Deckard's Movie Diary
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2003年02月26日(水)  Mr.ディーズ

 名匠フランク・キャプラにアカデミー監督賞をもたらした戦前の名作『オペラハット』。ゲーリー・クーパーをアダム・サンドラー、ジーン・アーサーをウイノナ・ライダーでリメイクした『Mr.ディーズ』。今回の監督は同じくサンドラー主演のコメディが中々評判の良かった『リトル・ニッキー』のスティーブン・ドリル。アダム・サンドラーはアメリカではトム・クルーズと並ぶ人気男優ですが、日本では冴えませんねぇ(苦笑)内容はラブコメです。出来も問題ありません。前半ちょっとモタつきますが、十分に楽しめます。例えば、金曜の夜にカップルで観て、「あー!面白かった!で、ちょっと飲んでく?」「うん♪」ってな感じにはもってこいの映画でした。言い方を変えれば、この映画を観て細かいところにツッコミ入れて「どうなん?」とか言うような人は最初から間違ってると思いますよ(笑)この日はレディース・デイだけあって館内は女性客で賑わってました。概ね満足していかれたんじゃないでしょうか。チョイ役のブシェミも相変わらずの怪演でしたけど、ナント言ってもジョン・タトゥーロ!素晴らしいッス!


2003年02月24日(月)  銀幕のメモワール B−52

 『銀幕のメモワール』・・・この映画の原題は『リザ』。ヒロインの名前です。で、この原題と邦題の違いがこの映画を象徴しています。つまりですね!邦題も『リザ』とするほどには、ヒロインが主人公のような感じがしませんし、逆に『銀幕のメモワール』でもシックリこない。結局どっちつかずの映画になっています(苦笑)ひとつの映画で話を膨らませすぎて焦点がボケてしまい、ちょっと勿体無いんですよ。けっこう面白い話なんですけどねぇ・・・。それにしてもホロコーストモノばっかりで、いくらなんでも食傷気味(バチあたりな発言です)。だけど、ラストのリザの行為はどうなんでしょ?リザがそのような行為に及ぶ気持ちも分かりますが、あの彼女にだって言い分はあるワケです。何が正しくて何が間違いなのか?それがワケわからなくなるのが戦争です。何が正しかったのかが分かってから映画を作って、そういう行為をリザにさせる。だったら今現在のリザはその行為を恥ずべきだと思うのですが・・・・オレが可笑しいのかな(苦笑)どういうワケか、ブノワ・マジメル・・・マトモでした(爆)

 『アメリカの、アメリカによる、アメリカのための、殺戮兵器』という原題のドキュメンタリー映画『B-52』です。悪くないですよ。音楽とか全くないのでちょっと眠たくなりますけどね(苦笑)ただね、個人的にはもっと“男の子”的な部分も期待してたんで、ちょっと物足りない・・・っつーか、この監督ってB−52自体に愛着はないんでしょね。いや、つまりね!良く言うじゃないですか!母親とか女性が「男の子ってホント、飛行機とかピストルとか好きよねぇ(´―`)┌ ヤレヤレ…」みたいな。そういうプロダクトとしての魅力(例えば胴体に対して鋭角的に広がる主翼とか)とか、もっと追求して欲しかったんです。ベトナム戦争の話とか、ちょっと的外れに感じてしまいました。B−52を主演に迎えたのだから“反戦”の話になるのは分かりますけど・・・制作者側の方が正しいとは思うんですけど・・・やっぱなぁ!軍備開発に対する批判されてもさ、男の子としては「ちょっと違う〜」ってなっちゃうんですよ〜。兵器としての驚異的な威力(例えば搭載出来るミサイルや爆弾を一度に見せてくれるとか)不謹慎なんですかね?第2次世界大戦のB−17、B−29、そしてB−52と続くアメリカの傑作爆撃機としての頂点の物語とか、生まれた背景から今日までの栄光が生んだ悲劇!だけでいいと思うのですが、話が巨大化した軍事産業への批判にまで及んだりするのは、なんだか場違いな感じがしてしまいました。ま、オイラが可笑しいんでしょう(自爆)


2003年02月21日(金)  戦場のピアニスト ホワイトオランダー

 一昨年に引き続き、またまたカンヌのパルムドールを受賞したピアニストもの(昨年の『ピアニスト』は激怒したなぁ・・・苦笑)今回の邦題は『戦場のピアニスト』。監督はロマン・ポランスキー。とても丁寧な作りで、しっかりと映画を観た気にさせてくれる堂々たる作品でした。どうもポランスキーという監督は自分にはシックリ来なくて、初期の作品『水の中のナイフ』とか『反撥』『ローズマリーの赤ちゃん』とかは好きなんですが、『チャイナタウン』辺りから・・・う〜ん・・・という感じで最近の『フランティック』『赤い航路』『ナインス・ゲート』なんてのは全く良さがわかりませんでした(苦笑)。しか〜し!今作は良かったです。特に圧巻だったのは空腹のまま将校の前で弾くシーン。自然と目頭が熱くなりました。その前のチェロの音色で「ああ、やっぱり音楽はいいなぁ・・・」と、ズーっと続いていた救い様の無い描写から癒されていたのですが、その空腹のままのシーンは、音楽の持つ『力』を感じさせてくれました。彼の生きてきた道程が表現されているようで、とても切なかったです。ポランスキーは全ての対象と一定の距離を保ち、実に淡々と描いてます。それは事実を過剰な思い入れで台無しにするのを避けているような気もしました。それだけこの題材に大きく心を動かされていたのでしょう。惜しいのはラストが蛇足気味なんです。もっとスッパリ終わって欲しかったかも・・・ボソ。それにしても「音楽」って偉大だなぁ♪

 確かにミシェル・ファイファーは良かったです(だから?) 適材適所という感じのレニー・ゼルウィガーでしたけど、あんなにアッサリ〜って役だったんですね(だから、何?) 言いたい事、伝えたい事はわかります(だからぁ、何なの?)って事ですよ!(わっかんねぇ〜爆)。う〜ん、いい映画なんですけどねぇ・・・ボソ。娘がカリスマ性のある強い母親の腕の中から飛び立つまでのストーリー。良くある『親離れ子離れ』がテーマの映画です。中盤まではかなりレベルの高いところで時は経つのですが、そのまま盛り上がらずにエンドマーク迎えてしまいます。だからメチャクチャ地味!盛り上がらないといけないのか?という疑問もありますが、結局のところあんまりピンと来ないんですよ。どうも製作者側だけが感動しちゃってるような映画でした。


2003年02月20日(木)  ふたりのトスカーナ

 イタリア文学の最高傑作とも言われている『天が落ちてくる』の映画化『ふたりのトスカーナ』。第2次大戦下、両親を事故で亡くしたペニーとベニーの幼い姉妹が伯父夫婦の元で過ごしたひと夏の物語。忍び寄るナチの影の下、そんな事はお構いなしに子供同志は元気一杯!ところが・・・。引っ張って、引っ張って、結局そういうオチなんですねぇ。ちょっと嫌だったなぁ・・・似たような印象を持った映画がありました。もっと強烈でしたけど『鬼が来た』。つまり、観客を裏切り過ぎ・・・と言うか・・・まぁ、そういう感じ!(わかるよねぇ〜)。あ、そうそう!伯父さん役の『カストラート』『ベートーヴェン』のイェルーン・クラッベがいい味出してます。それにしてもイザベラ・ロッセリーニはバーグマンに似てきましたねぇ。っつーか、バーグマンの母親のような貫禄を感じるなぁ・・・ボソ。


2003年02月14日(金)  13階段 トランスポーター

 江戸川乱歩賞受賞原作の映画化『13階段』。監督は役者の間を生かすのが上手い長澤雅彦。前半はその間を生かした演出が効果的で「命」や「死刑」について観客を神妙な気持ちに導いてくれます。山崎、反町、宮迫と役者陣も抑えた演技でいい味を出してます。ところが、後半!どういうワケか全く別の映画になってしましいました(苦笑)肝心な部分の話は全くの説明不足なのに、お涙ちょうだい部分ばかりはダラダラと語る。おまけに(~-~;)ヾ(-_-;) オイオイ…とツッコミたくなる奇跡まで起きちゃって、失笑もの!前半は重厚な人間ドラマを期待させてくれたのに、後半はまるで安手の2時間ドラマ!情けない!これじゃ、頑張った役者も浮かばれませんねえ!ま、こうなったのもキッカケはフジテレビ!ってことでしょうか(爆)

 ガイ・リッチー作品でお馴染みのジェイスン・ステイサム(けっこう好き!)主演、リュック・ベッソン製作・脚本『トランスポーター』。これはツマラン映画でした。何かと言えば「ルール!ルール!」ってうるさいくせにアッサリ自分でルール破るってのが、もうダメ!始まって20分で劇場から出たくなりました。それ以降は延々とマーシャル・アーツ風のアクションが続くので「早く撃っちゃえよ!」とズーっとイライラしていましたが、最後にもう1回くらい運び屋稼業の真髄を見せてくれるんだろうなぁ・・・と、思っていたら、そのまんまヅラの中国人のオッサンをやっつけて終わり!バカみたい。トランクをパンクで開けさせたのなら、ジュースをあげるのも考えればいいじゃないですか!例えばさ、その日をとても熱い日に設定して、最初はガタガタ動いていた荷物が全く動かなくなった・・・突っついても動かない・・・脱水症状で死なせてしまったら元も子もない!で、開けてしまった!とか、ラストはコンテナは何処かに行ってしまい、扉を開けるのには中国人のヅラが必要でヅラを運ぶとかさ(爆)もうちょっと考えろよー!あーあ、ウォルター・ヒルの『ザ・ドライバー』の渋さが懐かしい・・・遠い目。因みにジェイスン・ステイサムは飛込みの元オリンピック代表だそうです。


2003年02月12日(水)  裸足の1500マイル ロベルト・スッコ

 中東の映画かと思っていたら、なんと監督が『パトリオット・ゲーム』や『ボーン・コレクター』のフィリップ・ノイスだと聞いて、へー!(だからナニ?)って思った『裸足の1500マイル』。豪原住民だったアボリジニを扱った映画です。本作は豪アカデミー賞を受賞したらしいんですが、それほどの映画とは思えませんでした。2400キロを逃げるんですけど、ぜ〜んぜん大変な感じがしないの!だって2400キロを歩くっつーたら、北海道から九州まで歩く!っつーコトなんですよ!でも映画の中での印象はせいぜい東京駅から八王子っつー感じ?だから、それなりに色々あるんですけど、ただのエピソードにしか見えない。ひとえに監督の力量不足!子供たち目線の大自然ショットはあるんですけど、子供たちが大自然に中にポツン・・・みたいな映像が一つもありません。ロングショットの使い方がメチャメチャ下手なんですよ。通過点でばかりで話しを描いてるから、時間が過ぎない。だから2400キロの大変さが全く出ない!というコトだと思うのですが・・・。ただ、大自然の中で聞こえてくるような音(あくまで想像)の作りは良かったですねぇ。ピーター・ガブリエルの音楽と相まって、エンディング・ロールは気持ちよかったぁ(苦笑)

 一旦会社に戻って雑用を済ませてから、渋谷にあるシアター・イメージ・フォーラム(2スクリーンで渋谷駅から離れている上に、とてもわかり辛い場所にあります)へ。小生はメインスクリーンで上映している『ロベルト・スッコ』という映画を観に行ったんですが、まだ始まる前だったのでロビー(非常に小さい・・・たぶん4畳半程度)で待っていました。そこへ杖をついたオバァチャン(独断推定67歳)が息せき切って入ってきて、「あのぉ、映画館はこちらですかい?『ノスタルジア』はここでやってるんですかい?』」って聞いたんです。『ノスタルジア』は地下2階のサブスクリーンでやってたんですけど、エレベータは無く、手すりの無い狭くて急な階段しかありません。で、オバアチャンは「アタシャ足が弱くて、これじゃぁ無理だわ・・・」って・・・立ちすくんでるんです。従業員は受付に一人しか居ないし、既に『ノスタルジア』は始まってるし、ロビーで待ってるのは『ロベルト・スッコ』目当ての人だし、それも間が悪い事に調度終ったところで入れ替えが始まってドタバタしてるし・・・で、誰もがどないする?って、頭の中が右往左往している間に、オバアチャンはあっさり帰っちゃったんですよ。あらら・・・もうちょっと何とか出来なかったんかなぁ?自分!自己嫌悪を引きずりながら映画が始まったんですが、最初はちょっと集中出来なかったんですけど、その内すっかり忘れてしまい、映画に没頭している自分がいました。思い返しても、何だかなぁ・・・と、後味の悪い経験でした。次はもう少し頑張ります!(←次はないんだよー!ばかぁ!)

 さて心落ち着かず観た『ロベルト・スッコ』(苦笑)80年代にイタリア、フランスを震憾させた無差別連続殺人犯を主人公にした映画です。この映画はダメです。チラシに「最悪な青春」「凄絶な青春」等と書かれてますが、ふざけるな!むやみに「青春」なんて言葉を使うなよ!つまりね、比類なき凶悪犯の主人公がヘタしたらカッコ良く見えますよ!どう考えたってスッコは最低な人間です。何故スッコがそのような行動を取ったのか?その答えは一切描かれません。もちろん、答えは見つからないでしょう!それでもこのような題材を取り上げるのなら、それなりの覚悟はいると思うんです。簡単に言ってしまえば「監督なら、落とし前をつけろ!」ってコトなんですよ。不愉快!ただ、観るべきシーンは車の走りです(笑)カーチェイス・シーンというとスピード感を強調する為にアップの連続になりがちなんですが、この映画は狙い(ドキュメンタリー風)でロング・ショットを多用しています。それでも十分にスピード感があり、何処へ飛んで行ってしまうのかわからない暴れるような車の走りは、ナイフのような危険な匂いを感じさせてくれます。おそらく、それは主人公の凶器のような心模様の象徴になっているのでしょう。


2003年02月10日(月)  レッド・ドラゴン アレックス

 さて、気になっていた2本の映画が始まりました。1本目はあの『羊たちの沈黙』『ハンニバル』に続く『レッド・ドラゴン』!今回の監督はスピルバーグに見出され、『ラッシュ・アワー』『天使のくれた時間』で手堅い作品を送り出してきたブレット・ラトナー。ぶっちゃけ(苦笑)普通に面白かったです。まぁ、あんまり期待していなかったらかもしれませんけど、凡百のハリウッド映画が溢れる中、この作品は観客を十分に楽しませてくれます。しかし、あまりに普通過ぎる展開と演出。そこがモノ足りません。前作のリドリー・スコットの『ハンニバル』はジョナサン・デミの『羊たちの沈黙』から抜け出て、リドリーならでは(成功していたかどうかは別)の演出をしていましたが、今回は全くデミ版の亜流です。ただ、芸達者の役者陣の演技だけでも十分楽しめますから、まぁ、いいかぁ!っつー感じでしょうか。わかったコトはレクターには牢屋が似合う!ってコトかな(苦笑)

 それにしても日比谷スカラ座はいつから全席指定になったんですか?ちょっと面倒臭いなぁ・・・・。確かに混んでいる時(例えば土日祭とか)はいいのかもしれませんが、普段の日はねぇ。だって、座ってから前の席にデカイ人がいて、空いてるからいいや!って移動したら、そこへ後から人が来る可能性もありますから・・・。窓口で延々と席を選んでいる女性二人連れとかもいましたし・・・。

 続いて、スカラ座から歩いて5分の銀座シャンゼリゼへ。2本目はあのギャスパー・ノエの新作『アレックス』。昨年の東京ファンタスティック映画祭のクロージング作品で、そこで観た人が大騒ぎをしていた映画(苦笑)。ギャスパー・ノエの作品は『カルネ』、そして『カルネ』の完成度をより高めた『カノン』の両作品とも好きですし、この監督の凄まじい心の叫びも、暴力的に迫り来る演出もけっこう気に入ってます。そういう意味でも期待してましたねぇ。「96分の衝撃!ラスト2分の陶酔!」がキャッチ・コピーでしたが・・・どうなんでしょうか?この映画は! 個人的には「なんだかなぁ〜」の映画でした。ストーリーはどうってコトないんですよ。そのどうってコトない話を魅力的に見せようとして、ちょっと変わった手法(『メメント』とは違うと思いますけどね)で描いてるんですが、それが、ハマってるとは思えないんですよ。策に溺れた映画。つまり迷路を作ったら自分が出られなくなってしまった!みたいな映画です。普通だったら悲しい話しなんだろうけど、全くそうは思えません。ただただ暴力的な演出だけしか印象に残りませんでした。結局、ギャスパー・ノエって人は極私的な話をジクジクと告白している方が似合ってるんでしょう。


2003年02月07日(金)  ケミカル51

 今や、デンゼルやフリーマン等と並ぶ黒人トップスターサミュエル・L・ジャクソンが製作に名を連ねる『ケミカル51』。サミュエルの他、ロバート・カーライル、リス・エヴァンス、エミリー・モーティマーと魅力ある役者が揃っています。ところが、この映画はとても規則正しくラストに向かって失速していきます(爆)“POS51”という究極のドラッグをめぐる話なんですけど、本編は全く飛べません(爆)せいぜいレタスを究極まで煮た程度(ナンだよソレ!)です。映画を観る前に観た人から聞いた映画評は、

Aさん「まぁ、それなりの面白いですよ。特には薦めませんが、観てもいいんじゃないですか。」
Bさん「スルーで問題ありませんよ」
Cさん「う〜ん・・・・面白いトコもありますよ。学生が作った映画みたいですけど・・・」

 まぁ、そんな感じの映画です(苦笑)全編に渡って、どこぞ観たような雰囲気だなぁ・・・と、思っていたら撮影にプーン・ハンサン、編集にデビッド・ウーといったジョン・ウー組だったんですね。それにしても、恥ずかしいくらい御座なりの恋愛風味でしたなぁ(爆)


2003年02月05日(水)  青の稲妻 中国の小さなお針子

 『プラットホーム』が全然ダメだったんですけど、ベルリン、ヴェネチア、カンヌの3大映画祭を制したジャ・ジャンクーの新作なので、もう一回だけTRYしました。『青の稲妻』。やっぱりダメでした(苦笑)本当に面白いんですかぁ?オイラには全く理解出来ません。オイラにはヘタクソにしか感じないし、汚くて貧乏臭いし、リアルであるコトがそんなに素晴らしいのか?この監督のリアルさは、その生活をそのまんま撮るというだけのコトじゃないのかなぁ・・・。だいたいシーンが変わる度に何で煙草ばかり吸ってるんだ?煙草を吸わせなければ何かしらを表現出来ないのか?中国のゴダールと言われるてるようですけど、オイラにはわかりません。まぁ、ゴダールも超苦手ですけど(爆)おそらく、もう二度とこの監督の映画は観ないでしょう。

 『中国の小さなお針子』非常に良く出来た脚本だと思う!それなのに心に来るものは無い!これもまた映画の難しいところだ。結局、脚本というのは頭の中で考えられるモノであって、現実ではない。素晴らしい脚本を生かすも殺すも演出なのだ。おそらく、二人の青年に切羽詰った描写、つまり「こんな山の中で一生を終えてたまるか!」のような気持ちなり、行動なりがもっとあれば、この映画は一味も二味も違ってきたのではないかと思う。あまりに牧歌的で楽しそうな風情が、このままの生活でもけっこういいのでは?と思わせてしまうのだ。なんて偉そうなコトを言いましたが、オイラはバルザックもスタンダールも読んだコトはないからなぁ(自爆)ヒロインのジョウ・シュン(この人が主演した『二人の人魚』は傑作ですよ)は南果歩という人や千秋とか言う人もいますが、オイラは永作博美だと思ってます(苦笑)あ、そうそう!リィウ・イエばかりもてはやされますが、ルオ役のチュン・コンもいい男じゃないですかぁ!


2003年02月03日(月)  ボウリング・フォー・コロンバイン

 高校生くらいの若者が「どうする?」「やっちまうしかナイだろ!」こんな会話の後に、徐にテーブルに置かれる一丁の銃。そして当たり前のように手にする。ハリウッド映画で何度か観た光景です。まぁ、銀行口座を作るだけでライフルがもらえる国ですから、銃なんて見慣れているだろうし、幼少の頃から家庭によっては手になじんでいるモノなのかもしれません(苦笑)。オフ会で「チャカ持って行ってもいいの?」な〜んて、可愛いモンですよ(爆)“こんなアメリカに誰がした?”『ボウリング・フォー・コロンバイン』です。個人的には何故にアメリカがこれだけの銃社会になってしまったのか?という部分をもう少し説明して欲しかったですし(開拓時代から、排除するべき相手から身を守る(恐怖観念)為のモノってコトなんでしょうけど・・・)、それに話が少し散らばり過ぎた感じもしますが、製作途中で新たな事件も勃発して、まさに進化するドキュメンタリーとして素晴らしい作品に仕上がっています!結局、アメリカが愛して止まないフロンティア・スピリットは脅迫観念と背中合わせになっているワケですね。そのように考えると、歴史がなく伝統のない国は自分達の拠り所が無いだけに、結果、誰も信頼出来ない!ましてや肌の色の違う奴なんて!というコトになるのでしょうか?ヘストンのよぼよぼの後ろ姿が象徴的しているように、アメリカという国は存在自体が怯えきったアルツハイマーみたいな国家なのかもしれません。ナンだか哀れだなぁ・・・・。それにしても!カナダという国がアレほどまでの『大いなる田舎天国』だなんて知りませんでした。羨ましいかも〜。また、ルイ・アームストロングの♪この素晴らしき世界♪にのせて描いた映像が『グッドモーニング・ベトナム』のバリー・レビンソンはリリカルなベトナム戦時下の米兵をバックにしたのに対して、この映画ではアメリカの殺戮の歴史がバック映像でした。映画作家とドキュメンタリー作家、マイケル・ムーアとの違いなんでしょうか?まぁキューブリックの『博士の異常な愛情』のラストを思い起させるシーンでもありますが・・・。個人的にこの映画の好きなところは、監督のマイケル・ムーアのキャラクターもなのかもしれませんが、取材する全ての対象(否定派、擁護派問わず)に愛情が感じられるところです。しか〜し!クソ評論家の木村奈保子は「それなりに意味があるが、分析力は各国比較の数字的説明にとどまる。生身のヘストンの不快な怒りの態度を映像にし、知名度を利用したかのような、作り手のあざとさが気になる」とかホザいてるんですけど、どーしてこういうアホな輩がいるんでしょうか?バカ丸出しじゃん!ぶっ殺されたい?(爆)


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