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2002年03月26日(火) アメリカの医療形態(managed care)の講演を聴く

 日医総研の主任研究員の江口成美氏の話を医師会館で聴く。
 アメリカの医療の形態である、マネージドケアの話だ。
 日本医師会は、マネージド・ケアには反対の立場だが、得るものはあるという、なんだか妙な、県医師会・村上会長の前説で講演は始まった。
 アメリカ人の34%は民間保険と契約を結び、その保険会社と契約した医師に診てもらうというのが、そのシステムの概略だ。
 つまり、コスト抑制のために、サービスの種類・内容・犯胃を保険会社が決め、顧客である患者も、診る側の医師も保険会社を媒体として医療を提供し提供されるといった形態である。
 ただ、患者の選択権が限定されるので、現在はPPOというよりアクセス権の自由度の高いものに移行しているとのことでしたが、
 その進んだ方法も今では息詰まっており医療コストは上昇しているらしい。
 病院側もよりコストを上げるために、日本でもはやりのクリニカル・パスを導入したり、入院日数を減少させたりと、努力はしているそうだ。

 ここからは僕の感想;
 日本のマスコミも日本の医療は金食い虫だとか言っているが、充分回復していない患者を、入院日数の規制のために、早期に退院させている例はいくらでもあるのも事実だ。
 確かに企業が参入するとコスト削減にはつながるかもしれない。
 でも医師の裁量権をどんどん奪って、小さな病院では手術が行えないように国が誘導するのもどうなのかな?
 夢とか希望も、経済的基盤なしには考えられなくなり、なんか閉塞感ばかりがましてゆくような感じを抱いた。
 患者さんの意識改革をふまえて、日本の医療制度を見直して欲しいものだと切実に願う今日この頃でした。


2002年03月23日(土) 透析医療の改正(改悪?)についての私的意見

この4月(2002.4)から医療費の改正がまたあります。
というか医者にとっては診療報酬の改正(改悪)とでもいうべきものです。

結局、患者負担増と、医療機関につけが回ってきたのですが、
『聖域なき構造改革』といった手前、きちんと落とし前をつけて欲しいですね!
小泉さんも、最近あんまり派手なパフォーマンスもされないようですが、
何考えてるんでしょうね?

透析に関しては、まず患者さんの食事代の廃止と、時間に関係なく手技料が一本化されたというのが大きな柱です。
これは、結局患者負担を増やすという目的が一つと、
食事は治療(少なくとも私はそうずっと考えていました)ではないという見解として受け取りました。
第2の手技料の一本化に関しては、経営的にはじゃあ時間が短ければ短いほど儲かるって事じゃない、
と解釈せざるを得ません。
日本透析学会のデータによると、我が国の平均透析時間が一回4時間強となっており、これでもまだ充分な透析とは言えないと述べられています。
それを短時間化に向けて誘導するような点数の一本化は、透析の劣悪化にしか結びつかないと思います。

そうなって、我が国の透析の質が落ちる(というかはっきり言うと患者さんが死んでゆく率が高くなる)と、いったい誰が、誰を信じていいのか、そんなことさえ思います。

戦後、闇米を食べず死んだ、偉い、裁判官だったか、判事だったかおられましたけど、
あの逆で経営できない状態になっても良質の医療を提供するためには、死ねというのでしょうか?
今回は私的意見がずいぶん盛り込まれたものとなってしまいましたが、
どうせ、個人のホームページですので、ご容赦を。


2002年03月20日(水) 避妊・性感染症の教育不十分(朝日新聞3月20日)を読んで

朝日新聞3/20分に『避妊・性感染症の教育不十分』という記事が掲載されていた。
西日本の小中高校にアンケート調査して計534校からの回答を集計している。
性教育に関しては小中高とも行われているが、最も多いのは高2の年平均4.3時間。
8割の小学校ではAIDSについても教えているというから世の中進んだものだ。
しかし、まだ中学生の段階では、避妊とか性感染症とかコンドーム使用法を教えていないところが多いようだ。

厚生省の大学生へのアンケート調査で、セックスの初体験は高校末から大学に入り立ての頃が最も多いとされていたのだが、
この調査では、高校生に対してではあるが、教師の方は中絶とかコンドーム使用法を教えた方がいいと考えている教師は7割に対して、そこまでしなくてもいいという保護者は半数以下で、ギャップが目立ったとしている。
高校生でセックスしてもいいと子供たちの大半は考えており、親のほとんどは望ましくないと考えている。

という風ないわゆるジェネレーションギャップをどう考えるのか?
難しいところですね。
でも、セックスはその個人同士が一応合意のもとでするのですから、とにかく、Safety sexを心がけるようにと、
医者としてはいうしかないですね。
うちの患者さんにも、やるのはいいけど完璧になおしといてよ。それと、もし連絡のつく相手なら(ナンパした女の子とかの場合)、教えてやるのが男ちゅうもんだぜ、というふうに話しております。

個人としてどう思うか、この状況を。
自分の子供に対してじゃあどう言えるのか?
こいつに対しては保留させてください。
答えを探してるところです。


2002年03月12日(火) 淋菌性咽頭炎の話題

淋菌性咽頭炎は、オーラル・セックスを行う風俗業の出現とともに、増加していることも事実です。
 いわゆるファッション・ヘルスですね!

 しかし、そのおおもとには、オーラルセックスというもの自体がセックスの一形態として、世の中に非常に浸透しているという事実があります。
 そのため、こういった事態が生じているのです。
 これをどうとるかは、正直言ってコメントしづらいところですが、最近の若い人はほとんどオーラルセックスをされているといって間違いないと思います、それも日常的に。
 なんか想像してしまったあなた、でもしょうがないですよね。
 ああ、なんか僕も今想像してしまった。
 それと比較して、アナル・セックスの浸透率は、HIVとかとも関係して今ひとつのようですね。
 
 一般的に、女性が淋菌性子宮頚管炎と咽頭炎になって、投薬を受けるとします。
 その場合、たとえ、子宮頚管炎が治癒しても、咽頭炎は治癒しない場合が多いといわれています。
 つまり治りにくいということです。
 その原因についてはよくわかっていませんが、一説では、咽頭内の常在菌の多さが関係しているといわれています。
 
 また、いつも書くことですが、
 淋菌性子宮頚管炎も無症状のことが多いのですが、
 咽頭炎はもっと無症状のことが多く、これも感染に拍車をかけているといわれています。
 そして、菌の検出も難しいため発見が遅れるといったこともあげられています。
 あるデータでは淋菌性子宮頚管炎と診断された女性のうち72%から、咽頭淋菌が検出されたとのことです。

 日本性感染症学会が淋菌治療のガイドラインを発表していますが、これが患者さんをきっちり来院させるという要素をふまえるとなかなか難しいんだよね。
 すぐこなくなる野郎どもが結構いるしね。


2002年03月11日(月) この日記は『医学エッセイ風』に決定!

この日記は
『医学エッセイ風』というより
『医学よもやま話』的なものにしようと
本日決定いたしました!
新聞にもいろんな細胞再生医学とか、新しいネタはいくらでも転がってるけど
自分の備忘録としても活用したいと思います。
もし、ちゃんとまとめた形にする時には、
それなりに手を加えて
本編の方に掲載しようと考えています。
何せ時間がないので、思ったことを殴り書きって感じの
不定期掲載になることと思います。

意見ください。


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