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2009年05月31日(日) ピカ☆ンチ LIFE IS HARDだけどHAPPY

ピカ☆ンチ LIFE IS HARDだけどHAPPY
2002年 日本 堤幸彦監督


こちらのページは、
たまたま検索でいらっしゃった方が大半だとは思うのですが、
書いている本人がパスワード忘れかけるほど久しぶりなので、
一応、御挨拶を……。

大変ごぶさたいたしております。
この1年半ほど、
映画を全く見なかったわけではないのですが、
どちらかというとお笑い&アニメ寄りになっており、
このスペースを利用して書くべきことがありませんでした。

今年に入り、アニメはそこそこのペースで見ていますが、
(いわゆる「大きいお友達」向きが増えました)
お笑いは、よしもとCS「ファンダンゴ」がなくなったのと、
本当に見たい芸人がかなり絞られてしまっているのとで、
ひいきの芸人がDVDを出せば買ったり、
録画しておいたネタ番組のほぼ70〜80%を
早送りして見たりという状況です。
最近は動画サイトもかなり充実していますが、
そういうところを利用してネタを見ることも
めっきり少なくなりました。

そこにとってかわり、
ここ数カ月「ネットで追っかけ」状態なのが
アイドル帝国・ジャニーズ事務所の「嵐」です。

5人が5人、非常にいいキャラクターの持ち主で、
ただグダグダとしゃべっているのを見ているだけでも、
下手なお笑いネタよりずっと楽しめるし、
なかなかいい歌歌っているし
(大野君の歌唱力はかなりのレベル)
「40過ぎてジャニもないよなあ…」という建前を無視し、
素直にファンであることを認めると、大変楽になりました。

本日御紹介する映画は、
その嵐の5人が2002年に出演した
かなりオフビートな青春コメディーの秀作です。
同じくジャニーズの先輩である「V6」のイノッチこと
井ノ原快彦君原案の映画化ということで、
自身も櫻井翔君の兄貴役で出演しています。

5人そろって主演と言えなくもないのですが、
中心人物は、「天才!志村動物園」でもおなじみの
「相葉ちゃん」こと相葉雅樹君で、
ほぼ素という感じのテンションで、
ごく普通の高校生を好演しています。
(その3年後の設定という続編もありますので、こちらも後ほど御紹介します)
タイトルの「ピカンチ」とは、
「ピカイチ」と「ハレンチ」を合わせた造語で、
さらに、団地(だんち)が舞台だからというのも
掛かっているようです。

東京湾の埋立地に造成された
東京最後のマンモス団地・八塩団地。
団地内で大抵の用事が済んでしまう上、
通勤先も周囲の狭い範囲に集中している土地柄で、
シュン(相葉)、タクマ(二宮和也)、ハル(大野智)、
ボン(松本潤)、チュウ(櫻井翔)の仲よし5人組が、
高校最後の原宿行(ナンパ)に出ようと画策していると、
どこから情報が漏れたのか、
団地の住民が大挙して彼らを送り出すという
一幕がありました。
曰く、
「八塩から原宿に行くのは、江戸時代のお伊勢参りに等しい」
とか。

彼らは同じ団地でも住んでいる棟が違い、
境遇も少しずつ違うのですが、
同じクラスになった中学時代からつるみ出すようになった、
愛すべき悪ガキ集団です。
高校3年の夏(厳密にはチュウのみ既に中退)、
今後の身の振り方を考えるべき時期を迎えます。

原宿で一目ぼれした少女への見栄から
大学受験を志すシュン。

料理人である父の意向で、
ベトナム人家庭に託されて修行するボン。

引っ越してきたばかりの少女に一目ぼれするも、
その母親に誘惑されるハル。

貧しい家庭環境に加え、
父親が急に風俗にはまって借金苦に陥り、
母親が家を出てしまったタクマ。

少しずつ、何かが動いていきます。

親、教師、その他もろもろ、
よくも悪くも個性豊かな大人たちを目の当たりにし、
5人はいつも、
「屋形船で酔っ払って羽目を外し、
頭にネクタイを巻くようなダメな大人にはなりたくない」

と思っていましたが、
(このシーンは、続編にも切ない形で効いてきます)
だからって、何をどうしたものか。
そこで、いつもヘラヘラしていたシュンが、
突拍子もない提案をするのですが……。

映画(虚構の世界)だからアリっちゃアリ、
と思えなくもない展開が随所に見られましたが、
井ノ原君の少年時代がもとになっているということなので、
正直、「現実にこんなことしてたらどうしよう」
不安になるようなエピソードもないでもありません。
トッド・ソロンズのブラックコメディーを
彷彿とさせる「笑っていいものか」感も多少あり、
そこが受け付けないという方もおいでかと思いますが、
ただのアイドル映画とは趣を異にする味わいがあります。

演技面で定評のある二宮君は、
やはり無難にうまいのですが、
ほかのメンバーも、上手下手でははかれない魅力があります。
ベタな言葉でいえばコメディのセンスってやつを、
それぞれがその人なりに持っているいるのでしょう。


ユリノキマリ |MAILHomePage