お元気な大正10年生まれSさんからお電話をいただきました。 100人を超える同窓会の名簿並びにその一人一人の名前を入力した領収書を全部仕上げたのだそうです。「おかげさまで全部終ったんだから……。うれしくって、お電話したの」とおっしゃいます。 Sさんのお声だ、とわかるやいなや、今度は何でお悩みかな、と思ったら、そうではなくって、無事、作業が終わったという報告だったわけです。
カシオのダーウィンで、1ページ分を入力しては印刷、保存、この作業を数十回繰り返したはずです。 パソコンを使えば、例えばエクセルでデータベース形式で入力し、期ごとに印刷ということは難なくできることだし、差込印刷を使えば、領収書も簡単に人数分ができてしまいます。 しかし、自分のわかる方法で、コツコツやる、これまたとても大事なことです。 40年後、私はSさんのようにコツコツ楽しみながらやることができるだろうか。自転車にパソコンを積んで、元気に街を駆け回っていられるだろうか……。
学生さんは忙しい。ホントはヒマーな、はずの春休みもなんだかんだと忙しいらしい。だから、どの学生さんも短期間でレッスンを消化したい、と毎日来るのは普通、1日に2レッスン受けたりする方もいらっしゃいます。
4月から大学生という方も2月、3月、たくさんいらっしゃいました。おいおい、ホントに大学に行くわけ? 義務教育の段階のお勉強も怪しいぞ、という方がいるかと思えば、優秀、優秀、これは将来が楽しみ、という方も。 皆さん、パソコンをきちんと勉強したことがないから、という理由でお越しになるわけですが、今のところは進学校だったりすると、確かに情報処理は必修ではなく、そのまま大学に進学して、いきなりレポートはパソコンで、というケースもままあるようです。
単位にならない時間を大学として捻出するのはとても難しいことなのでしょうが、高校での情報処理の学習状況のバラつきを考えると、入学当初に基本的な操作をきっちり教えてあげればよいのにね。大学側の「誰が?」という声がすぐにも聞こえてきそう。(そういう現実だから、うちのスクールが成り立っていたりするわけですが)
ともあれ、春休みを有意義に過ごしている学生諸君、君たちはえらいよ!!
入門コースのテキストの短文入力に出てくるのですが、読めない方、多いんです。 今日も、私といくつも変わらないSさん。「あまごの、の後ろの字は何と読むのですか?」 「それねえ、うごのたけのこだよ」。「へえー、聞いたことなかった」とおっしゃる。 「それでなくてもどんどん伸びる筍って、雨の後はもっと激しく出てくるわけで、とにかくわけもわからずどんどん出てきてしまうようなことのたとえだよ」とお伝えしたのですが、広辞苑によりますと「わけもなく相継いで出てくる物事のたとえ」とあります。
もう一つ、「腐っても鯛」という例文も出てきますが、これも「腐っても鯉」と入力したり、正しく入力できても、「腐って母袋」と文節の長さを調節しなければならなかったりとか、皆さんあれこれお悩みです。 ちなみに、「腐っても鯛」は、大辞林によりますと、「本来上等なものは、たとえ腐ってもその品格を失わない」ということです。
「雨後の筍」や「腐っても鯛」って、もう絶滅危惧種の言葉なんですかねえ。
エクセルの講習会での1コマ。 エクセルでは日付を入力する場合は、「3/13」というように/(スラッシュ)で区切って入れるのが基本です。このように入力したものを、書式で「平成15年3月13日」としたり、「H.13.3.13」というようにしたりします。
「D4のセルに3スラッシュ13と入力しますよ」と言われたOさんは、「3+13」と入力してしまいました。「Oさん、それは+(プラス)で、/(スラッシュ)はこっち」と説明したのですが、どうもOさんには「スラッシュ」が「プラス」と聞こえてしまったようです。 聞いたことのない言葉だと、知っている言葉に置き換えてしまうのが人間。
しかもこのスラッシュ、テンキーから入力する分には悩みませんが、テンキーがない場合は「・(中点)」と同じキーになっており、日本語オンのままだと、そのままではスラッシュを入力することができません。
スラッシュという記号は「/」であることが理解できている。 スラッシュがどの場所にあるか、理解できている。 日本語のオン・オフが理解できている。 この3つが揃っていないと、悩むんだなあーーー。
誰かに簡単にわかってしまうようなパスワードはよいパスワードではない。しかし、決めた本人も忘れてしまうようなパスワードも困りもの。 とある団体のパソコン講習会で、こんな質問を寄せられたお客様がいらっしゃいました。 「前任者が作ったエクセルのファイルを開けなくて困ってるのさ。パスワードって、わかる方法ないの?」。なんと、その前任者というお方は亡くなってしまったのだそうです。 これは困りましたねえ。 簡単に調べられるのなら、やはりパスワードをかける意味はないわけで……。
さて、インターネットであれこれ調べて次のページを見つけました。 http://www.acchi.cc/ このページにエクセルのUnPasswordなるソフトがあり、早速ダウンロードして試してみました。 2文字程度のパスワードなら短時間で調べてくれるけれど、文字数が長くなると果てしない時間がかかりそうですが、何とか使えそう。 ちなみに、日本語版は見つけられませんでしたが、英語版のパスワード解析ソフトもみつけました。 あれこれ調べていると、1ファイル5000円でパスワードを解析しますよ、などという業者の存在も。これはちょっと怪しい。
いずれにしても、どんな場面のどんなパスワードでもきちんと「管理」しておきましょう。
2003年03月11日(火) |
そこそこお年を召した皆さまに…… |
何が許せないって、車椅子のマークのところに堂々と止めちゃうおじさん、おばさん(おばさんの方が多いけど)。車椅子マークを何だと思っているわけ? 40歳以上が止めてもよいというマークと勘違いしてるんじゃない? 外見上では判断できないいろいろな障害があることももちろん理解していますが、そこが一番入り口に近いから、もしくはそこしか空いていなかったから、と止める人のなんて多いこと。
とかちプラザ近くのNビルの駐車場では通路に止めちゃう人も。大人がマナーを守らないから、マナーを守れない若者が増えるじゃないか!! 自分さえよければって、いったいいつ、誰から学んだの? 議会制民主主義の我が国、そういう基本的なマナーを守れない人の票を集めて(というわけでは決してないのだろうけれど)当選した代議士が、やっぱり自分にだけ利益を誘導するようなことを考えて、そんな人を罰するために、これまた多くの善良な人々のエネルギーが費やされるって、何か変。(ちなみに、議会制民主主義をインターネットでしらべてみると、このシステム自体の説明なり、問題なりをとりあげたページがたくさんありました。つぶさには読んでいないけれど)
お若い皆様に「あいさつ!」というぐらいのことは言えても、マナー違反のおじさま、おばさまには言えない私。レジで横入りをしそうな人には、「そちらが一番後ろですよ」、ぐらいは言えるけれど。 レジ待ちをしている私の後ろの人が一、二品しかお持ちじゃなければ「お先にどうぞ」と声をかけるのだけれど、逆の状況で「お先にどうぞ」と言われることは少ないよなあ……。 お年を召した方に言えないことを嘆くより、自分のできる範囲の小さな親切を積み重ねていきたいものだと思うわけです。
旅立ちの春。どこぞへ旅立つ前に、パソコンの基本を覚えておこうというお客様が多いこの時期。私は、長旅に備え、少しずつ長い距離を飛べるようになるための訓練をする渡り鳥の母の気持ち。
基本的な羽の動かし方、まずは離陸、着陸するための訓練。 鳥にしてみれば、離陸、着陸だけでかなり大変なはず。まずは風を読み、向かい風をとらえ、それに合わせた羽の動かし方を覚える。 しかし、どんなに上手に飛べるようになっても、どんなに長い距離を飛べるようになっても、群れのメンバーとして生きていく以上、群れの、目には見えないきまりというものも理解していかねばならない。 群れのメンバーとして認められなければ、一人で北へ帰るか(南に渡るか)、もしくは越冬地に留まる(越冬地に渡らない)しかないわけで、つまりそれは繁殖のチャンスを得る(食糧を確保する)機会がずっと減ることを意味する。群れのきまりをそこそこ守ることのできるメンバーで次の世代が構成されていくという、厳しいながらもある意味、種として生存していくにはそこそこによいシステムを自然界は備えている。
さて、母鳥の私、飛ぶ技術だけを教えていればよいものか……。 お若い皆様には、「おはよう」と声をかけて、リアクションがなければ、「あいさつぐらいしなさい!」と一喝。「しました」などと答えようものなら、「聞こえないのはあいさつとは言わん!」とさらに一喝。 こういうことを教えていった方が、彼、彼女のため、世のため、人のため……、だよな、と思ったりするこのごろ。
2003年03月08日(土) |
インターネットは便利だけど…… |
調べものはインターネットに限る。札幌のJRタワーは何階にあるの? 駐車場はどこに何台分ぐらいあるの? 今はどんな映画が上映されているの? という調子で私も日々、利用しています。
今日はとかちプラザの一般開放日でした。先月もいらっしゃっていたお客様が、本日もインターネットで調べもの。 ケアマネージャーの資格のことを調べています。あれこれホームページを検索していき、試験の練習問題が掲載されているページを見つけました。画面の問題の答えをマウスで選択肢をクリックしていくというものです。なかなかよいページじゃあありませんか。
しかし、お客様はときどき無理難題をおっしゃるもの。「これ、全部印刷できないのですか?」そりゃあ、できなくないけれど……。ホームページ全般にいえることだけれど、印刷して利用してもらう、という発想にそもそも立っていない場合が多いのです。著作権がらみの問題もあるし……。
ケアマネージャーを目指してどんなことを勉強しなければならないか、まずはインターネットでおおよその知識を得たら、次は本屋さん、じゃあないのかな。
音更のサークル勉強会でした。珍しくHさんが風邪でお休み以外は、いつもの面々はほぼお揃い。 今日はファイルの管理のお勉強がメイン。「フォルダを作成して……」というところまでたどりつきたかったのだけれど、いろいろとハプニングがあり、予定どおりには行きませんでした。予定どおりにいかないことも、いろいろとハプニングがあることも、これまたある意味、予定どおりなわけですが……。
「マイコンピュータ」や「マイドキュメント」を開いて見る、という操作をしていると、Iさん、「急に画面が真っ黒になった」とおっしゃいます。ほんとに真っ黒。省電力モードを疑ったけれど、メインのスイッチも切れている。ムムム……。 ノートパソコンの周囲を見回すと、線がつながっているのはマウスだけ。「Iさん、見て見て! マウスの線しかつながってないよ」。「あれ、ホントだ。電源の線も入れたはずなのに、入れていなかったのかなあ」。そう、バッテリーでかろうじて動いていたのが、バッテリーもゼロになってしまったのです。電源のコードをつなぐと、無事、先ほどの画面に復旧しました。
よかった、よかったと操作を続け、「では、この辺で一服しましょうか」というわけで休憩のティータイム。休憩中にSさんの調子の悪いプリンタを見る約束になっており、印字テストを試みると、Sさんの訴えどおりの症状。カラーが出ず、黒もかすれています。Sさんは自分でインク交換を試みたのですが、その後が調子が悪いということ。 「インクカートリッジの状態を確かめるね」とプリンタのカバーを持ち上げると、ムムムムム……。インクがセットはされているが、カチっと音がするまで押されていない状態。原因はこれでした。一件落着。 特にこれといった治療を施したわけではないのですが、Sさんには「先生、抱きしめてチユーしてあげたいぐらい」とありがたがられました。
なんだか笑える事件が続いて、それでも無事、2時間の講習を終えて、お部屋の電気を消して帰ろうとしたときに、おや、机の上にノートパソコンの入ったカバンが……。「それ、Mさんの。Mさん、もう出ていったよね」とあわてて玄関に向かい、「Mさん、大事なもの忘れていないかい?」と声をかけると、「あら、いやだ」。 でも、まあ、よかった、よかった。パソコンもみんなもご無事で何より。 Sさんが、「全くもう、みんなそういうお年頃なんだから……」と言ってくださり、また大笑い。
さてさて、次回こそはフォルダ作成までたどりつけますように。
2003年03月06日(木) |
大正10年生まれ再び |
82歳のSさんが1カ月ぶりにいらっしゃいました。 「リサイクルショップに行ってね、カシオのワープロを買ってきたの。マウスもついてて、画面もカラーで、カラーのインクもついてるの。でも、今までのと全然違うから使えないの。持っていってまた教わってもいい」とお電話をいただいたのでした。 Sさんにとってはミノルタ、キャノン、シャープに続いて4台目のワープロです。カシオのダーウィン。5年前のモデルです。
電源を入れると、「電池が消耗しています」のメッセージ。「Sさん、電池入れ替えました?」と聞くと、「うん、新しいの入れたんだけどね」。ひっくり返してカバーを外してみると、確かにピカピカの単三が4本入っています。しかし、ムムム、こりゃいかん。プラスとマイナスが反対。電池をセットしなおして、起動用のフロッピーをセットし、カレンダー、時計を合わせます(ワープロはこういうタイプが多い)。
初めて使うメーカーのものだから、今日はSさん、端から自分で操作をする気がなく、「先生に作ってもらって、それの出し方(フロッピーからの)を習って、後は自分でやろうと思うの」とおっしゃる。作りたいのはご自分の所属する団体の名簿と、会費の領収書。 作業は1時間程で終わり、Sさん、満足そうにお帰りになりました。耳も目も達者で、しかもニコニコ笑顔のすてきなおじいちゃまです。
ちなみにSさんのダーウィン、リサイクルショップで1万円で手に入れたのだそうです。しょうもなーく、1万円ぐらいで売られている中古のパソコンよりは、はるかにお得なお買い物といえるでしょう。プリンタもシートフィーダつきのタイプだし、マニュアルもきっちりそろっていたし。 こういうマシンがなくなってしまうのは、やっぱりちょっとさびしいかも、と思ったひとときでした。
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