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2005年10月01日(土) |
『ロキソニンは夜間頻尿を改善する?』 |
『ロキソニンは夜間頻尿を改善する?』 という感じの2つの論文を斜め読みする。
ロキソニンはメジャーな鎮痛剤である。NSAIDsのprodrugである。 その作用はプロスタグランジンの生成阻害であり、他のNSAIDs同様である。 この手の鎮痛剤は、連用で胃腸障害がおこりやすいのはよく知られていることである。
その1;『夜間頻尿に対するロキソプロフェンの効果 あらき腎・泌尿器科クリニック 荒木徹(日本臨床泌尿器科医会 第3回臨床検討会記録集より)』
前立腺肥大の治療として主にαブロッカー投与している人で、夜間頻尿が2回以上の人に、就寝前ロキソニンを1T投与した。 著効・有効を含めると74.2%に効果あり。 夜間頻尿のためαブロッカー以外に、抗コリン剤とか、三環系抗うつ剤を処方する症例もあるのだが、これらの無効例にも30-40%効果あり。 神経因性膀胱患者に対しても、80.6%有効であった。 また投与をやめたあとでも1割くらいは効果が継続しているとも書かれている。
こういった夜間頻尿患者には高齢者が多いので、連用には注意が必要なので、 効果があるとわかれば、いざというときの屯用を進める、と、著者は述べている。
で、ロキソニンの夜間頻尿に対する効果は以下の4つが推測されるそうだ。
①腎での尿生成抑制 ②下部尿路に対する鎮静 ③尿意に関する神経の中枢での抑制 ④脳における睡眠覚醒コントロール
もう一つの論文。
その2;『Effectiveness of an anti-inflammatory drug,loxoprofen,for patients with nocturia. MOTOAKI SAITO et al(International Journal of Urology(2005)12,779-782)』
こちらは15名の(前立腺肥大and/orOAB)の方に、現行の治療でも夜間頻尿改善しないのでロキソニンを眠前に内服して7日後に評価したところ、 著明7、改善6、変化なし2という好成績を得たというものだ。 著者らはロキソニンの効果は、主に夜間の尿の産生を抑えることであり、膀胱容量には影響していない、と、述べている。
へえ~っ。
もしかしたら夜尿症とかにも効くのかもしれないが、対象が小児のため、なかなか使えないか。 インダシン座薬も効いたとどちらかの考察に書かれており、高齢者に対して座薬とかはもしかしたらいざというときのチョイスはありかもな、などと思いつつ。
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