ふうこの英国留学日記-その後

2004年09月23日(木) サイモン・バーチ-生きる意味を信じて

アーヴィング原作の小説を映画化した「サイモン・バーチ」をDVDで一人で観た。大泣きしてしまった。

この映画の主人公ジョーの親友サイモンは12歳になっても身長が100cmに満たない小人症の少年。

自分ではどうにもできない病気や障害を抱えて生きる人間はいつも「なぜ自分が?」という思いを抱え続ける。

私も小さい頃から体が弱かったので周囲の人に同情されることはあっても、称えられることはなかった。面倒をかけ続けていた母には、常に罪悪感を感じ続けていた。

自分さえいなくなれば、周囲の人はもっと幸せになれるのではないかと思いを抱き続け、小学校から10代の頃は自殺ばかり考えていた。
それと同時に、なぜ自分はこんな体に生まれたのか?とやり場のない怒りをいつもかかえて親や兄弟にあたりちらすこともあった。

サイモンはどんなに両親に無視され、周囲に蔑まれても「僕が生まれたのには理由があるはず。神様は僕らに対して計画がある」と信じ続ける。

そして、自分の言葉どおりに、自分の強さと優しさで命をかけて英雄(ヒーロー)になる。

途中、自分の起こした事故で愛する人を失ってしまったサイモンが司祭に問う。「神様は私たちに計画をもっているのでしょうか?そう信じていたけど、わからなくなってきました。」
司祭はこの問いに答えることができない。

受け入れられない辛い現実を目にしたとき、誰しも思うだろう。神様がいるとするなら、なぜこんなことが起こるのか?と。
厳しい試練の中で自分が生きる意味はいったいどこにあるのか?と。

私は無宗教だが、世の中のことにはすべて理由があると思いたがっているものの一人だ。実際、大人になって社会に出てみると倫理的には理不尽なことばかりで、誠実に真面目に生きるのが馬鹿馬鹿しくなる時も多い。

でも、サイモンのように何か大きな力を信じ続けている。私にとってそれは宗教的な信仰ではないが、私たちは大きな理(ことわり)の中で生きていて、その中で、誰もがそれぞれ自分の役割を持っていると。そして、その与えられた役割の中でベストを尽くせばなんらかの形で物事はあるべき方向に進んでいくと。

サイモンは過酷な環境にもめげず、運命を信じ続けた。そして、それを果たして去っていった。実際に神がいるのかどうかはわからないが、自分には役割があると、生まれた意味があると信じ続けたサイモンの強く美しい精神力が彼を英雄へと導いた。

私は大人になり、自分にも色々なことが出来ることを知り、様々な経験をつみ、多くのすばらしい友人や知人にめぐり会い、そして家族と恋人に愛されることによって生きる喜びを知るようになった。

もう、風呂場でかみそりの刃を見つめて泣いている子供の私には決して戻らない。



2004年09月20日(月) お元気ですか?

お元気ですか?

私は元気ではありませんでした。
先日とうとうひどく体調を崩し、3日間仕事を休みました。
もう、辞めたくなってきた。
1年はがんばろうと思ったのに。。。

まだ、辞める決心はついていないけれど
近い将来に辞めようと思う。

私の大好きな同僚が一人今月末に職場を去り、新しく来た新人は同じ年齢だが私が仕事を教える立場で、キャリアのある彼女は私に色々と言われるのが気に食わないらしく、私を馬鹿にしたような態度をとる。

上司の代わりに、翻訳のチェッカーをすることも多くなり、気の小さい私にはあまりにも責任が重い。

どうしたらいいんだろう。
仕事はしたいのに、このストレスをどうしたものか?





2004年08月29日(日) 華氏911

華氏911を観てきた。某シネコンで観たのだが開始の1時間以上前でもうほとんど満席危ういところだった。

さて、この映画に関してはいろいろ批判もあるようだが、私は個人的に強く心を打たれたし、先日電車で私の隣に座っていた「オレー、戦争ーいきたくないけど、行ったらバンバン撃っちゃうかも」と言っていたような10代後半とおぼしき若者たちのような人たちに、ぜひこの映画を観て欲しいと思った。

私はイラク戦争当時イギリスにいて、当時はアメリカ人の友人と親しくしていたので彼らと戦争のことも話した。ヨーロッパに留学するようなタイプのアメリカ人のインテリ学生にブッシュを支持しているような学生はほとんどいないようで、私の友人は、「アメリカ人がブッシュを支持していると思わないでくれ」と言っていた。

でも、この映画で描かれているように私にとってショックだったのは若くして死んでいく米兵たちの年収が二百数十万だという記事を読んだときだった。
ブッシュにとってはゲームだったのかもしれないが、実際の戦争はゲームではない。戦争シュミレーションゲームのように予算をいくら足したから兵が何万増えるというわけにはいかない。
そこには戦争に行く、一人一人個人の人生があり、家族があり、物語がある。
戦争の被害者はいつの世でも社会的弱者だ。それは国や地域を問わない。貧しいアメリカ人の若者は家族を養うため、大学に行くため、資格をとるために軍隊に入り、よその国で一部の金持ちたちの金儲けのために殺戮を行うことを強制される。
そこでは、爆撃する側もされる側からもも多くの死傷者、家族を失う者、家や仕事を失う者、がでる。人生、生活が破壊される。

日本には戦争をしない!という憲法がある。それがどんなにすばらしいものかこの映画を観て実感してほしい。しかし、すでに、自衛隊はイラクへ送られ自衛隊員の妻や母は息子や夫の身を案じて眠れない夜を過ごしたかもしれない。

一部の人間のエゴや権力、金集めにために貧しい多くの人の人生が潰されていくそれが戦争だと思う。敵は外にいるのではない。自国の利益のために他の国々から搾取するという考え方を持つ政府は、自国の国民に対しても同じ考え方であるということを忘れてはいけない。

まず、自分の考えをもち、選挙に行って自分の権利を行使すること。
それがとても大事だと思う。
将来、息子や娘、夫や妻を戦争で失ったり、傷を負ったりしてからでは遅いのだ。



2004年08月07日(土) ブラボー・フレンズ!

ストレスが溜まっていた私は久々に長い付き合いの女友達に連絡し、金曜の夜に会うことになっていた。それを聞きつけた他の友達も合流し、4人で本当に楽しく飲んだ。ありがとう。やっぱり心のオアシスは女友達。
彼女たちと会えるっていうのは、日本に帰ってきて本当に良かったと思える瞬間。

みんなに聞かれたのは誕生日のプロポーズの話。
ここに書いてなかったけど、しましたよ返事。指輪ももらったし。

彼「結婚して!」
私「うん」

以上で終わりのあっけないプロポーズ。
行きつけの小料理屋Kでは、すでに「ふうさんの婚約者の○○さん」と他の客に紹介されていた彼だが、この短い会話でそれが現実となりました。

昨日はいい感じに酔っ払ってなぜだか英語交じり会話。
友人Y:酔っ払っちゃったー
友人M:Yes, We Know
友人Y:I.. I am .. 総理大臣 yeah!

なんてアホな会話をしてました。



2004年07月27日(火) 夏バテとGet Real

休みをとって4日間の北海道旅行から帰ってきたら東京は観測史上最高の39.5度。
次の日は満員電車で貧血を起こし座りこんでしまった。
それでも表参道の駅のベンチで座って休むこと10分。どうにか職場に行ったら、顔が真っ青だよ。。。と言われた。

イギリスではひどく汗をかくことはなかったのでわからないが、汗をかくとあせもができてかゆいこと! あせがひけば元にもどるのだが、汗をかいている最中は肌が赤くなってすさまじく痒い。人前であまりかくわけにもいかないので、我慢していると頭が狂いそうになる。

さらに、昨日は朝からパソコンも立ち上げないうちからクレームの電話を受けてしまい。冷や汗。お年寄りの朝は早い。相手は常連のおじいちゃんで、すごい短気! しかも細かいことを説明しても、理解する気がないのでらちが明かない。いつもとりあえず、あやまりながら相手がどんなことを言おうとも耳を傾けるしかない。今日は私だけでどうにかなったが、いつも君じゃ話にならないから、分かる人間を出せと言われるのがつらい。。。

なんだか辛いことばかりみたいだけど。。。
確かに元気がありません。

なんだかストレスと暑さによる疲れか、胃がムカムカして、心がざわついてイラつく。良くない状態だ。。。

こういうときはどうしたらいいのだろうと考えて、ドイツ製のハーブの入浴剤を買ってきた。冷房で冷え切った体をハーブの香りのお風呂で温めよう。。。それくらいのことしか、体にしてあげられないけど。。。

やっぱり、去年の夏が極楽過ぎたから、今年の夏がこたえるのも仕方ないか?留学時代が楽しすぎた私にはやっぱり、今は毎日が果てしなく続く忍耐の日々に思える。

これが一番恐れていたことかもね。でも Get Realするしかないね! それが本ものの人生だと思う。



2004年07月16日(金) 私の中に眠る・・・


昔好きだった人から突然電話がかかってきたら?
もう忘れかけていたのに、とても親しげな彼の声を聞いて自分でも驚くほど胸が騒いだ。
もうすぐ、プロポーズの返事をすると約束した誕生日がやってくる。
心を決めなくてはいけないのに。

どうして、忘れたころになって電話なんてしてくるの。
もう遠く離れていて、一緒にはなれないと分かっているのに、どうして声だけでこんなにあの人は私を揺さぶることができるんだろう。

たぶん、もう一生会わない。会えない。
でも、会いたいと思ってしまう。

大人の恋に終わりはない。憎みあって別れたわけでもない。
他の人を愛しても、一度好きになった人を忘れることは簡単ではない。
ただ、時々電話やメールで近況を知る。彼が元気に暮らしていることがわかる。それだけで、なんとも言えない幸せなしかし、せつない気持ちになる。
私は当分、どうにもならない遠い地にいる彼へ思いを抱き続けるだろう、
そばにいるBFを愛し始めていても。





2004年07月13日(火) 家族のかたち

という映画が今度シャンテで公開されます。
昨年私がイギリスの映画館で一人で観て、泣いた映画。

地味な話だけど、思わぬ拾い物といったかんじで胸に残る一本です。
私が13ヶ月住んだイギリス中部のこれといってとりえの無い住宅地の雰囲気が良く出てる。

労働者階級の人々の暮らし、家族、そして、そこにある葛藤。
この映画を観て、リアルなイギリスを知って欲しい。

こんなに情けないけど、こんなに温かいんだっていうこと。






2004年06月21日(月) 低気圧


台風が来た。
朝から蒸し暑く、ラッシュの電車の中で気持ち悪くてずっと吐き気がしてた。私は滅多に吐くことはないのだが、気持ちが悪くなるとすぐに吐き気がしてしまう。

この不安定な大気と蒸し暑さ。。。かなり地獄です。
恐れていた日本の梅雨だねえ。



2004年06月14日(月) ウエディングドレスを着た日と他人の親切

昨日ウエディングドレスを試着してきました。こんな日が来るとは思わなかったよ。
まわりもびっくりだよ。今日、試し撮りした写真を親に見せたら、親もびっくりしてた。思ったよりも似合っていたので。

ウエディングドレスを着た私は「清楚なお嬢様ね」とホテルの人から言われた。ああ、今までの人生で私が清楚なお嬢様と言われたり、形容されたことがいったいあっただろうか?(ない)

やはり、馬子にも衣装か?(姉は、あなたは写真うつりがいいからと言っていた。)

話は変わるが、一緒に暮らしているFの体の具合が悪く、心配である。
この二週間くらいずっとひどい咳をしている。
今日、以前に行った英語の話せない医者にまた行ったそうだが、なんの診察もせず、ただ薬をくれるだけだったので、頭に来たらしい。
話を聞くと、私もそれはひどい医者だと思った。
日本に10年近く住んでいる、アメリカ人の知人に電話して英語の話せる医者を紹介してもらった。
Fは明日早速紹介された医者に行ってみるという。良かった。とりあえず、症状を話し合える医者に会えるだけでもだいぶ違うだろう。

こういうときはネットワークというか、人の助けが身に沁みるね。
でも、Fは私にありがとうも言わず電話を切るとさっさと寝てしまった。
具合悪い人はまわりに感謝する余裕もないってことか。



2004年05月19日(水) 英語の勉強再開とプロポーズ

元気が出てきたので英語の勉強を再開。
といっても通勤電車の中で英語聞いたり、読んだりするだけなのだが。。。

でも、今日仕事で英文を読んでいて、読むスピードが早くなっている気がした。小説とかはぜんぜん読めないのに、業務でよく目にする
ような単語や言い回しにに慣れただけか?

なんとなくネットで見ていたら、輸入食品専門の貿易会社の社員募集があってすごーく気になってしまった。応募締め切りは5月25日。。。
応募してみるべきかな?
でも、今の仕事はすぐに辞められるのかな?やっと半年たって有給が使えるようになるっていうのに。。。

そういえば、この間の日曜日付き合って3ヶ月(たったの?)の彼氏から、「俺と結婚して欲しい、俺の家族になって欲しい」とプロポーズされた。

私はその時、昼寝から目が覚めたばかりで、起きたらいきなり彼が真剣な顔で私をじっと見るので、恥ずかしくなって背中を向けたら、後ろから抱きしめられ、ぽそっと言われたのだ。
しばらくしてその言葉の意味が飲み込めた私から発せられた言葉は、「なんでこんな寝ぼけているときにそんなこと言うの?」だった。
彼は「ふうのあんな驚いた顔見たことないよ」って笑っていた。

返事はまだ当分しないつもり。彼にもそれを伝えると、俺は気が長いからゆっくり待つよ。とのこと。その言葉を聞いて、安心した。

今年の年始、誰かとこんなにすぐに結婚話がすすむとは自分ではぜんぜん予想していなかった。やっぱり、こういうのは縁かな?と思う。








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