昨夜見た悪夢は枕元に置き去り蜂蜜をひと匙垂らした紅茶が香る部屋重いカーテンの隙間から差す針よりも細く鋭い一筋の光それが私の心臓を貫かんとする悪魔の毒牙でない事を何人たりとも証明し得ないそれが如何ほど私の心を惨めたらしく暗澹とさせるか何人たりとも理解し得ない目覚めなければ良かった目覚めなければ良かった甲高く囀り続ける鳥たちが硝子玉の目で此方を見張っている布団の内では何者かが息衝き私は差し込む朝日に背を向けてひとり窓辺で首を垂れる