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2002年11月22日(金) |
2002年9月集計のオキサロール注使用成績調査中間報告(中外製薬)より |
オキサロールはH12.9発売された静注型ビタミンD3誘導体である。 当院でも10人くらいは使用しているのではなかろうか? この薬が出るまでは、二次性副甲状腺機能亢進症に対してはビタミンD3の経口・経口パルスがメインで、その先はPEITやPTX(副甲状腺全摘)しかなく、なかなか治療困難な症例も多く存在していた。
発売後、二次性副甲状腺機能亢進症に対して、多施設で使用されているがその決まったプロトコールは未だ確立されていないのが現状である。
今回発売2年を過ぎ、上記のような中間報告が出された。 これが全国の施設の現状であるので、ある程度参考になるかな、と思いながらやっと目を通したので感想も含めて報告する。
1.副作用 ・副作用として高Ca血症(Ca11.5mg/dl以上)が19.29%に認められた。 この出現は投薬4週以内が24.6%と最も多く、投与初期の注意が必要であると思われる。 Ca上昇すると、投与量を減量または中止するのがもっとも効果的である。
2.炭酸カルシウムの影響は? ・高Ca血症と透析患者さんのほとんどが内服していると思われる炭酸カルシウム製剤(カルタン)の影響は、統計学的には有意差を認めなかったそうである。
しかし、オキサロール投与によりCa11以上になれば、リンの値を見ながら、炭酸カルシウムも減らせる人は減らすようにしているのが、当院の現状である。 ちなみに当院でのリンコントロールは、P値だけでは、6.0以下を目標にしている。これでもまだ難しい人が多いのが現状である。
3.オキサロールの使い方
初回投与 ・iPTH500以上 10*3が62.6%と最多 減量はもとの容量の50%量を調整する場合が多かった ・iPTH500未満 5*3が78.3%と最多 減量はもとの容量の50%量を調整する場合が多かった
改善率 ・iPTH500以上 投与4週で51.2%で低下率30%以上の改善 ・iPTH500未満 投与4週で46.4%で低下率30%以上の改善
効くのは効くということである。 この報告では24週後までの追跡調査であるが、長期成績、また、減量の仕方に関してはまだまだこれからの段階である。 この報告では1回投与量を半分に減量してゆくやり方が最も多いとのことである。
4.個人的感想 ・個人的には、リンのコントロールがうまくできていない人をどうするのか、どこまで下げるのか(巷では120とか150とか言われている、中外は150を目安にしている)、低Ca透析液を使用しなければならないのか?などが疑問点である。 早くCa上昇のないP吸着剤(リナジェル)が出てくれることを切望している。
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