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2009年02月28日(土)


■負け戦
勤怠管理の単調な画面を見ると、80%ぐらいの確立で睡魔に出会う。なんとかしなきゃな〜と思うのだけど、連敗中。

先日はレンタルが半額だったので、またたくさん借りてきた。新作は2泊までとのことで、昨日慌てて『落下の王国』を鑑賞。つい先月、飯田橋の映画館で二本立てでやっていて、がんばって映画館まで行ったんだけど、満席で諦めて帰ってきたやつ。もっとがんばってやっぱり映画館で観ればよかった。

現実とファンタジーが混在している点で、『パンズ・ラビリンス』と少し似ているが、似ているだけに違いも際立つ。『落下の王国』は現実でも物語でも笑い、傷つき、泣き、そんな風にわたしたちの暮らしと近い目線で綴られた物語だ。この物語(ファンタジー)はある種の救いではあるけれど、あくまでわたしたちが生きているからこそ生まれ出てくるものである。『パンズ・ラビリンス』はもう救いですらなくて、物語そのものを生きている。

 *

『鋼の錬金術師』テレビアニメ版、12、13巻。なかなか借りれずに、2ヶ月ぶりぐらいに続きを見る。漫画原作と比べると、アニメの方が作り手の性格が悪い気がする(笑)。そしてアニメは丁寧に作られていた前半と比べると、後半はやや物語や絵が荒い気がする。漫画の方は一気に20巻まで読んだわけだけど、何年もかけてテンションも質も落とさずに描き続けている作者に尊敬の念を覚えた。4月からのアニメの新シリーズも楽しみだ。たぶんリアルタイムでは観られないけど。。


2009年02月25日(水)


■なかなか変換できないル=グィンの。
『闇の左手』は素晴らしかった。SFとして素晴らしいとは言えないけれど、小説としては素晴らしい本だ。人は頭で考えることに慣れすぎている。行間には、形にならなかった彼女の思念に満ち溢れている。形にならないからこそ、広がりがある。形が出来すぎているものは詩にしろ映画にしろアートにしろ、逆に何かが足りないということになる。

ようやく読み終えたので、泉鏡花の『高野聖』を読み始めている。3度目。初めて読んだときに、なんであんなに苦労したのかわからないが、まあ3度目だし、読みずらいこともなく、むしろいちいち文体がツボに入り、読む手が止まる。

風呂では逆上せそうなので、今日は雑誌を持って入った。文藝、古川日出男の特集号である。もともとバックナンバーの購入で、さらにずいぶんと放置していたが、なんとなく時が来た、と思って。

拾い読みはせず、1ページ目から本気読み。古川さんと柴田さんの対談がアツい。自分の引いたあるラインからは一歩も引かないぞという彼の強い意志は、彼の小説からも感じられる。だからわたしは古川さんの小説の出来とか面白かったかとかそんなことは二の次で、わたしは古川さんの書く小説が好きだ。

対談の次は、江國香織、角田光代、小澤征良の2ページずつのエッセイ。女性作家3名。これは角田さんに軍配。わたしは江國さんしか読んだことがなく、しかも結構な冊数を読んでいる、にもかかわらず、江國さんは何を言っているのかよくわからなかった。

ここまでで完ぺきに逆上せ、次回へ持ち越し。


2009年02月23日(月)


■禁句
どうも今年の目標をことごとく守れそうになく、自分にうんざりしたので、短いスパンで後ろ向きな言葉を言わないように、禁句ワードを作ってみようかと思った。しばらくのあいだは「めんどくさい」で。

と、そんなことを昨夜布団のなかで思っていたのに、次の日にはもう、口が勝手に言おうとして、めんどく…おっと途中まで言ってしまったよとか、一人遊び中。


うまく行かないことと、前向きでいることとは必ずしも相反しないのだなと、この週末は教えられました。


2009年02月22日(日)


■チュチュカレイドスコープレビューより、萌ちゃん
久しぶりにじっくり聞くことのできた藤坂萌子ちゃんの朗読は心に響いた。萌ちゃんの朗読は昔から好きだったけれど、いったいどこが好きなのか自分でも解らずにいた。けれど、昨日急に、はっきりとわかったのだった。

この人の朗読は、『人を恋しい』と思う気持ちを思い出させるのだと。人恋しい、ではなく、愛している、でもない。ある特定の人をただ恋しいと思う気持ち。それはまったく持ったことのない人もいるだろうし、今抱いているひともいるだろう。わたしのように”かつて持っていた”、人もいるだろう。

その人の顔かたち、声、その人へ向けていた感情すら思い出せないのに、自分がある人を恋しかったその感触が、じわじわと掘り起こされて来るのである。わたしはその人のことでもう泣く理由はまったくない。もう思い出しもしない。けれど、生あたたかく、強烈な、心の底がじんじんする奇妙な渇望は、ああ身体が記憶しているのだ、と思った。好きでも欲しいでもない、ただ恋しい、そういう気持ち。


2009年02月20日(金)


■波照の舞う展
http://www.misuzudo-b.com/gallery_2009_1.html
言葉の展示にはあまり興味がない。言葉の最上の表現方法は、言葉そのものでしかありえないと思うからだ。が、いただいたDMの陶器の佇まいのよさに惹かれて、いそいそと出かけた。前年ポエケットで今回の展示の一部を手にしたときの消化不良がなんとなく心に残っていたこともある。

風の強い昼下がり。湯島聖堂のすぐ傍にある美篶堂は文房具屋とギャラリーなどが併設されている、何だか不思議な場所である。小ぢんまりしているが、美しさというか、気持ちよさ、の詰まった空間だった。

構成は以下。
詩:白井明大、陶器:須藤拓也、活版印刷:高岡昌生(嘉瑞工房)
白井さんの沖縄の詩を活版印刷し、展示。
詩からイメージ得た陶器の展示。
筆で書かれた詩も川の流れをイメージさせるような形で展示。
活版も展示(これは興味深い)
沖縄民謡が流れている
※このような構成のインスタレーション型の展示であった。

ポエケットで活版印刷された詩を手にしたとき、印刷の見事さにはうなったものの、人ごみの中でパラパラ流し見しても、うまく受け取れるはずもなく、そのように伝えてすぐにお返しした。展示なら、とそのようなことも言った記憶があり、なんとなく責任を感じて出かけたのだった。

思った以上に、展示としての形が素晴らしく、とても贅沢で上質な空間に仕上がっていた。ひとつのイメージがきちんと空間に満ちている。この空間で、この詩はいい。ゆったりとした空間では心に入ってくるだろう。だが、都会の雑多な空間や電車の中のちょっとの隙間などにはうまく嵌らないだろうとも思う。良し悪しなどとはまったく別の次元で、詩とはそういうものだし、それが詩のよさでもあるとも思っている。

詩を書く人間としてどうしても考えてしまうのは、陶を手にしたときのその重さだ。形、そして重さがあるということの、その確実な手ごたえに対して、言葉というのはすごく儚く頼りないもののように思える。わが身を振り返り、急に茫漠とした気持ちになったのも確かだ。さらに逆説的に、だからこそ、希望もある。

それにしても。須藤さんの器でお茶をいただいたのだが、くちびるをつけたときの感触、これは正直心を持っていかれた。

 *

感情的になることではなく、感覚的になることは、結構難しい。ずっと覚えていたいけれど、たいてい感情よりうんと早く忘れてしまう。きっと身体のどこかに蓄積されているはず、と思いたいけれど。


2009年02月17日(火)


■週末
風邪は治りつつある…。前回の反省を生かし、今回はちゃんと薬を飲んでる。最近仕事が暇なせいか、気が緩んでおる。。

週末は暖かく、日曜は大宮まで梅を見に行った。お昼に寿司をたらふく食べ、夜はすき焼き。自分でリクエストしたのにすき焼きはあまり食べれなかった。胃袋がちょっと大きくなったからといって調子に乗ってはいけない。今日はお腹を壊した。

あとはひたすらインコと遊ぶ。ちーは相変わらず。健康優良児だが、ちょっと頭が悪い。ぴーは吐き癖が治らずに今にも死にそう。でも日々進化していて、毎月会うごとに行動範囲が広がっていて賢い。最近は人の手の中で眠るのがお気に入りで、かわいねーかわいねーとずーっと頭をなでなでしてしまう。首の後ろをかいてやるとうっとりと目をつぶったり、こっちもかいてーと首を回したりする。かわいすぎる。。


2009年02月13日(金)


■はやくも…
かるーく風邪を引いたもよう。疲れるようなことはしていないくせに、どうも疲れが溜まっていて、今週祝日があったにも関わらず、金曜も予定休にしておいたら、ほっとしたのかこのタイミング。ひどくならないように気をつけよう。。祝日は遠出は無理、と思って隣町に買い物に出たら、あんがい寒くて悪化の原因に(たぶん)。

丸井の割引券があったので、ジーンズを買ったのだけど、丸井めんどくさいわ!と思う。丸井のカードか現金じゃないと割引にならないとか。お金多めに持っててよかった。ジーンズも裾直しの料金かかるし。お得なのかもしれないけど、でもなんとなく意地になって丸井カードは持ちたくない気分になってしまう。ていうか、なら行くなって話か。

ゲバラは来週観に行きたいけど、たぶん無理。体調最優先で、お仕事がんばろうと思う。昨日は久しぶりにめっちゃ働いたな。水曜休みって連休よりいいかも。


2009年02月07日(土)


■体脂肪
はけんぽという派遣会社の健康保険組合があって、当初は薬の補助があったのがなくなり、その後ポイントに応じて商品と交換できる、というサービスもなくなり、保険料も上がるし、あんまりいいことないな。

ポイントの引き換え期間が迫っていたので、体脂肪も計れるという万歩計をもらってみた。結果、11パーセント。…使えん。シャンプーにしておけばよかった。今まで福利厚生など気にしたことがなかったけれど、こう景気が悪化してみると、ちょっと気になる。派遣は今後どうなるのかな…。短期契約だから、切られるかもというのは常に意識しており、契約終了に関しては文句を言うつもりは毛頭ないけれど、やっぱり社員との福利厚生や保障などの差は改善すべきと思う。法改正に期待。

先週はDVDをたくさん見すぎて、まだ感想が上手くかけない。映画館で観たゲバラの映画はよかった。淡々とゲバラを映すだけだが、革命が成功したわけも、これから失敗するわけもよくわかった。ゲバラたちは今ならテロリストと呼ばれる存在だが、彼らにも一人ひとりの顔があり、痛みや希望がある。

観終わって思い出したのは、赤軍を描いた「光の雨」だった。兵士一人ひとりが戦う理由を理解していることが一番強い、というようなことをゲバラは言う。その通りだと思う。だが皮肉にも、だからおそらくゲバラ自身の革命は失敗したのだし、一人ひとりの力を過信しないカストロは勝利したのだと思う。


2009年02月03日(火)


■アタマワルイ
続けてモーターサイクル・ダイアリー、ランド・オブ・プレンティを観る。当たり前だが、いろんな人がいて、いろんな見方があるなあと思う。4作続けてみて、奇妙な戦慄をおぼえた。自分の足元が危うい気になる。

ほぼ日手帳はロフトで発売、と調べて翌日なぜかマロニエゲートへ行ってしまう。そこはハンズ。もしかしたらわたしが道に迷うのは、方向音痴だからではなくて、単に頭が悪いだけかもしれないと思いがっかりした。その足で丸ビルへ行き、浮かれた感じの春限定カバーをセレクトする。家に帰ってさっそく書き込もうとしたら、3月からだった。ふたたびがっくり。気が早いけど、来年は1月開始の手帳に戻そうと思った。なんだか落ち着かない。

モーターサイクル・ダイアリーはゲバラの若い頃の放浪を描いたもの。親友と南米大陸をめぐり、この旅が彼を変えたという。この屈託のない純真な若者がどのように変わったのか、知りたい気がしてきた。デルトロ版、観に行こうかな。

ランド・オブ・プレンティは911後を描いた作品。アメリカで暮らす叔父とパレスチナから彼を訪ねてきた姪の邂逅の物語。なんと言っていいかわからないけれど、主演のミシェル・ウィリアムズがよかった。もしこういう表情で、こういう言動をする女の子が実際にこの世に存在するのなら、そのことだけで大きな希望である。叔父の方はブルース・ウィリスに見えてしまって笑えた。ちなみに監督はヴィム・ヴェンダース。あんまり観たことがなくて、彼の文法がうまく読めない感じ。ふむ。


2009年02月01日(日)


■ハライタイ
不調。。
へんな時間に寝て、目覚めに喉が渇いたので野菜ジュースを一気飲みしたら腹を下す。

気分的に不調で、こういうときは何をやっても空回りする。今日は飯田橋のギンレイホールに行ってみたのだけど、映画の日のせいか満席で入れず。入替制ではないため、待つ気になれず、かといって電車に乗る気にもなれず、秋葉原まで歩いた。1時間ぐらい。ほぼ日手帳を買おうとおもったのだけど、有麟堂には置いてなかった。記憶では1月開始のときはあったんだけどな。ロフトに行かないとだめか。しかし高いな!

不調(イライラ)の原因はわかっているのだが、ちょっと意固地になっている。思ったことを言えばいいのかもしれないが、わたしの言葉はいつでも強すぎるので、少し考えてからものを言うようにしているのだけど、時間を置きすぎるとあれこれふくらみすぎて余計に重くなる気がする。それにしても、、それにしても。。

ギンレイホールは二本立てで、ラインナップも悪くないし、決して遠いわけでもなのだけど、やっぱり気軽には行きづらい立地。落下の王国見たかったけれど、今回は縁がなかったと思って諦める。やっぱり見たい作品は公開時に見ておけってことだな。

帰って、昨日の続きの「列車に乗った男」を見る。ルコントだった。少し癒される。面白かった。面白かったのだけど、心地よくて妙に眠気を誘う作品だ。そしてへんな時間に寝てしまう。