2001年02月14日(水) |
バレンタインの企み(サクツカな嵐) |
☆ある日のラジオにて
「こんばんは〜嵐です!」 「4日目の今日!14日というと・・・・」 「バレンタインですね〜」 「おーー!!」 「バレンタインの話ですが!」 「僕等は貰えるんですかね?」 「バレンタイン・・・・・貰えるかな・・・・」 「貰えるか・・・・・貰えないかもな・・・・・」 「なあ・・・・」
「つーかさ、なんでイキナリテンション低くなるわけ?」 ラジオの撮りが終って、翔くんが真っ先にオレ達に聞いてきた。 さっき撮り終わった「バレンタインについて」のラジオトーク。 最初は「誰かにあげた?」とか言っておちゃらけてたけど、相葉ちゃんが「貰えるかな?」とか言うからそこから一気にテンション低くなってしまった。 「貰える?っていっつも嫌ってくらい貰ってるだろ、オレ等」 そりゃ、ファンの子からは毎年トラック何台分かのチョコが届けられる。 貰える?って心配 するのがおかしいと思うかもしれない。
だけど、オレ達は落ちこんだわけは自分達が貰えるか?ってことじゃなくて。 「ラジオ前にちょうどバレンタインの話してたんだよ、なあ?」 「そうそう。それでラジオでその話題になって、さっきまで話してたことが思い出して」 「翔くんツカモトくんから貰いたいのに貰えないんだろうなあって話してたの思い出したらなんか悲しくなってきちゃって・・・・イタ!」 オレが言い終わらないうちに、翔くんかに頭をぶたれた。 「んなの余計なお世話だっつーの!」 「だけど!欲しいと思ってるんでしょ?」 ニノが言うとピタっと動きが止んだ翔くん。 ・・・・・やっぱり、欲しいんだね・・・・・
「ま、まあゲンキだしてよ、ね?」 「そうそう。なんだったら俺がツカモトくんに頼んでもいいし、ね?」 「え!?なんで相葉ちゃんがそんなこと出来るの?」 「それは企業秘密です」 「え〜いいな〜オレもツカモトくんと仲良くしたい〜」 「じゃ、チョコお願いするときに松潤も話す?」 「うん。ツカモトくんいい人っぽいからお願いすればくれるよ、きっと!」
そこまで話してたとき、ふいに大野くんが一言。
「つーか、それじゃ貰えないって決定してるみたいだよね」
ピキーン。
固まる楽屋。 固まる俺たち。
「じゃ、お先に〜」
爆弾だけを落として、大野くんは帰ってしまった。
「しょ、翔くん!別に貰えないって決めつけてるわけじゃないよ?!」 「そう、そうそう!まだ14日になってないんだし!」 「もしかしたら貰えるかもしれないし!」 俺たちが必死で弁解してる中、翔くんは急に立ちあがった。 そして、俺たちが翔くんが何をするか見守ってると。
「見てろ!絶対貰ってやるからな!」
そう捨て台詞を吐いて楽屋を去って行った。
「うっわ、ムキになっちゃったよ」 「何するのかわかんないけど、ヤル気になってたね」 「でも、貰えると思う人」
「・・・・・・」
「15日、撮りのとき怖いね・・・・・」 そのときの光景を想像してしまい、俺たちはただただ、無事であるようにと願った。
そして15日。 運命の日。
「ほら見ろ!!!」
翔くんの手にはラッピングされたチョコレートがあった。
『ツカモトくんに貰ったのかな?』 『あれ、実はスタッフから翔くんに渡してって塚本くんが頼まれたものなんだって』 『え!それを翔くん知らないの?』 『うん。多分スタッフから配られると思って岡田くんに『翔くんあてのチョコはツカモトくんから渡すようにしてください』って俺から頼んでおいたから』 『さすがニノ!』
「おまえら何コソコソしゃべってんだよ」 「う、ううん!!良かったね、貰えて!」 「貰えないとか決めつけてたのは誰だよ」 「オレが間違ってた!翔くん実は愛されてるんじゃん」
幸せそうに笑う翔くん。 とりあえず、良かったね。
2001年02月04日(日) |
ハッカー飯島×チェリー三村(飯島サイド) |
「siosai」
気づいたときには、俺はどこかおかしくなっていた。
どうしようもなく、心が飢えている。
いつも隣にいた。 この腕の中に抱きしめていた。 恋焦がれていた存在。 それが、今いない。
いや、居ないなんていうのはおかしい。 そんなヤツはいるはずないのだから。 生まれた時から一人だったのだから。
けれど、確かに存在する傷跡。 心の空洞。
物心ついたときには壊れていた。 パソコンに狂ったように執着する俺を、周りは奇異の目で見ていた。 親にも見放された。
現実と空想の入り混じった箱の中。 この世界で、生きていた。 いや、生きていなければいけないような気がした。 それは何故かはわからないけれど。 それでも、その世界から抜け出そうとは思わなかった。
唯一、同じ世界の人だと思った彼女は、『光り』に導かれて行ってしまった。 別に、悲しみなどはなかった。 彼女は、この空洞を埋める存在ではなかったから。 けれど、自分にとっての『光り』を見つけた彼女に嫉妬した。 嫉妬して、彼女の世界を壊そうと思った。
けれど、出来なかった。 彼女の『光り』によって、打ち砕かれた。 その、どこかキレイで気高い『光り』には覚えがあった。 その『光り』も俺の近くにいたような気がした。
けれど、懐かしい気はしても俺の求めるものじゃない。 似てるけれど、違う。
俺は、いつまで待ちつづければいいんだろうか。 いつまで、探し続ければいいんだろうか。 この箱の中で、存在するのかもわからないものを求めれなければならないのか。
心の中が暗く、沈んでいくような感覚に陥った。 信じていたものが崩れそうな感覚。
心の空洞。
けれど、その時一筋の『光』が見えた。
レナに仕掛けたワナを打ち破られた日から数日後。 俺が仕掛けたウイルスを破ったうちの一人が、コンタクトをとってきた。
「この前のウイルス作ったのオマエだろ?あれ壊すの結構手間取った。けど、おもしろかった♪」
ウイルスを打ち破り、その発信源をみつけるくらいだ、かなりの腕の持ち主なんだろう。 そして、躊躇することなくコンタクトを取ってきたくらいだ、自信があるんだろう。 俺と同じ世界のヤツなのだろうけど、あのウイルスを「おもしろい」と言いきるコイツに興味が沸いた。 何もない退屈な日々が続いていたから、少しの刺激がほしかったというのもあって。 会ってみたいと思った。
何度かコンタクトを取り、あっちから「会ってみたい」と告げられて承諾した。 どんなヤツかわからない。 HNは男の名だが、女の可能性も充分考えられる。 けれど、男か女かは関係ない。 ここまで興味を惹かれたのは初めてだ。 コイツは、自分の中の何かを動かす、そんな気がした。 おもしれえ。 生まれて初めて、何かに期待している自分に気づく。
会ってみると、想像していたのと大分違っていたのに驚いた。 あの世界の住人とは思えないくらい、明るく、軽い感じのやつだった。 よくしゃべりよく動く口。 少し高めの声。 うるさいはずのしゃべりも、ずっと聞いていたいような気がする。 俺より少し下にある目線。 コイツは見上げているはずなのにそんな気はしないから不思議だ。 隣にある肩。 まるで、パズルのピースのように、隣にいるのがしっくりくる。 なんでだ? なんで、そこに居るとほっとするんだろう。 なんで、生きて、そこにいるのが嬉しいと感じるんだろう。
「うわ!」 しゃべりながら階段を降りていたら、アイツは踏み外して落ちそうになった。 それを慌てて支える。
ギュッと、腕の中に抱きしめた感触が心地いいのはなんでだ? ずっと、こうしたかったと思うのはなんでだ?
何故か、手放すことが出来ずにずっと抱きしめていた。 アイツも、抱きしめられたまま動かなかった。
「なあ、なんかオマエの腕の中に覚えがあるんだけど・・・なんでだろうな?」
アイツが、ポツリと呟いた。
やっと、出会えたのかもしれない。 俺の唯一の『光り』
『今度こそ、守り抜いてみせる』
2001年02月02日(金) |
ハッカー飯島×チェリーマコト(前世三村) |
きっかけは、すっげえいい加減。 エロ画像とか出会い系サイトとか見たかったとか。 とにかく、女のことしか頭になかった。
中学のとき、渋る親をテストの点を上げるで釣って。 なんとか手に入れた『パソコン』
周りに持ってるヤツいなかったから、一人でこれと格闘して。 なんとかエロサイトを見れるようになったり。 そんときは、エロ画像見れるからって喜んでた。 けど、それから出会い系サイトとか探したりしてるうちに、『パソコン』そのものに興味持って。 気づいたら、ヤバイとことか侵入できたりハッカーみたいな真似事出来るくらいハマるようになった。
俺と『パソコン』 すっげあわないんだけど。
でも、なんかパソコン触るのが自然な気がする。 ハマるのは当たり前って気がする。 指が、自分の指じゃないみたいにスラスラ動くんだ。 『闘打』なんか1日で全クリアした。
ずっと、『パソコン』に触ってたような気がする。
変な夢を見始めたのも、パソコンにハマってからだ。 夢の中で俺は必死にパソコンに向かってた。 必死に、死に物狂いで。 けれど、世界は崩れ去る。 そこで、いつも目覚める。 目覚めて、傍らに誰かを探してる。 誰だかわからないのに。確かにそこにいたはずの存在。 それが、いなくて胸が痛くなったり。
夢のような、でもリアルな。
そんな時、アイツに出会った。
その時ちょうど、ヤバイウイルスとか広まってて、それを壊すのをおもしろがってやってた。 いつものようにネットサーフィンしてたらかわいい女の子が助けを求めてたから、そのサイト覗いてみたら、すっげおもしろいウイルスに侵されてて。 おもしろいと思って、ただひたすら解読してた。
まあ、結局壊されたんだけど。 そのウイルスを蒔いたヤツは中々の腕で、しかも結構悪い感じで。 なんか、興味を持った。 コイツに逢ってみたいと思った。
それから、なんとかつきとめてコンタクトとって。 色々話してるとおもいろいヤツだなと思って、益々逢ってみたいと思った。 だから、「会わないか」と送った。そしたらすぐにオッケーの返事がきた。 どうやら、コイツも俺に会いたかったらしい。
待ち合わせに現れたのは、想像よりもすッげオトコマエなヤツだった。 背も俺より高くて、顔も(悔しいけど)かっこよくて。 だけど話すと中々の性格で。 そのギャップがおもしろかった。
気づいたらけこうな時間になってた。 「どうする?」 アイツに問いかけた。 けど、ホントはもう少し一緒にいたかった。 このまま離れるのはイヤだった。
『もう、離れるのはイヤだ』
そう思ったのはなんでだろ? 初めて会ったヤツなのに、前に離れ離れになったような気がするのは、なんでだろ? コイツに名前呼ばれると安心するのは、なんでだろ? 時々触れ合った肩の温もりに安心するのは、なんでだろ? わからない。
けど、もう少し、一緒にいたい。
「俺んちに来ない?」
頷くアイツに嬉しくて抱きついた。
やっぱり、この腕の中が安心する。 なんでだろ?
2001年02月01日(木) |
ラーメン屋シンジくんと健治くん【出会い編】 |
「でさ、アイツがさ〜・・・」
女のハナシとかツマンネエハナシしかしないヤツラ。 いつも集まってるけど、仲間なんて思ってない。 まあ、コイツラみんなそう思ってるだろうけど。 だから平気で裏切るしオンナ取るし。 それが当たり前だからワルイなんて思ってない。 『裏切る』 そんな気はないから胸が痛むとかなるわけない。 けど、その単語を思い浮かべると時々痛む。 ソイツに対して痛むわけじゃない。 ただ、何かに対してすっげ罪悪感に囚われる。 それが何かはわからねえけど・・・・・・ 少なくともこの中にはいない。 仲間じゃないしダチでもない。 ただ、なんとなくツルんでるだけ。
その日もいつもと同じように渋谷でヤツラと遊んで。 親切なオニイチャンから金貰って遊んで。 「腹減ったな〜」 誰かが言ったけど金もつきたししょーがねえからラーメンでも食べるか? そんな軽い気持ちで入ったラーメン屋。 そこで、アイツに出会った。
「でさ、アイツラオレの顔見るなり逃げてやんの」
今度は自慢話かよ・・・・・・ いい加減聞くのもタルくなってぼうっとしてたら、カウンタで働いてるヤツに目が止まった。 オレとタメくらいのヤツが、店長らしいヤツに怒られながらも働いてた。 別になんてことない、よく見る感じだけど、何故か目に付いた。 渋谷とかにいそうなイマドキ風なヤツなのに、そんなのとは全然違って見えた。 なんでだ? 今まではいかにも「がんばってます!」なヤツはうぜぇとバカにしてたけど。 アイツだけはなんかバカにする気が起きなかった。 手つきなんか危なっかしくて、慣れてない感じだけど、それでも真剣にラーメン作ってて。 「お待たせしました!」 声と共に笑顔を浮かべてて・・・・・ その笑顔が、何故か懐かしい感じがした。 ずっと見たかったような・・・・自分に向けてほしかった笑顔・・・ ・・って、なんで過去形なんだよ? 会ったことも話したこともないヤツなのに・・・変だ。 そう思っても、なんか目が話せなくて見ていたらアイツと目が合ってしまった。 (ヤバイ) 慌てて目を逸らした。 けど、別に逸らすことなかったんだよな。 なんかしてるわけでもねえし。コソコソする必要ねえし。 だけど、見られるのが怖かった・・・・・怖かった? よく、わかんねえ・・・・・ぜってえ変だ。 「ちょっと便所」 そう言って立っていったので、オレ一人でラーメン食ってたら、アイツが近づいてきた。 「なあ、ラーメン嫌いなのか?」 イキナリ話しかけられたと思ったらそんな質問をされて、驚いたけどさっきのことがあったからなるべく普通にしてようと思った。 「・・・別に」 「そうかあ?さっきからまずそーに食ってるからさ、気になったんだけど」 「別に・・・・まずいといえばまずいかもしんねえけど」 そう言うとアイツはショックを受けたような顔をした。 まさかオレの言葉で落ちこむとは思わなくて、どうしようかと思っていると急にぱっと顔を上げた。 「オマエ明日もこいよ!絶対オマエにうまいって言わせてやるから!」 「はあ?」 なんでそんなことになったのかわからなくてどう言えばいいのかわからなかった。 「な、明日も絶対来いよ!」 「・・・・・いいけど」 アイツの勢いに思わず返事をしてしまったけど、なんでわざわざ来なきゃいけないんだよ? そう思ってたけど、オレが返事をしたら笑顔を向けられて・・・・・・何も言えなくなった。 (変なヤツ) 上機嫌で戻って行くアイツを見ながら、変と思いながらも明日も来ようとか思ってる自分に気づいた。 (別に・・・ヒマだから、ただそれだけだ)
その気持ちが『逢いたい』からだと気づくのに、そう時間はかからなかった。
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