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2001年03月24日(土) マーシア・ゲイ・ハーデンの出演作

2000年度アカデミー賞発表直前ですね。
映画ファンとしては、避けて通れない話題です。

残念なのは、毎度のことですが、ノミネート作品のうち、
発表の時点では半分も日本公開されていないってことです。
ことしはそれでも3本も既上映ですから、上等ですね。
やっぱり本命は『グラディエーター』でしょうか。

今年のキャスト部門のノミニーもまた、助演男優を除き、
最低1人は「既に受賞済みの人」が含まれていますし、
○度目のノミネートという人も結構いますね。
いわゆるアカデミー賞常連というのは確実にいるわけですが、
今までいろいろな映画で、なかなかいいところを見せてきたのに、
受賞はおろか、ノミネートにも結びつかなかった人が
ノミネートされていると、
とりあえずよかったね、と思います。

そこで、助演女優賞のノミニーの1人である
マーシア・ゲイ・ハーデンに注目しました。
名前でピンとこなかったら……

� 屮潺蕁璽此Ε�ロッシング」で
スティーブ・ブシェーミーの性悪の姉
�◆屮侫薀弌次廚如�
ロビン・ウィリアムズのフィアンセ
��「この森で、天使はバスを降りた」で、
夫にばかにされて萎縮していたが、料理上手が見込まれて、
だんだん積極的になっていく田舎の女性
�ぁ屮献隋次Ε屮薀奪�をよろしく」で、
妹に比べてどうも間の悪い、
アンソニー・ホプキンスの長女

この4本のうち、
どれかはごらんになっているのではないでしょうか。
この人のすごいところは、どの映画で見ても、
あのファニーフェイスに変わりはないのに、
それぞれに全く印象が違うということです。

きれいで洗練されていて性格もいいという
「フラバー」みたいな役は、意外と印象が薄い気がします。
挨拶がわりにグズのだめ女のと罵倒されていた「この森で…」の女性と、
悪女を絵に描いたような「ミラーズ…」のあの人が同一人物というのは、
にわかには信じられませんでした。

個人的には、父親ホプキンスの歓心を買いたくて、
一生懸命バースデーケーキを用意したのに、
冷たくあしらわれてしまった、
そんな彼女が見せた泣き笑い顔がすてきだと思いました。
彼女のナイスな夫役がジェフリー・タンバーでしたが、
「ジョー・ブラック…」を昼間見て、
その日の夜に試写会で「メリーに首ったけ」を見たら、
マット・ディロンの悪巧みに加担する役を、同じく
ジェフリー・タンバーが演っていました。
ビバ、脇役スター!って感じですね。

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2001年03月23日(金) 遠い空の向こうに 

1912年の3月23日、ドイツのロケット開発者
フォン・ブラウンが生まれたそうです。
(1977年6月16日永眠)
となれば、ベタだと言われても、
この映画ということになるでしょう。

遠い空の向こうに Octorber Sky
1999年アメリカ ジョー・ジョンストン監督

原作・ホーマー・ヒッカム【ロケット・ボーイズ】草思社


原題は「OCTOBER SKY(10月の空)」ですが、
一説によると、これはアナグラムになっていて、
並べ替えれば「ROCKET BOYS」になります。
原作は、ホーマー・ヒッカムの「ロケット・ボーイズ」
キュートな絵柄の表紙で、日本では上下巻で出版されましたが、
図書館で探すとき、分類に注意しましょう。
文学系の「9」の棚にはありません。伝記系「2」でよろしく。
つまり、ノンフィクションということですね。

炭鉱町で育った、勉強もスポーツもパッとしなかった少年が、
苦手な数学や物理を克服しながら、
石頭の父親に頭ごなしに反対されながら、
ロケットをつくって科学コンテストで優勝し、
奨学金を得て大学進学、そしてNASAの職員に……という、
ある種のアメリカンドリームを手にした人の、
青春時代にまつわる映画でした。

私は、宇宙開発というものに、それほどの興味がありません。
当地からさほど遠くない町で農業に勤しんでいらっしゃるという
元某テレビ局職員の存在は、もはやすっ飛ばされ、
「日本人初の宇宙飛行士」だとされている感のある毛利衛さんは、
人間として尊敬に値する人だとは思いますが、
同時に、「宇宙からの授業」などの模様を見ていたら、
正直、小学生でなくてよかった、などと思ってしまいました。
どんなに毛利さんがありがたいお話をなさっていても、
周りのみんなが目を輝かせて聞いていても、
ある種の感慨は、そりゃあるかもしれませんが、
興味の持てない分野にさも興味津々というふりをするのは、
かなり苦痛でしょう。

でも、この映画はよかったな。
人間の描き方とか、良質の青春映画だけが持つ甘味、酸味、苦み、
そういうものが、非常に好感の持てる形になっていました。
で、こういうのを見ると、
大抵はひたむきな主人公に肩入れしたくなるのですが、
今回の私は、石頭オヤジの味方でした。
気の毒なほど、気持ちがわかった気がしたのです。
きっと、ごくごく丁寧につくってあったからだと思います。

石頭おやじ役は、
『評決のとき』『アメリカン・ビューティー』などの
クリス・クーパーでした。

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2001年03月20日(火) ドライビングMissデイジー 

毎月20日はマイカーチェックデー。
そこで、車がもう1人の主人公ともいえそうな、
次の作品を選んでみました。

ドライビングMissデイジー Driving Miss Daisy
1989年アメリカ ブルース・ベレスフォード監督


89年度(第62回)オスカー本命視されていた
オリバー・ストーンの『7月4日にうまれて』を
蹴落として作品賞を受賞しました(監督賞はO.ストーン)。
ユダヤ系の会員が多いという米アカデミーが、
ユダヤ系の老女が主人公の作品に肩入れしただけ……
みたいな意地の悪い見方があったり、盗作騒ぎがあったりと、
慎ましい小品には似つかわしくない扱いも受けました。

史上最高齢で主演女優賞を受賞したジェシカ・タンディの
高貴な美しさもさることながら、
賞は逸したものの、
「ミス・デイジー」ことJ.タンディの運転手を演じた
モーガン・フリーマンも、
力まず、しかも大事なことが伝わってくるような
すてきな演技を見せてくれました。

そういえば、以前から思っていたのですが、
モーガン・フリーマンって、実はすごい美人の母親がいて、
顔の上半分だけ似た、みたいな想像をかき立てる、
非常に魅力的な目の持ち主じゃありませんか?
(もちろん勝手な想像で、本当のところはよくわかりません)
下半分のがっしりした造りもまたいい感じですが。

裕福なユダヤ人の老女が、自ら運転していた車で
小さな事故を起こしたことをきっかけに、
事業に忙しい彼女の息子(ダン・エイクロイド)が、
1人のトボけた黒人男性を、彼女のもとに運転手として
派遣するところから物語は始まります。
老女は元教師で、金持ちぶって見られるのを嫌う頑固者で、
最初は運転手を受け入れようとしませんでした。
が、結局、車も何度か代替わりをするほど、
何十年も2人で「車でお出かけ」することになります。

「息子」の妻のことを老女は、
「鼻持ちならないWASP(アメリカ社会の最もメジャーどころ)」
だと評しています。美人で、社交的で、高慢で、という人です。

いちいちユダヤ人、黒人、WASPなどと説明くさく書くのは、
そのくらいこの映画に、人種問題を考えさせる
エピソードが盛り込まれていたから。
例えば、ちょっと歴史的なことを考えれば、
ユダヤ人がクリスマスを祝うわけはないのですが
(同時期に「ハヌカー」と呼ばれる祭礼があるとか)
老女がくどいほどに「これはクリスマスプレゼント
なんかじゃないのよ」と言いながら、
文盲の運転手に字の教則本をプレゼントをするシーン。
アアだコウだと説明されるよりも、
照れをいらつきで表現しているように
プレゼントを忙しくなく渡す老女の姿を思い出す方が、
日本人には理解しにくい宗教について、
ユダヤ人迫害の歴史について、
考えさせる契機になる気がします。

それでいて、これといった大事件は起こりません。
強いていえば、運転手がちょっと缶詰をつまみ食いしましたが、
「何もそこまで」というような効果音で演出されているのが、
何だか滑稽な感じを与えました。

ストーリーやプロットに感心するというより、
偏に、名優たちの繊細な演技を味わうのに向くと思います。
心優しい、出しゃばらない映画でした。

私がこの映画を見たとき、妊娠5カ月でした。
次女のときは、ほぼ同週数のころに、
ひょんなことから、浅野忠信主演の
『地雷を踏んだらサヨウナラ』を見てしまいました。
これはこれでお勧めの秀作でしたが、
おっとりした長女に対し、次女の方は、
8カ月にして立派なやんちゃ者です。
妊娠中に見る映画は選ぶべきですね。

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2001年03月17日(土) アイルランド特集

3月17日はアイルランドの守護聖人に因んだ
聖パトリックの祝日です。
そもそもIrelandには緑の国という意味があるそうですが、
この祝日には、緑色のものを身に着けると
いいことがあると言われています。

「西洋盆」ともいうべきハロウィンが何となく市民権を得たように、
このセント・パトリック・デイに緑のものを身に着けたり、
緑色のビールで乾杯したりする日本人も、
最近は結構いるようですね。
私の暮らす田舎では、お目にかかったことがありませんが。

田舎といえば、かつて明治の詩人・丸山薫が
「汽車にのつて」という詩をよみました。
「アイルランドのやうな田舎に行く」のだと。
この詩にはその後、曲もつけられ、
今はコーラスなどにも使われているので、
聞いたことのある方もいるのでは?

そこでアイルランドが舞台になった映画や、
アイルランド色が強い作品、
アイルランド資本で撮られたなど、あれこれ御紹介します。

タイトルの羅列になってしまいそうですが、
これがまあ、本当にたくさんあるのですね。

『父の祈りを』『マイケル・コリンズ』
『ナッシング・パーソナル』
など、
政治思想色の強い作品は言うに及ばず、
ほのぼのしたファミリードラマ、ファンタジー、
青春映画など、枚挙にいとまがありません。

もっともアイルランドといっても、御存じのように
北アイルランドは、厳密にはイギリスの一部です。
正直、イギリスとアイルランドの関係について
正しく理解できている自信が、私にはありません。
だから、イメージ優先の話になってしまいますが、
なんと文化性の高い国なのでしょう。

どこか郷愁を誘うケルトミュージックの国で、
エンヤやU2やシネイド・オコナーが生まれました。
イギリスのU2といわれる
(と言っている人を、間近で見たことはないのですが、
この表現は聞いたことがあるので、一応)
シンプル・マインズは、
「ベルファスト・チャイルド」という曲を
しっとり演奏していました。

4人のノーベル文学賞受賞者を輩出し、
優れたイギリス文学者とされる人は
みんなアイルランド人だとさえ言われ、
比較的最近の映画『アンジェラの灰』では、
「シェークスピアは素晴らしい。
きっと彼はアイルランド人だったんだ」
なんてセリフが出て行きました。

「パディ・クラーク ハハハ!」でブッカー賞を
受賞したロディ・ドイルの作品は、
『ザ・コミットメンツ』『スナッパー』『ヴァン』の
ラビット一家三部作が映画化。
残念ながら、「ヴァン」は日本未公開の上、
ビデオも出ていない模様ですが、前の2作品には、
熱くなったり、笑ったり、ほろっときたりした人もいたのでは?

丸山薫が、思いをはせながら行くことができなかった
「アイルランドの田舎」が見たいなら、
小さな村の宝くじ騒動を描いた
『ウェイクアップ!ネッド』
往年のフランス映画「わんぱく戦争」のリメイク
『草原とボタン』
アイリッシュ・アメリカンの政治家の票獲得のために、
ルーツを求めてアラン島に派遣された美人秘書の運命は?……
『恋はワンダフル!?』
といったあたりでしょうか。

ほかにも、タイトルだけ挙げれば、
『フィオナの海』>『サークル・オブ・フレンズ』
『マクマレン兄弟』『静かなる男』
et cetera

ここまで書いておいてナンですが、
これをテーマにした私がバカでした。
深遠過ぎて、書けば書くほど足りない気がしてきます。

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