ”の3絡みのネタと同じような作品で御座いました。つまり30番台に入ってからは思いっきりアホの連続です!
装飾過多の演出には少々食傷気味になりますが(フジの土曜ドラマ『ハチワンダイバー』も演出が酷かったなぁ・・・)、観て損は無いオモロ〜な作品でした!中盤まではちょっと退屈な印象が残りましたが、それさえも演出なのかぁ?と、思えるほど弾けてからがバカうけ!まぁ、こういう映画は語るほど詰まらなくなりますからね、まずは観ましょう!
2008年07月08日(火) |
告発のとき クライマーズ・ハイ |
『告発のとき』 ありふれたテーマ、ありふれたストーリー、ありふれたキャラクター、全てがありふれているのに見応え十分です。
『クライマーズ・ハイ』 はっきり言って出来の良い作品ではありません。エピソードが多すぎてまとまりに欠けますし、無駄に時間軸をいじったりして、下手な演出です。いっそうのこと、新聞記者だけの世界に絞った方が良かったんじゃないでしょうか?それでも一気にみせる手腕は大したモノです(どっちだよ!)。映画の完成度は明らかに低いのに、不思議な映画でした。記者という種類の人間が持つバイタリティが映画全体を引っ張っているのかもしれませんね(苦笑)。ビリー・ワイルダーの『地獄の英雄』がモチーフとして描かれているのですが、かなり唐突な印象を受けました。個人的にはちょっと白けました(/・_・\)アチャ-・・。ぶっちゃけNHKドラマの方が出来としては良かったような気がします。っつーか、♪モナリザ♪とかって、完全に浮いてるんですけど・・・アセアセ( ̄_ ̄ i)タラー
2008年07月01日(火) |
シークレット・サンシャイン ぐるりのこと 歩いても歩いても |
『シークレット・サンシャイン』 噂に違わず、素晴らしい作品でした。監督のイ・チャンドンの才能には驚嘆させられます。『ペパーミント・キャンディー』『オアシス』と、この人の演出力は卓越していましたが、今回もまたヤラレてしまいました!彼は“人間”という生き物とその生き物を取り囲む全ての“モノ”を恐ろしいほど冷静に捉えています。それは裏を返せば、不完全な人間という存在に限りない愛情を注いでいるようにも見えます。
人がとある行動を越す時には必ず何らかのきっかけがあると思うのですが、時には“異邦人”のように「暑かったから殺した・・・」というコトもあるでしょうが、多くの場合はその様な不条理な理由ではなく、様々な要因が重なって動かされるワケです。この作品は、起こりうる状況の積み重ねがとても丁寧に作られていて、ついつい引き込まれてしまいます。些細な見栄が取り返しのつかない悲劇を産み、主人公のミリャンが徐々に底なし沼に吸い込まれていく心模様・・・そして再生。映画はその様子を、まるで卵から蛹を経て成虫になるまでをじっくり観察するように描いていきます。新しい場所、新しい知人、一人歩きする噂、その噂に跨り、上から目線の立場も心地よく、事が起きてからも相手の上に立つこと(許してあげよう・・・)で納得しようとするヒロインの姿は、自分のような下劣な俗物にとっては鏡を見ているようでした。
娘、隣人、風に飛ばされる髪、映し出される日差し・・・このラスト一連の計算されつくしたシーンの積み重ねは、この映画のエンディングを飾るのに相応しく、観る人の心の中に永遠に刻まれるのは間違いありません。“秘密の日差し”が何処にあるのかを、強烈に教えてくれます。時折、仰がれる“日差し”・・・その日差しは時に恨めしく、眩し過ぎる。人を真綿のように暖かく包む日差しは決して人を見下ろす位置にあるのではなく、下種な人間が見下げるところにあったりするのかもしれません。人間なんて所詮“俗物”。だからこそ、愛おしいのでしょう。これからは“下種”よりも“上種な俗物”を目指します。
カンヌ映画祭主演女優賞を獲得したチョン・ドヨン(ミリャン役)の演技は筆舌に尽くしがたく、それは心の芯を鷲づかみにされるような印象を残します。人間の誰しもが持っている心の中で蠢くどろどろしたモノ、虚無、不安、絶望、渇望、葛藤、煩悩、見えない叫びとも言える様々な感情を見事なまでに表現しています。また、そのミリャンを支える御馴染みのソン・ガンホ(ジョンチャン役)がまた素晴らしい!この人はどんな役をやっても嫌味がなく、存在感だけが残る得がたい役者です。
それにしても、何故にこんなにも素晴らしい作品が(東京の場合)シネマート六本木とシネマ・ロサのマイナー過ぎる映画館(館主の方、ゴメンナサイ)でしか上映されていないのでしょうか?とても信じられません。本当にもったいない!
『ぐるりのこと』 橋口亮輔監督は着実に成長しています。鬱に襲われた後の6年ぶりの新作はある夫婦の10年に渡る物語。それまで気ままに暮らしていたカナオ(リリー・フランキー)と翔子(木村多江)。ところが、初めて授かった子供を亡くしてことで、微妙に二人の調和がズレ始めます。多くは語らないカナオに不安を募らせる翔子は徐々に精神のバランスを崩していく・・・。この映画において、夫婦における“子供”が触媒になっているのは間違いないです。それは法廷画家である夫カナオ(リリー・フランキー)の仕事を通して1988年から89年にかけての連続幼女誘拐殺人事件、1999年の音羽幼女殺害事件(明らかに加害者サイドに肩入れしていました・・・個人的には同じ考えです)、2001年の池田小児童殺傷事件などがストーリーの背景に描かれているのでも分かります(1995年のオウム地下鉄サリン事件等も描かれていますが・・・)。今までのこの手の映画では避けられていたセックスの生々しい会話や演出は橋口監督だから出来たようなモノですし、そういう部分も含めてこの夫婦の存在感は実にリアルです。ただ、同じように女性の崩壊から再生を描いた『シークレット・サンシャイン』と比べてしまうと・・・ヌルく感じてしまいます。もちろん、それぞれ作品の狙いは違いますし、比較すること自体間違ってはいるんですけどね。でも、なんかね、気になってしまいました。それでも、この映画は観る価値十分です。人は“赤い糸”で繋がっている相手を探し求めているのかも知れませんが、それは捜し求めるモノではなく、そう思うことなのかもしれません。この映画には“性”が違う上に、他人でもあるカップルが作り出す“夫婦”という男と女の状態が正しいコトなのかどうか分からないけど、その状態が織り成す人生が決して悪いモノではないんじゃないの!というメッセージが感じられます。子供はあくまでも垢の他人が一緒に住むことによって生じる単なる副産物なんでしょうね。子供の誕生、それ自体は素晴らしいコトですが、人生の主演は“ふたり”です!橋口氏のプライベートを考えると奥深いモノも感じます。
“めんどうくさいけど、いとおしい。いろいろあるけど、一緒にいたい。” 映画のキャッチコピーはシンプルでありながら、力強いです。まぁ、2度も結婚に失敗しているオイラが言っても説得力は無いですけどね(苦笑)。“ぐるり”とは自分の身の回り、自分を取り巻く環境のことだそうです。自分を取り巻く環境を自然のまま受け入れるコトが出来れば人間は幸せになれるんでしょうね。誰かが言っていた「期待するから腹が立つ!」・・・そんな言葉も思い浮かびました。結局は“ひとりよりはふたり”(遠い昔の丸井のコピーですね。)なのかもしれませんが、それは相手に期待するコトではなく、支えあうコトなんでしょう。何だか結婚式の挨拶みたいな感想ですが、素人なモンんで・・・(6 ̄  ̄)ポリポリ とても良い作品なのですが、ちょっと尻すぼみの印象も残りました。でも、心静かに落ち着いた生活こそが“幸せ”ってことなんでしょう。
最後に一言だけ!リリー・フランキーは信じられないほど良い味を出していますし、木村多江も今までで最高のパフォーマンスです。観て損はありません!
『歩いても歩いても』 邦画のお家芸でもあるホームドラマの久々の傑作です。重箱の隅を突いている作りは向田邦子に近いですが、そこは監督・脚本が是枝裕和なのでドロドロ感は控えめです。っつーか、それさえもアッサリと素麺(汁には唐辛子が入ってますが・・・)のように描かれています。自然な流れの中で家族が醸し出す甘味、酸味、塩味、苦味、そして、うま味もタップリと味わえます。樹木希林、原田芳雄、YOU、夏川結衣と芸達者が揃った中で阿部寛がどうかなぁ?と思っていたのですが、父親とソリが合わない“ぶっきら『棒』”のような存在感は妙にハマっていました。
内容はホームドラマですから、決して大きな出来事は起きません。ただ、一つ屋根の下で発せられるセリフのひとつひとつ、それ自体が生き物のように飛び交っていて、観ている方は息が抜けません。登場人物は皆、良い人です。でも、良い人だって胸に一物かかえているワケで、並んだ新品の歯ブラシ3本にも人の意思があり、その捉え方も人や状況によって様々だったりします。その辺りの演出がとても巧みで、その巧みの技が生み出す登場人物のリアルな存在感はため息が出るほどです。まさに、是枝監督の真骨頂!とにかく上手い!上手い!としか表現のしようがありません。
阿部寛演じる次男は親にも夫にもなれずに、挙句の果てに失業中・・・宙ぶらりんの状態です。でも、結局のところ“人”ってのは、死ぬまで宙ぶらりんなんですよ。何かに辿りつきたくてひたすら歩き続けるんでしょうけど、歩いても歩いても、小船のように揺れて貴方の腕の中・・・というコトになってしまい、そんな“貴方”は何処にいるんだぁ!ってコトなんでしょう(意味不明)。それにしても、良く出来たホームドラマってのは、観終わった後に身に詰まされますなぁ・・・(/・_・\)アチャ-・・。
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