どうか、この僕に翼をください
この僕  



 カエルで大騒ぎ

台風だからと寝る前は雨風が酷くて窓に当たる音も寝る間際まで酷い状態だったのは覚えていた。

目が覚めたらすっかり良い天気で、まさに台風一過。もうどの辺へ通過したんだろうと思いながら浜松で新幹線止まっちゃっててと車中の友達からのメールが届いてたのをぼんやり見てたら、1階がなにやら騒がしいことに気が付いた。

階下へ降りていくと両親が雑巾を振り回して大騒ぎしている。
オカンは「カエルが来た」と玄関でぶつぶつ繰り返している。
はぁ?カエル?とへんなのと思いながら台所へ向かい、牛乳を飲んでたら背後から足音がそして「あーそっちへいった」と声が。
はい?と思ったら何かが足の隙間を通り抜けた気がした。
「あーカエル隙間にはいっちゃったわ〜」
「モノどけて追い出して、捕まえるから」
なんか両親が雑巾を手にそれそれ云ってる。
何故か私の手には棒が持たされていた。
棒で隙間の奥をつっくとカエルは勢いよく飛び出してきた。
「オトン、捕まえて」
そしたらなんと雑巾をほり投げてる。
何してんの?と思うより先にカエルは反対側の隙間へ滑り込んでしまった。
「そんなん手でつまかえりゃええやろがっ」
寝起きの不機嫌さも手伝って思わず低い声でつぶやいてた。
両親は当てにならんと思った私の行動は早かった、寝起きの割に。
さっさとモノをどけて飛び上がってるカエルを両手で包む。
あ、コイツ生きてるだ、となんか実感して嬉しかった。
5cmくらいのソイツは私の手の中でぐるぐる鳴いてた。
とんだ災難だったよねと頭を撫でてやって庭に離してやった。
「あーなんでそんなとこで離してんの」
と後ろから怒り気味のオカンの声がする。
思わず、あぁ?と振り向いた。
「もっと遠くへ捨ててこんと、また入ってきて大騒ぎやんか」
なんだそりゃ?と思ったけどめんどくさいので黙ってた。
大騒ぎしてたんは両親でカエルはに迷惑だっただけやんか。
というか、カエル1匹もよう捕まえられんてことはどうなんだと。
私に感謝して欲しいわ、なんで怒られるんやろう。
まさにカエル一過。

2007年07月15日(日)
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