2004年01月01日(木) |
「おみくじ」(内ヒナ) |
稽古漬けから解放された、たった1日。 1月1日元旦。この日だけは仕事も稽古もなく、穏やかな日々を過ごしていた。 一人で過ごすってのも、寂しいかもなんて思うけど。こんな日くらい、静かに過ごしてるのもいいかもしれへん・・・・なんてゆっくりと日本酒を口元に運んだ直後。
存在を訴えるかのように、携帯の着信音が鳴り響いた。 メールはおめでとうメールが散々届いた。ついでに新年の挨拶がしたい!と電話かけてくるやつもいたが、それも夕方になれば収まった。 ならば、この電話はなんだろう?
手にとってみると、カンパチのメンバーかつNEWSのメンバーであり、数時間前までコンサートをしていたであろう内からだった。 内からも日付変わったと同時に電話かかってきた。なので挨拶の電話ではないだろうと思う。 なにか、急ぎの用事なのだろうか?少し緊張しながら通話ボタンを押すと。
「村上くん!!大丈夫!?」
キンと、耳に響くかのように叫ばれて。瞬間何を言われたのか理解できなかった。
「大丈夫って、なにが?」 「やから、カラダなんともなってへん!?健康!?」 「健康って・・・・健康やけど・・・なに、イキナリ」 「やって、村上くん。初詣いけへん言うてたやないですか。やから村上くんの分も神様にお願いして。おみくじも村上くんの分も引いたんや。そしたら『事故に注意』って書いてあったんやもん!」
ホンマに・・・・こいつは・・・・
あの錦戸が保護者になってしまう理由も、頷ける。 甘いというか、かわいいというか。ほっとけない性格というか。 それよりなにより。
この子は、ホンマに阿呆やわ・・・・・
今更ながら、実感する、村上であった。
けれど、そういうとこもかわいいと、愛すべき末っ子なのだと思うと、やはりかわいいなあと思う部分があるから。
「大丈夫やで」 優しい声音で答えると、やっと安心したらしい。電話越しに安堵の声が聞こえてきた。
「・・良かった。」 「内、心配してくれてありがとな」 「ううん!どういたしまして!」
嬉しそうに答える内に、なんとなく。 こんだけ心配してもろたんやなあ。なんて改めて思って。 一人で寂しいと思ってた胸に、ほんのり明かりが灯ったような気がした。
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