2005年05月11日(水) |
【閑話】詩:好きだから、遠ざかる |
たぶんぼくがいなくても きみは生きていける たくさんの素敵な仲間たちが きみのまわりにはいるから たぶんぼくがいなくても きみは幸せになれる もっと近くに もっと確かな 幸せの芽があるから いくら好きになっても きみを抱くことはできない いくら好きになっても きみのそばにいき そっと支えることはおろか 手を繋ぐことすら ぼくにはできない ぼくにできることといったら きみが確かな愛に触れ きみが幸せになれるよう 遠く離れたここでひとり 祈ることくらいだろう だからぼくは後ずさる きみが誰かに笑顔を向けたり きみが誰かと話していると そっと後ろにさがってしまう きみから離れようとしてしまう たぶんぼくがいなくても きみの心は潤いつづける たぶんぼくがいなくても きみの未来は変わりはしない けれどぼくがいなければ きみはぼくを知らなかったはずだ ---- PostScript ---------- 閑話として詩を入れてみようかと思って書きました。もちろんここは「チャトレの花道」ですので、ネットやチャットというものを主題においています。これからも折に触れて書いてみようと考えていますので、脳みその骨休めにでもご覧ください。
前回の数字に引き続きというわけでもないんだけど、今回はライブチャットという蟻地獄にはまってしまった男達の懐事情について。とはいっても、特定の男をあげて「あいつはケチだ」「こいつはリッチだ」という下世話な話ではない。数字をもとに、チャトレに客側の苦労を考えて欲しいという話。同時に、ライブチャットを知らない人たち(も、このコラムを読んでます)にその辺の事情を紹介する意図もある。 ライブチャットというのは大別してアダルトとノーマル(ノンアダルト)に分かれるわけだけど、それらでは当然のことながら「単価;1分間チャットするのに必要な費用」が異なっている。全てのサイトをリサーチしたわけではないけど、僕が知る範囲では、1分間の単価が「アダルト:160〜220円」「ノーマル:80〜90円」といったあたりだろうか。アダルトがかなり幅があるのに対して、ノーマルは激戦という状況になっているわけだけど、概ね、ノーマルの2倍から2.5倍がアダルトという感じになるかと思う。 さて、高いほうの話よりできるだけ安いほうで話を進めたほうがいいと思うので、ここで「1分間80円」のサイトがあったと仮定して計算してみよう。 そこで、一ヶ月という期間を目安に考えることにするけど、いま「一ヶ月間にライブチャットで使うお金の限度を5万円」と設定すると、「50000÷80=625」となって625分間、すなわちおよそ10時間強のチャット時間が買えることになる。ひとりが毎度チャトレちゃんと話す時間なんか個人差があって皆目見当がつかないんだけど、少々強引に「1回につき1時間」と考えると、彼は一ヶ月の間に1時間のチャットを10回できるという勘定になるよね。 そこで、一ヶ月(=約30日)で平均的に10回分を消費しようとすると、「3日に1回」ということになる。つまり、一ヶ月に5万円使ってライブチャットしようとする人が、1回につき1時間チャットするとなると、3日に1回の割合で「吉原大門をくぐれる」という按配だ。 さあ、これは多いのだろうか少ないのだろうか。 この計算では、「1回のチャット」として計算はしたが、それはあくまで「1回」であって、1名のチャトレにもっぱら使うかどうかはわからない。相手にしているチャトレが2名いれば、「3日に1回」が「6日に1回」となってしまう。ほぼ一週間に1度という割合だ。 これは僕の感想なんだけど、僕は「意外と少ないんだなぁ」と感じた。別な言い方をすれば、思ったほどチャットできないということ。ここで思い出して欲しいんだけど、僕はこの計算を「1分間80円」という低い価格レベルで行った。一ヶ月に5万円という限度額を設けてだ。確かに一ヶ月に10万20万使う人もいるとは思うけど(僕も苦い過去があるし)、コンスタントに続けていくとなると、やはり5万円くらいが「いいところ」ではなかろうかと想像している。それでも「そんなに使ってるのかっ!ふ・ざ・け・る・なっ!」という妻の声が聞こえてきそうだ……いや、現実にはそれ以上使ってるんですけど(懺悔パート3につづく予定は未定)。 チャトレちゃんたちは、チャットの最後に笑顔で「また来てくださいねぇ〜」という。僕のようなどーしょーもないおやじなんかは、「来てくれって言われたら、行かなきゃしょーがないよな」と思いつつ残ポイントを恨めしげに見つめてしまう。 楽しい時間を過すためには、やはりチャトレちゃんに「それなりに」気に入ってもらいたいと考えるのが人情だろう。そのためには、メールばっかりしてるわけにもいかない。懐具合を心配しつつ、そんなこたーおくびにも出さずにサイトに出かけていくわけだ。なんかね、もうこの肩の辺りに哀愁が漂ってる気さえするよ、ほんと。夜更けの歓楽街で、もういい加減酔っ払ってて「そろそろ帰りたいなぁ」と思ってはいても、なぜか足が次の店へと向かっていくアレにも似てる。 チャトレちゃんたちにはね、寛大であって欲しいなぁと思う。前述のつまらない計算を見てもわかるように、一般庶民の懐具合でそうそう日参できる世界じゃないんだから。かといって、「ときどき来てくれればいい」とか「ポイントがもったいない」というのは甚だお門違いな考え方でね、良心的な客ってのは「楽しんでナンボ」を熟知しているのだから、チャットして消費するポイントの話なんかしないの。って、誰が計算したんだよ、おいこら。 いや、そうじゃなくて…… ポイントの大切さを本当に客の身になって理解してくれるなら、与えられたチャット時間を、チャトレなりに精一杯素敵な夢のある時間に演出して欲しいってこと。そして、自分のもとへ来てくれるお客さんたちは、皆一様に懐具合をどこかで心配しながらも、笑顔で逢いにきてくれるのだから、その優しさをしっかりと評価してあげて欲しいな。 ホント、大変なんすから……。
先日ふと、「僕はこれまで何名のチャトレちゃんと言葉を交わしてきたのだろうか」と思い立って、朽ちかけている脳みそをぽこぽこ叩きながらリストアップしてみた。じっくりと思い出してみたので抜け落ちてる子はいないと思うんだけど、弾き出された人数を見て、しばし僕は腕組みをしてしまった。この数が多いのか、はたまた少ないのか……。 僕がライブチャットをはじめたのは、既にコラムでも書いているようにおよそ二年前から。途中、創作活動に没頭していたために七ヶ月程度のブランクはあったけど、その間もチャットこそしなくともときどきサイトを開いたりはしていた。ただし、ブランクというのはやはりチャトレとの繋がりを考える上で大きな溝となったのは否めず、いま思えばそこで途切れてしまった糸もけっこうあるような気がしている。 35名。 この数字を皆さんはどう感じるだろうか。もちろん、僕がこれまでに言葉を交わしてきたチャトレちゃんの総数だ。僕と話したことがあるチャトレからすれば「おいこら、わたしゃ35分の1かよ」と思われるかもしれないが、日々増殖しているチャトレの数を思えば、ほんのひと握りにも満たない数であることがわかる。 当然のことながら、この35名すべてと現在も繋がっているわけではない。途絶えてしまった理由は、前述のブランクであったり、2〜3度話をしてもどうも波長があわなかったり、資金面が覚束なくなって泣く泣く縁遠くなってしまったりとさまざまではあるけれど、僕の記憶にはしっかりと刻まれたチャトレたちでもある。 僕の場合、衝動でチャトレのドアをノックするということはほとんどない。無くはないけど、極めて稀なケース。日頃からサイトで見て知っていて、いつか話してみたいなぁと思いつつ踏ん切りがつかず(意外と臆病者?)、それこそ清水の舞台から飛び降りる心地で「当たって砕けろー」と部屋に入っていく場合がほとんどだ。 それだけに、砕けた瞬間の落差たるや筆舌に尽くし難いものがあるんだけど、そんなのは「あれとあれとあれ」って数えるほどしかない。じっくり時間をかけてリサーチ(ちなみに、ブログやサイトを持っていれば、初めて入るその前にほぼ目を通しているのがほとんど)しているだけに、入ってからはわりとすんなり会話が弾んでいるような気がする。 その結果が……35名。 我ながら素晴らしいと思うのは、なかでもライブチャットに身をそめた二年前から現在に至るまで繋がっている糸があるということだろうか。もちろん10本も20本もあろうはずもなく、それは本当に数少なくさほどポイント貢献もしてないような糸ではあるけれど、大切に大切にしていきたい糸だなという風に思っている。 今回僕がこんな話を持ち出し、それを「懺悔」と書いたのには理由がある。別に特定のチャトレに懺悔したいとか妻に懺悔したいとかではなくて(妻に懺悔したらきっと殺されるだろうから)、僕が接してきた35名のチャトレちゃんたちに対して、僕は常に真摯であっただろうかという視点での懺悔なのである。 男というのは哀しい生き物で、獲物を捕獲するためには手段を選ばないようなところがある。女の気を引くために「浮気なんかするわけないじゃないか」と歯の浮いた科白を並べ立て、翌日は別の女のところで似たような会話を平気でしている。僕にそんなところが無かったかというと、大見得きって無かったとは言い切れない気がするんだ。だから僕は、彼女たちに懺悔しなければならないのだろうという気持ちになった。 ただ、ずるい男の言い訳がひとつだけ許されるのならば、僕はその35名のチャトレちゃんたち全ての名前をリストアップできたということだろうか。そんなの簡単なことだと言われるかもしれないけど、二年近く前の記憶にまで遡って名前を思い出すのは、おやじの脳みそには辛い作業だったんだから……と本音がぽろっと。 歴史などという大仰な物言いはこっ恥ずかしい限りだけど、その35名と僕との間には、なんとなく歴史を感じさせるものがあるような気が僕はした。長い人生のなかでは、ほんの一瞬に過ぎないような歴史かもしれないけど、僕の心の奥底に、しっかりと刻まれている歴史だ。 さて、36人目のチャトレちゃんは、いまどこで何をしてるのだろうか……って、いま懺悔したばっかりだろっ。
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