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いろいろ日記

2002年09月13日(金) 終止符・8

この二人だけの空間を始める時
約束しておいた事があった。

それは お互い・・どちらかがどちらかを
どうしても 許すことのできないことが起きたとしたら・・・
その時は きちんと話し合って‘さよなら’しようということ。

私には考えられないことだった。
けれど 彼の前から 何度となく消え去ったことのある私だったので
彼は心配したのかもしれない。
突然姿を消すのだけは お互いによそうと確認しあった。

彼とは 日常の話の他 色んな思いや
ネット上で関わった人達とのことを語った。

その中でわかったことは 
彼は自分が「こいつとは付き合いきれない」
と思ったら きっぱりと 関係を絶つと言う事。

「へぇ〜 意外ときついんだ」 そう思った。

しかし そうやられた人にはやられただけの理由もあったので

「自業自得やな」 とも思った。

そう・・・まさか自分に同じことが起きろうとは
夢にも思わなかったのだ。

                   つづく





Blue Moon Rain より

MIDI blue moon by LUNA



2002年09月12日(木) 終止符・7

 アリサと共通の友達である私と彼は
彼女の事が心配だった。
だが 気遣う気持ちはあっても どうしようもない現実が
そこにある。
なす術もないことが哀しかった。
ジッと彼女の側に寄り添うようにして励ますしかなかった。

当然、二人だけのBBSでも そのことが話題に出る。

そう・・・きっかけは アリサだった。
彼と出逢ったことも 彼と最悪の別れとなったことも・・・

私にとっては ほんの些細なちっぽけな言葉
けれども 彼にとっては許すことのできない言葉
私は彼の怒りの琴線に触れてしまった。

きっと いつか 遅かれ早かれ 彼とのこの場所には
終止符が打たれる事になっていただろう。

ただ それは 突然 絶望的に 訪れた。 



Blue Moon Rain より

MIDI moonshine by LUNA

http://www3.to/rainymoon









2002年09月10日(火) 終止符・6

 アリサが 突然 家を出た。
着の身着のまま 友達の家に転がり込んだという報告があった。

『もう家に戻れない お金も 家庭も 子ども達も すべて失ってしまった』

彼女の身に何が起こったのか・・・
今までのメール交換などの経緯からある程度の事は把握できた。

ただ 彼女の場合 子どもだけは大事に大事にしていたので
離れ離れになることが どれだけ辛いことか・・・
そのことを思うと胸が締め付けられた。

その日からアリサの苦悩が始まる。
誰も彼女を救うことはできない。
彼女が彼女自身で這い上がってこなければ何も終わらないし
始まらないのだ。
自分を救えるのは自分だけなのだ。

皆、心配した。
皆、応援した。
皆が、見守った。
皆が、気にかけていた。

アリサのBBSには 励ましや応援、ジョークや同情の書き込みが
いっぱい連なっていく。

                     つづく





2002年09月09日(月) 終止符・5

 蜜月は永遠に続くかのように思われた。
わたしは彼の一番近い大きな存在になれたと錯覚した。
それは ネット生活の中で 初めて手に入れた愛情に限りなく近い
友情だったと思う。

わたしは もとのお友達のところへ帰る事よりも
彼といる事の方を選んだ。
きっと 以前のお友達は わたしが帰るのを待ってくれている・・
そう わかっていても 彼と居る方が楽しかった。
 
 朝、挨拶をして  昼、なにがしかの話をし、
夜、おやすみなさい・・・と毎日毎日 繰り返されるこの時間と
空間と彼の言葉が 宝物だった。支えだった。

 二人だけの秘密のBBSが1ヶ月たったある日・・・
アリサに異変が起きた。


                        つづく




Blue Moon Rain より

MIDI LOVE by LUNA

http://www.phoenix-c.or.jp/~lululu/rain/index-r.htm



2002年09月07日(土) 終止符・4

 
 メールは彼からだった。

「アン、メール読んだよ。
あのBBS、結構色んな人が覗いてたかもしれんな。
アンの気持ちもわかる。

・・・ということで アン専用の二人だけのBBS作ったから。
これだったら 誰にも覗かれることなく 気の置けない話が
できるだろ。」

 信じられなかった。
  
 嬉しかった。

驚きが喜びに変わる。

彼は 私を特別に選んでくれた・・・そう思ったら天にも昇る気持ちで
胸が震えた。

早速 彼が用意してくれた わたしと彼だけのBBSへ行く。

わたしは 毎日、毎日、朝、昼、晩 と何度も書き込み
彼からのレスを楽しみにしていた。

それでも わたしは まだまだ もっともっと彼と話したかった。
わたしの知らない彼をひとつでも知っておきたかった。


彼は 以前のような飛んだギャグを言うばかりではなく
結構 真面目にいろんな話を語ってくれた。


以前の共通のお友達のことやそれぞれが親しくしていたお友達のこと
家族のこと 近況 仕事 遊び・・・
彼と話すことはわたしの心の支え。

彼がそこに居てくれるからわたしは平凡な毎日が輝いていた。

                    
                      つづく






Blue Moon Rain より

MIDI 硝子の月 by LUNA

http://www.phoenix-c.or.jp/~lululu/rain/index-r.htm



2002年09月06日(金) 終止符・3

 他のHPには ほとんど 姿を現さなかった私だったが
ある日、ネット親友のナッツのところを覗いてみた。

それは ほんの気まぐれだった・・・

そこには アリサのわたしへ向けてのメッセージがあった。
あったかいメッセージだった。

皆をだましている様な気になって
罪悪感でいっぱいになっていく自分。

思わず 彼にメールを出していた。

「ねぇ・・なっつのとこのアリサの書き込み読んだ?
わたしね・・あれ読んで、すっごく後ろめたくなってしまったよ。
なんか・・みんなをだましている様な そんな気がして・・

だから もう 貴方のとこへ書き込みに行くのやめるね。

楽しかったよ〜♪ 短かったけど・・ほんと話せて嬉しかった!
また HP再開することになったら その時は教えてね。

じゃ! 元気で! ありがとぉ〜♪」

ほどなく 彼のHPはネット上から消え去ってしまった。



ティンコン♪  メール着信を知らせる音が軽やかに鳴った。

   

                         つづく




2002年09月05日(木) 終止符・2

 閉鎖された彼のHPに ある常連さんが独りだけ訪問していた。
一日、二日、三日・・・その人と彼のやりとりは続く。

わたしは 居ても立ってもいられなくなり・・とうとう 彼のBBSに
書き込んでしまった。

 「おひさしぶり〜♪ のこのこやってきました。
  でも ここも閉鎖するんだねぇ・・・淋しくなります。」

彼は わたしの書き込みをすごく喜んでくれた。

 「おっ!生きてたか?!(笑) 心配してたぞ。
  けど 嬉しいなぁ。 こうやって また 会話?できるって
  また 来いよ!!」

そうこうするうちに 彼とわたしだけのBBSになっていく。

わたしは この一ヶ月の近況報告をかねて ある日記のアドレスを
彼に教えた。

そこには 弟の発病入院、子どものいじめ、腫瘍手術、不登校問題
わたし自身の近況など 書いていた。

 「むかつくぞ。いじめは・・・俺だったら アンみたいに手ぬるくないよ」
・・・と真剣に怒ってくれ

 「手術、成功するといいね。 とにかく乗り切るしかない・・ね。」
・・・と暖かく励ましてくれた。

                           つづく



2002年09月04日(水) 終止符・1

 ネットで遊び、ネットで関わった人達との思い出は
今も私の中で重要な位置をしめている。

その中でも 特に忘れられない人がいる。

ネットと現実のハザマで 息切れし 苦しむ私を
いつも そっと見つめてくれていた人。

励まし 笑わかせてくれ 楽しい夢を見せてくれた人。

わたしは 彼のためにだけ 自分のHPを続けた。
本音を言えば 来て欲しくない人もいたし、
彼だけを独占できれば 他になにもいらなかった。

彼が他の人とジョーク言い合うのも嫌だった。

ある日 色んなことで限界に達していたわたしは 
一端 HPを閉じることにした。
そして ネットもやめることに・・・

しかし、一ヶ月もしないうちに また舞い戻ってしまう。

その頃、
彼のHPは まさに閉鎖しようとしているところだった。

わたしは 悩んだ。
でも やはり 彼のことが好きで 好きでたまらない自分がいる。
もう一度 彼と話したい気持ちで一杯になっていた。 

                           つづく





Blue Moon Rain より

MIDI 硝子の月 by LUNA

http://www.phoenix-c.or.jp/~lululu/rain/index-r.htm


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