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2002年05月13日(月) 透析患者さんの通院支援

高齢の透析患者さんが増え、歩くのもやっとという人達が透析を受けなければならない機会が増えてきました。
透析は週3回、一回約4時間の労力を要するわけです。
通院は非常な労力だと思います。家族に頼る人、通院支援を頼る人、タクシーを利用する人。
そういった人の割合がどんどん増加しています。

2002年5.6月号の『全腎協』を読んでいると、送迎事業所が全国で33カ所になったというグラフと、通院送迎に対する座談会が掲載されていました。
送迎事務所は、ボランティアによるもの、ある程度の実費を取ってするもの、送迎以外の事業も入れてNPO法人としてされているものなど、いろいろあるようです。

残念ながら、当院では、送迎は諸事情により行えてはいません。

『通院介護支援事業を広げるために』という座談会からの引用を

『今の介護保険は「移動の権利」ということを全く考えてないんだよね。
寝たきりになって、うちの中で何もできない人を何とか介護するんだみたいな発想なんだけど。人間は外にでて自由にいろいろなところに行きたいという欲求もあって、それを保証するという考えが、抜けちゃってるんだよね。それは生きているとはどういうことかという人間の尊厳に関わることです。』
(板橋通院サポートセンター・さくらの会会長・糸賀久夫氏の発言より抜粋)

そのあとも続くのですが、
自分も常々、透析医療にとって、通院・食事・透析は三位一体だといつも考えています。
だから、食事治療を保険からとった行政の考え自体に?を感じるし、介護保険と医療保険とを区分するという考え自体にも疑問を感じます。

一人暮らしの人達の通院を含めた生活支援が何らかの形で充実してゆかない限りは、みんなでみんなの足を食べるタコみたいな感じになって、進歩はないんじゃないのかな、と思います。

自分たちもいろいろ考えてはいるのですが、なかなか良いアイデアが浮かばず、日々、迷走しているのが現況です。


2002年05月01日(水) 我が国の2001年の腎移植統計

腎移植登録集計の2001年度の統計報告が、日本移植学会雑誌の2002年第2号に掲載されていました。
概要だけ報告いたします。

総数702件。生体腎551件、献腎135件、脳死体腎16件でした。

わが四国ブロックでは、愛媛県での症例数が圧倒的に多く、46件で、次は高知県の8件となっております。
なお、愛媛県での内訳は、市立宇和島病院35件、愛媛大学8件、県立伊予三島病院2件、となっております。
そういった点からは、愛媛県の移植というのは全国的にも誇れるといってもいいと思います。

当院で、透析をされていた方も、昨年1名、愛媛大学で生体腎移植をされ、先日もお元気な顔を見せて下さいました。
この5月にも、愛媛大学で一人、生体腎移植をお願いすることになっています。

腎不全に対する治療は、血液透析・腹膜透析・腎移植のどれがベストと、はっきり言うことは出来ませんが、(末期腎不全にならないのがもちろんベストです!)、どの治療でも近年、飛躍的に成績は向上しております。

また、再生医療とかも日進月歩の勢いで進んでいます。
でも、病気は予防から、そして、病気になったら、医者とか看護婦任せにしない、これが重要です。
それと、生き甲斐を見つける。この3点でしょう。

そして、みなさん患者さんの一人一人が、病気と真摯につきってゆくこと、それがもっとも大事だと思います。

2002/05/01 9:36:13


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