それでもお話は続く? Copyright (C) 2002-2012 Milk Mutuki. All rights reserved
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夜が明けはじめたころ部屋に誰かがいるのにアルクは気づいた。 かぶったシーツの中から息を整えて相手の出方をみる。こんなとき息を殺せばかえって気づかれるのだ。なるべく寝息に近い呼吸を繰り返していると 「アルク、起きなさい」アークいや、語部様の声だった。 「なに?姉ちゃん。」 「これもってすぐここを出なさい。あんたが作ったチームの掟は知ってるから、日取りは繰り上げになるけど。」 「おいら、いや、俺の今後の連絡は今日くるはずなんだ。待ってくれよ。」 「馬鹿だねぇ。あんたが死んだらあたしが困るんだってば。ほかにいないじゃない。盗賊が出ようと嵐がこようと生きて帰ってこれるやつなんかさ。今までに何人も兄弟子が助手として出かけていったけど帰ってきたのなんかひと握りもいないんだからさ。あたしは今回師匠が書き上げた物語を全部覆すことしたいんだから、あんたじゃなきゃだめなんだよ。」 「俺一人じゃ無理だよ。」 「大丈夫!・・・・ビート、こっち」 「兄貴っ。おいらがいっしょにいくよ。」おいおい、、足手まといなだけだろう・・「あたしも行くよ。」この声は「ソルト!」 「あはは、死神でも見たような顔だね。あたしはあんたが逃げたのを追うって理由でついていけばいいからね。」 「店はどうするんだよ。」 「ばぁばが元気なうちは平気さ」 「さ、これが通行証。どんな国でもどんな建物でも入れる。あと、二人分は余分にある。この町から連れて行きたいものがいれば名前を言いなさい。後を追わせるから。」語部からそれぞれが通行証を受け取る。 「それから、もう一人国からの派遣で連れて行ってほしい男がいるから、その男はすでに国境を出ているはず。名前は・・・えっとジョルレ、印刷屋だわ。」 「・・・・・・・そいつ連れて行って平気なのか?」 「大丈夫じゃない。あんたの活躍をまとめるのが役目であんたのような通行証は持っていないから。」 「どこにでも入れるて言うのでなくていいから通行証をあと二人分用意できないかな。」 少し間があったが「わかった。日が昇るまでには用意してくる。準備してしまいなさい。」 「おう、頼むよ」
アークが部屋を出て行ってからいろいろ思い巡らす。 それよりもアークの前ではいい弟の振りをしていたのにさすがに姉ちゃんだと笑いがこみ上げてくる。 「だれを、連れて行くんだい?」ソルトの声で我に返る。 「ああ、その前にあの後どう決まったんだよ。」 「道々話すよ」 「じゃ、俺も道々説明する」 残りの通行証がアークから届けられたところで外に出る。ようやく一筋朝日が伸びているところだった。
なじみの酒屋に入るとビートが声をかけてきた。 「兄貴だぁ。お姉さん語部様になられたとかでおめでとうございます。」 「あぁ、、、」 「今夜の集まりにはこられるんですか?」 「たぶんな、、仕事しろよ無駄口たたいてると怒られるぜ。」 「はい、じゃ夜にまた。」 いぬっころみたいに走って仕事にもどるビートを見送りながら、ため息が出た 「みんながビートみたいなら簡単なんだけどな。」 「何が簡単なんだい?」 振り返ると酒屋の若女将が立っていた。 「つぎはソルトか・・・珍しいな、ここにいるの」 「そりゃ、ばぁばに頼まれた店だからね。仕事はするさ。」 「で、今日はばぁばは?」 「ああ、奥でいつもの仕事してるよ」 「占いか・・・流行ってるんだな」 「この辺で占いできるのはばぁばだけだからね。なにか飲むかい?」 「ああ、ビールでいいや」 「けち臭いねぇ。もっといいの飲みなよ。語部様の助手なんだからさぁ」 「関係ねぇよ。」 ドン!という音とともにジョッキがカウンターに置かれる。 今日は一気に飲める気分じゃないからと思ってちびちび飲んでいたらソルトとの会話を聞いていたのか、印刷屋が酔ってきた。 「あなたがアーク様の弟様ですか?」 「あぁ」 「どちらへお話を集めにいかれますか?」 「決まってねぇよ。仲間も見つかってねぇし。それどころじゃねぇし。」 「・・・・なるほど、そのビールはおごらせてください。私はジョルレと申します。もしできれば旅の際はお連れください。」 「・・・・・できねぇよ。語部様に伝える前に全部おまえが印刷しちまったら困るだろうが。」 「ははは・・・確かに。でも必ずついていきますからね。では」 旅に出れるかどうかもわかんねぇよとつぶやきながらまたちびちび飲みだした。
ようやく飲み干したころにソルトが声をかけてきた 「みんな集まったよ」 「そうか」 酒屋のカウンターを越え、裏口から外に出るといつも集まっている地下への扉がある。 3度扉をたたき声をかける「酒屋だ」 「誰の紹介だ?」「ソルト」「入れ」扉が開く。 「今変わったんですぜ。アルクさん。アルクさんの声じゃなきゃあけねぇところだ」しわくちゃな顔で笑いながらアンツィじいさんが言う。 「悪いな。じいさんの耳が達者なうちでよかったよ。今夜限りでもうここにはこないと思うがな。」 「大丈夫です。アルクさんは、また戻ってきますぜ。あんたにまだ血の匂いはしてねぇ。」 「ははは、ありがとう。その言葉信じるよ。」
階段の途中にウルフが待っていた。 「別れの言葉考えてきたか?」 「なんていえばいいかわかんねぇな。」 「まぁ、遺言きかねぇ、なんて野暮はしないからよ。」
やがてみなが集まっているところより一段高い所に出た。 「ウルフばんざ〜い!!」誰かがほえる。 「ぅおおおぉぉぉぉぉ!!」 みんなの騒ぎが収まったところでウルフが言う 「今夜はアルクのいや、もとウルフの処分を決めてぇ」急にざわつきが消えた。 「語部様の助手ってことで浮かれてやがるが掟は掟だ。しかもアルク本人が決めたことだ。死ぬか捕虜にならなけりゃ総領はやめれねぇ。それなりの処分が必要だと思う。どうだ、みんな」誰も答えない。 「みんなの意見を聞く前にアルクの言い分を聞く。」 こんなことしても誰かはついてくるだろう、誰かが許しを乞うだろう。そんな甘いやつらを揃えたつもりはない。ウルフが言うことはもっともだ。どんな理由を言おうとも俺の処分は決まっている。 「言い訳はねぇよ。みんなに任せる。」 「と、言うことだ。」 「別れの言葉を!!」ソルトの声だ。 「別れの言葉を!!」ビートの声だ。 やがてその場にいる全員の声になった。 「言ってやれよ」とウルフ 「・・・・・俺は国を捨てる!!1週間後戻ってこれるかわかえらねぇ旅にでる。語部様の助手なんてやつぁ生きてるっての聞いたことがねぇ。だからこの場で俺は死んだと思ってくれ。」 「それだけでいいのか?」 「ああ」 「国を捨てるって言ってるが、おめぇらそれで納得できるかぁ?」 「できないねっ!!」ソルトだ・・・女戦士だからこんなことには厳しい。 「じゃぁ、どうするんだ?」「1週間後、国を出るって日に処刑だね。」 「ほぉぉぉ。おまえがやるのか?」「あたしでよければやるよ」 「よし、それはまたあとで話し合おう。みんなはほかに意見はないか?」 「特に意見はないようだな。アルク、おまえ帰っていいぜ。あとで知らせをやるよ」 「わかった。」 短い夜は明けていった。
アルクは悩んでいた。 「ねえちゃんにはあんなこといってきたけど、仲間集めなんて今できる状態じゃないんだよなぁ」 町に出て何度目のため息か・・ 彼は町でも実は結構悪といわれるグループに入っていた。 もちろん姉のアークもそんなことはお見通しで旅に出せば町も静かになり彼の仲間ならよほどでなければ危険もさせて通るだろうと助手に選んだというわけだ。 「おい、アルク」 「ぅおっ!!」逃げようとするアルクの肩をむんずとつかむ大きな手 「逃げたって遅いぜ、姉ちゃんが偉くなったって家族は別だからな」 「・・・・・しかたないな・・・それでもおいら語部様の助手だぜ」 「はっ、偉くもなんともねぇじゃねぇか。お前は旅するだけってことだろう?」 「ああ、それで人数集めようと町に出てきたんだよ」 「今のお前についてくるやつなんざ、いねぇだろうよ」鼻で笑う大男 「わかってるけど、頼まれた以上集めなきゃいけねぇし1週間で旅支度しなきゃならねぇんだよ。」 「ぅわっはははは、1週間後お前が旅に出るのは雲の上だろうよ。」 「そういうなよ、グァング・・・・・・・・・いや、今お前が総領だからウルフか・・。」 「元ウルフさんよ、きっちり決着(けじめ)はつけてもらうって約束だったよな。」 「ああ、総領辞めるときは死んだときか捕虜になったときだけだったな。ある意味捕虜になったのと同じだと思うんだがな・・」 「まぁ、その辺はやつらが決めることだ。俺を選んだときのようにな。」 「・・・・」 「今夜いつものところにみんなを集める。忘れずに来い。」 「忘れなかったらな」 「忘れてたら明日の朝のお日様は浴びれなくなるぜ。」 「あ〜わかったよ。」 グァング、いやウルフと呼ばれた男は去っていった。 「あ〜相変わらず馬鹿力だぜ。後残ってやがる。仕方ない、一か八かだ。夜にかけるか。」アルクはなじみの酒屋へと姿を消した。
創作中wで書いていましたが出来上がってないっぽいタイトルなので「それでもお話は続く?」に変更しました。なんせ自分にすごいノルマ拾ってきてしまいましたので・・あたしがサボってもお話は続いていく・・・ってあたしが書かなきゃ続かないのかw
『ここにわが継承者としてアーク・シェル嬢を指名する! これよりわが物語の続きを語り書き記すことができるのはこの者のみである!!』
そう声高に新しき継承者を告げた師匠はこの世を去った。 何の指導も受けていない新弟子のあたしの名だった。
何を語れというのか、何を書き記せというのか? 師匠が語り継いできたいろいろな物語さえあたしが覚えているのはただの一編のみ
兄弟子の誰も異議を唱えることもなく誰が見ても無知なあたしはわが国唯一の語部となった。
語部になると助手がつく。自分で選ぶことも可能なのであたしはひとつ下の弟を指名した。
「ねえちゃん!すごいね!!おいらもここで働けるの!?」 「うんうん、でね、あんたの仲間も連れてきてほしいのよ。」 「え?いいの?そんなことできるの?」 「助手に人数制限ないから、あんたたち冒険好きじゃない。いろんな国に調べに行ってほしいのよ。」 「そっか、それは任してよ。いつから旅に出ようか?」 「いろいろここで準備してどこの国にもいける許可証ができてからだから1週間はかかるかな。」 「わかった。おいらも町でいろんな必要なもの探しとくよ。」 「うん、よろしくね。」
語部といってもすべてが自分で見聞きしたことでないことくらいはすでに承知している。師匠も兄弟子たちの中から何人か選んで常に旅に行くよう言いつけていた。 各地の物語を集め語り継ぐ。 それが伝説なのか本当なのか・・・あたしは語り継がれているいろんな話の真実が知りたくなった。まさか兄弟子に頼むわけにも行かず弟を選んだというわけだ。
師匠が書き上げた物語は数百に上る。いまあたしは書庫の中ですべてを拾い集めている。そして真実を知りたい物語を選定しながら新しく語り継ぐには内容が変わることもありうることを悩んでいた。
2004年10月09日(土) |
語ってみる(夢について) |
夢っていえば子どものころからいろいろあったりして、でも今考えているのは、とってもかなえるには時間とお金といるんだよねw
ま、お金も時間もあったと仮定してw かなうわけなじゃんって言わないでねぇ。夢は忘れちゃいけないっていうじゃんw
まず、喫茶店がしたい。 ヽ(´o`; オイオイ いまどき喫茶店って・・ まぁ、そういわず聞いてよ。 場所は図書館が近い丘の上でその丘の眼下には海が見えててもちろん図書館があるその丘は森の中であたしの喫茶店はいつからあるんだよ?って突っ込みたくなるようなふるい日本家屋で昭和のにおいがしそうな平屋がいいかな。 木造かいな そうそう、で、まぁできれば京都の町屋を移築できる良いなぁ。 ケーキもだけど、おいしい和菓子も出せるのよいなぁ。 コーヒー、お茶、こだわれるとよいねぇ
あともう一つ考えてるのは まだあるんかいな? うんうんw 海の家w っていうか年中あいてるのねw 年中って・・・海の家って夏だけやろォ いいの!旅籠を思わせるような古い建物で庭ではサーファーの皆さんのボードを預かれるようにして、夏冬問わずサーファーに部屋を貸す。 海の家ちゃうやん、アパートかいな ん〜どっちかってと下宿? 炊事は自分でしてねぇってかんじでw で、またここでもあたしは喫茶店するのだねw 結局はどこでもいいから喫茶店がしたいっちゅうことやな いやぁ、どこでもってわけでなく。 でさでさ、あとは仕事の片手間喫茶店。 本職が休みの日にしかあけない喫茶店 いつまでも客つかへんわ だから、道楽っぽいかんじw
まぁなんにしてもお金と時間の要る夢なんだけどねw 宝くじでもあたらんとあんたには無理やな まぁねぇww
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