Subterranean Homesick Blues...YANG(ヤン)

 

 

ほんとの声 - 2002年08月05日(月)

トラックが通るたびに軟弱な道路を
こわしていく。
アスファルトが溶け出している。
太陽の熱で。

黒く、ほんとに黒く、それは、怪我をして血をながしているよう。

考えて見れば、アスファルトは石油から、
石油は動物の死骸からつくれれた。

黒いアスファルトは地球の痛みの印か。

最近ではすっかりみなくなった。

道はどこまでもまっすぐで、
何の痛みも感じさせない。

痛みは消えたのか、隠されただけなのか。




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ラークの煙 - 2002年08月01日(木)

海の家はもうどこも店をしめ、
海岸にはまばらな人。

その夏はあっというまに過ぎ、
今にも秋風がふくだろうという時期にさしか
かっていた。

ただ海が見たかった。
そして、久しぶりに話をしたい友人が
海辺の町に住んでいた。

俺は、何年かぶりに電話をし、もう一人の友と
いっしょに海岸へやってきた。

海には似合わない白い肌。砂浜に腰をおろし、
たくさんのことを話した。

女や海とは違う、俺たちの話を。

あわてて社会へと押し出された俺たちには
時間が必要だったのかもしれない。

たくさんのことに戸惑っていて、それを何とか
しなければならなかった。

誰もおしえてはくれなかった。自分で考えていくしか
なかった。
それは、今も変わらない。

友人は、かろうじて見つけたものに何とか心を支えても
らっていた。
昔と変わらずに、ラークをひっきりなしにふかしていた。

野良犬がうろうろと何かを探していた。
日が暮れるまで俺たちは語り、
そして、自分たちの場所を確かめあった。





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