Deckard's Movie Diary index|past|will
名匠フランク・キャプラにアカデミー監督賞をもたらした戦前の名作『オペラハット』。ゲーリー・クーパーをアダム・サンドラー、ジーン・アーサーをウイノナ・ライダーでリメイクした『Mr.ディーズ』。今回の監督は同じくサンドラー主演のコメディが中々評判の良かった『リトル・ニッキー』のスティーブン・ドリル。アダム・サンドラーはアメリカではトム・クルーズと並ぶ人気男優ですが、日本では冴えませんねぇ(苦笑)内容はラブコメです。出来も問題ありません。前半ちょっとモタつきますが、十分に楽しめます。例えば、金曜の夜にカップルで観て、「あー!面白かった!で、ちょっと飲んでく?」「うん♪」ってな感じにはもってこいの映画でした。言い方を変えれば、この映画を観て細かいところにツッコミ入れて「どうなん?」とか言うような人は最初から間違ってると思いますよ(笑)この日はレディース・デイだけあって館内は女性客で賑わってました。概ね満足していかれたんじゃないでしょうか。チョイ役のブシェミも相変わらずの怪演でしたけど、ナント言ってもジョン・タトゥーロ!素晴らしいッス!
『銀幕のメモワール』・・・この映画の原題は『リザ』。ヒロインの名前です。で、この原題と邦題の違いがこの映画を象徴しています。つまりですね!邦題も『リザ』とするほどには、ヒロインが主人公のような感じがしませんし、逆に『銀幕のメモワール』でもシックリこない。結局どっちつかずの映画になっています(苦笑)ひとつの映画で話を膨らませすぎて焦点がボケてしまい、ちょっと勿体無いんですよ。けっこう面白い話なんですけどねぇ・・・。それにしてもホロコーストモノばっかりで、いくらなんでも食傷気味(バチあたりな発言です)。だけど、ラストのリザの行為はどうなんでしょ?リザがそのような行為に及ぶ気持ちも分かりますが、あの彼女にだって言い分はあるワケです。何が正しくて何が間違いなのか?それがワケわからなくなるのが戦争です。何が正しかったのかが分かってから映画を作って、そういう行為をリザにさせる。だったら今現在のリザはその行為を恥ずべきだと思うのですが・・・・オレが可笑しいのかな(苦笑)どういうワケか、ブノワ・マジメル・・・マトモでした(爆)
一昨年に引き続き、またまたカンヌのパルムドールを受賞したピアニストもの(昨年の『ピアニスト』は激怒したなぁ・・・苦笑)今回の邦題は『戦場のピアニスト』。監督はロマン・ポランスキー。とても丁寧な作りで、しっかりと映画を観た気にさせてくれる堂々たる作品でした。どうもポランスキーという監督は自分にはシックリ来なくて、初期の作品『水の中のナイフ』とか『反撥』『ローズマリーの赤ちゃん』とかは好きなんですが、『チャイナタウン』辺りから・・・う〜ん・・・という感じで最近の『フランティック』『赤い航路』『ナインス・ゲート』なんてのは全く良さがわかりませんでした(苦笑)。しか〜し!今作は良かったです。特に圧巻だったのは空腹のまま将校の前で弾くシーン。自然と目頭が熱くなりました。その前のチェロの音色で「ああ、やっぱり音楽はいいなぁ・・・」と、ズーっと続いていた救い様の無い描写から癒されていたのですが、その空腹のままのシーンは、音楽の持つ『力』を感じさせてくれました。彼の生きてきた道程が表現されているようで、とても切なかったです。ポランスキーは全ての対象と一定の距離を保ち、実に淡々と描いてます。それは事実を過剰な思い入れで台無しにするのを避けているような気もしました。それだけこの題材に大きく心を動かされていたのでしょう。惜しいのはラストが蛇足気味なんです。もっとスッパリ終わって欲しかったかも・・・ボソ。それにしても「音楽」って偉大だなぁ♪
イタリア文学の最高傑作とも言われている『天が落ちてくる』の映画化『ふたりのトスカーナ』。第2次大戦下、両親を事故で亡くしたペニーとベニーの幼い姉妹が伯父夫婦の元で過ごしたひと夏の物語。忍び寄るナチの影の下、そんな事はお構いなしに子供同志は元気一杯!ところが・・・。引っ張って、引っ張って、結局そういうオチなんですねぇ。ちょっと嫌だったなぁ・・・似たような印象を持った映画がありました。もっと強烈でしたけど『鬼が来た』。つまり、観客を裏切り過ぎ・・・と言うか・・・まぁ、そういう感じ!(わかるよねぇ〜)。あ、そうそう!伯父さん役の『カストラート』『ベートーヴェン』のイェルーン・クラッベがいい味出してます。それにしてもイザベラ・ロッセリーニはバーグマンに似てきましたねぇ。っつーか、バーグマンの母親のような貫禄を感じるなぁ・・・ボソ。
江戸川乱歩賞受賞原作の映画化『13階段』。監督は役者の間を生かすのが上手い長澤雅彦。前半はその間を生かした演出が効果的で「命」や「死刑」について観客を神妙な気持ちに導いてくれます。山崎、反町、宮迫と役者陣も抑えた演技でいい味を出してます。ところが、後半!どういうワケか全く別の映画になってしましいました(苦笑)肝心な部分の話は全くの説明不足なのに、お涙ちょうだい部分ばかりはダラダラと語る。おまけに(~-~;)ヾ(-_-;) オイオイ…とツッコミたくなる奇跡まで起きちゃって、失笑もの!前半は重厚な人間ドラマを期待させてくれたのに、後半はまるで安手の2時間ドラマ!情けない!これじゃ、頑張った役者も浮かばれませんねえ!ま、こうなったのもキッカケはフジテレビ!ってことでしょうか(爆)
中東の映画かと思っていたら、なんと監督が『パトリオット・ゲーム』や『ボーン・コレクター』のフィリップ・ノイスだと聞いて、へー!(だからナニ?)って思った『裸足の1500マイル』。豪原住民だったアボリジニを扱った映画です。本作は豪アカデミー賞を受賞したらしいんですが、それほどの映画とは思えませんでした。2400キロを逃げるんですけど、ぜ〜んぜん大変な感じがしないの!だって2400キロを歩くっつーたら、北海道から九州まで歩く!っつーコトなんですよ!でも映画の中での印象はせいぜい東京駅から八王子っつー感じ?だから、それなりに色々あるんですけど、ただのエピソードにしか見えない。ひとえに監督の力量不足!子供たち目線の大自然ショットはあるんですけど、子供たちが大自然に中にポツン・・・みたいな映像が一つもありません。ロングショットの使い方がメチャメチャ下手なんですよ。通過点でばかりで話しを描いてるから、時間が過ぎない。だから2400キロの大変さが全く出ない!というコトだと思うのですが・・・。ただ、大自然の中で聞こえてくるような音(あくまで想像)の作りは良かったですねぇ。ピーター・ガブリエルの音楽と相まって、エンディング・ロールは気持ちよかったぁ(苦笑)
さて、気になっていた2本の映画が始まりました。1本目はあの『羊たちの沈黙』『ハンニバル』に続く『レッド・ドラゴン』!今回の監督はスピルバーグに見出され、『ラッシュ・アワー』『天使のくれた時間』で手堅い作品を送り出してきたブレット・ラトナー。ぶっちゃけ(苦笑)普通に面白かったです。まぁ、あんまり期待していなかったらかもしれませんけど、凡百のハリウッド映画が溢れる中、この作品は観客を十分に楽しませてくれます。しかし、あまりに普通過ぎる展開と演出。そこがモノ足りません。前作のリドリー・スコットの『ハンニバル』はジョナサン・デミの『羊たちの沈黙』から抜け出て、リドリーならでは(成功していたかどうかは別)の演出をしていましたが、今回は全くデミ版の亜流です。ただ、芸達者の役者陣の演技だけでも十分楽しめますから、まぁ、いいかぁ!っつー感じでしょうか。わかったコトはレクターには牢屋が似合う!ってコトかな(苦笑)
今や、デンゼルやフリーマン等と並ぶ黒人トップスターサミュエル・L・ジャクソンが製作に名を連ねる『ケミカル51』。サミュエルの他、ロバート・カーライル、リス・エヴァンス、エミリー・モーティマーと魅力ある役者が揃っています。ところが、この映画はとても規則正しくラストに向かって失速していきます(爆)“POS51”という究極のドラッグをめぐる話なんですけど、本編は全く飛べません(爆)せいぜいレタスを究極まで煮た程度(ナンだよソレ!)です。映画を観る前に観た人から聞いた映画評は、
『プラットホーム』が全然ダメだったんですけど、ベルリン、ヴェネチア、カンヌの3大映画祭を制したジャ・ジャンクーの新作なので、もう一回だけTRYしました。『青の稲妻』。やっぱりダメでした(苦笑)本当に面白いんですかぁ?オイラには全く理解出来ません。オイラにはヘタクソにしか感じないし、汚くて貧乏臭いし、リアルであるコトがそんなに素晴らしいのか?この監督のリアルさは、その生活をそのまんま撮るというだけのコトじゃないのかなぁ・・・。だいたいシーンが変わる度に何で煙草ばかり吸ってるんだ?煙草を吸わせなければ何かしらを表現出来ないのか?中国のゴダールと言われるてるようですけど、オイラにはわかりません。まぁ、ゴダールも超苦手ですけど(爆)おそらく、もう二度とこの監督の映画は観ないでしょう。
高校生くらいの若者が「どうする?」「やっちまうしかナイだろ!」こんな会話の後に、徐にテーブルに置かれる一丁の銃。そして当たり前のように手にする。ハリウッド映画で何度か観た光景です。まぁ、銀行口座を作るだけでライフルがもらえる国ですから、銃なんて見慣れているだろうし、幼少の頃から家庭によっては手になじんでいるモノなのかもしれません(苦笑)。オフ会で「チャカ持って行ってもいいの?」な〜んて、可愛いモンですよ(爆)“こんなアメリカに誰がした?”『ボウリング・フォー・コロンバイン』です。個人的には何故にアメリカがこれだけの銃社会になってしまったのか?という部分をもう少し説明して欲しかったですし(開拓時代から、排除するべき相手から身を守る(恐怖観念)為のモノってコトなんでしょうけど・・・)、それに話が少し散らばり過ぎた感じもしますが、製作途中で新たな事件も勃発して、まさに進化するドキュメンタリーとして素晴らしい作品に仕上がっています!結局、アメリカが愛して止まないフロンティア・スピリットは脅迫観念と背中合わせになっているワケですね。そのように考えると、歴史がなく伝統のない国は自分達の拠り所が無いだけに、結果、誰も信頼出来ない!ましてや肌の色の違う奴なんて!というコトになるのでしょうか?ヘストンのよぼよぼの後ろ姿が象徴的しているように、アメリカという国は存在自体が怯えきったアルツハイマーみたいな国家なのかもしれません。ナンだか哀れだなぁ・・・・。それにしても!カナダという国がアレほどまでの『大いなる田舎天国』だなんて知りませんでした。羨ましいかも〜。また、ルイ・アームストロングの♪この素晴らしき世界♪にのせて描いた映像が『グッドモーニング・ベトナム』のバリー・レビンソンはリリカルなベトナム戦時下の米兵をバックにしたのに対して、この映画ではアメリカの殺戮の歴史がバック映像でした。映画作家とドキュメンタリー作家、マイケル・ムーアとの違いなんでしょうか?まぁキューブリックの『博士の異常な愛情』のラストを思い起させるシーンでもありますが・・・。個人的にこの映画の好きなところは、監督のマイケル・ムーアのキャラクターもなのかもしれませんが、取材する全ての対象(否定派、擁護派問わず)に愛情が感じられるところです。しか〜し!クソ評論家の木村奈保子は「それなりに意味があるが、分析力は各国比較の数字的説明にとどまる。生身のヘストンの不快な怒りの態度を映像にし、知名度を利用したかのような、作り手のあざとさが気になる」とかホザいてるんですけど、どーしてこういうアホな輩がいるんでしょうか?バカ丸出しじゃん!ぶっ殺されたい?(爆)
デッカード
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