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2006年05月30日(火)


■山椒魚
唐突にまた思い出した。近所に古本屋さんがあるというので、けっこう前に見に行ったのですが、おっそろしい雰囲気で圧死するかと思いました。怖い店主のいるラーメン屋みたいな(笑)。日本文学専門で、入った瞬間にやばいと思いました(笑)。でもすぐに出れないし、背表紙を眺めつつ本棚を折り返したところで、来る来る来たー!みたいな感じで、やっぱり話しかけられました。「何探してんの?」と。もう本当に小心者なので、びびりまくって口が勝手に井伏鱒二の厄除け詩集と答えてました。

そしたら、倉庫にあるから今度出しといてあげると言って、話の途中でいきなり奥へ消えてしまって、どうしたらいいのかわからずに立ち尽くしていたら、額に入った鱒二先生のポスターを持って戻ってきました。山梨県立文学館のもので、ここはとてもいいそうです。
http://www.bungakukan.pref.yamanashi.jp/index.html
また来ますといって帰ってきたので、また行かなきゃ。雰囲気が怖いのだけど、いろいろ教えてくれて、親切な方でした。厄除け詩集は岩波(穂村弘さん解説です)とか講談社でも読めるのだけど、元の本は装丁もいいので、やっぱりほんもの欲しいですねえ。関係ないけど、これも読みたいです↓




2006年05月28日(日)


■CGI
重い腰を上げて、やっと映画の掲示板のアドレスを変えました。迷惑書き込みがすごかったです。自衛するのは当然なんだけれど、メールやこういった書き込みを取り締まれるようになったらいいなと思います。機会が自動的に書き込んでいくのだけど、内容がどうであれ、受け取り手がいるってことはコミュニケーションの一端であるわけで、そこに心がまったくないっていうのは怖いことです。

そんなわけで、ついでにホームページのデータを全部新しいパソコンに入れ直したので、そろそろ映画の方はがーっと更新しようと思います。

■メモ1
ジム・ジャームッシュ。ノーチェックのひとで、誰かと思ったら「コーヒー&シガレッツ」の監督でした。あとクロエ・セヴィニーの「10・ミニッツ・オールダー」も。ううむ。これしか観ていないとは。「コーヒー&シガレッツ」はとてもよかったです。ちっちゃいテーブルで、カップがカチャカチャなったり、手でカップをいじったりとか、なんでもないことなんだけど、会話以上に、そういうところに良さがあるのかも。うーん、タバコは吸わないのですけど、日常の間に挟み込まれているコーヒータイムって、本当にこういう感じ!と思ったのでした。ゆったりとした時間の中で、贅沢にあじわう〜みたいなのとまた違って、楽しいとか幸せとかそうことじゃなくて、でも必要なもの、そんな感じでしょうか。

■メモ2
パトリス・ルコント。たまたま先日買った雑誌で軽く特集されてました。ルコントといえば「仕立て屋の恋」。わたしの高校時代に避けては通れなかったものが、「ノルウェイの森」とこれでした。あと他にもあったと思うのだけど忘れちゃった。なんか妙に大流行してました。

こないだ友達が好きだと話していて、仕立て屋しか知らないなあと言っていたのですが、他にヴァネッサ・パラディの「ハーフ・ア・チャンス」「橋の上の娘」を観てました。同じ人なんだな。すごいびっくり。橋の上の娘はけっこう好き。ナイフ投げの男と的の女という、ああ、となんだかわかりやすくてツメも甘いのだけど、ストイックな距離感がたまらないです。恋愛映画なら、日本人にはフランス映画の方が感覚的にわかりやすいような気がします。好き嫌いはまた別ですけれど。

先日鳥越さんが、アメリカは多種多様な人間がいるので、本当はフレンドリーなのではなくて、わかりやすいコミュニケーションの方法を取らないとトラブルになるから、というようなことをおっしゃっていて、なるほどーと思いました。


2006年05月24日(水)


■要チェック
もうちょっとで7周年なので、今年は連詩か何かやりつつ、プレゼントを用意しようかなと思ってます。手元にMIELと琴箱でラックス(ちがうちがうコトバコデラックス)の冊子が余分にあるので、それらを。て、ものすごく自分の宣伝なんですけど、詩のサイトだし、販売物なのでプレゼントにはなるかなあと。詳細は6月初め頃出します。ぜひぜひ。


2006年05月23日(火)


■クローサー(米)
ナタリー・ポートマンが観たくて借りてきました。彼女はこれでゴールデングローブ賞を受賞していますが、確かによかったです。ていうか、かわいすぎ…。「レオン」以降、わたしの中ではぜんぜんパッとしていなかったんですけど、今回のこの役はとてもいいです。役柄としてはストリッパーで、ちょっとすれた感じ(でも心は純粋みたいな)の、わりと作りやすいキャラクタだったと思うのですけど、それをもうアリスという女の子でしかない、という唯一無二の存在感に作り上げていて、立派になったなあと思いました。

ストリッパー役なんですけど、子供体型なので妙に愛らしくて、なんか子供が水遊びをしているみたいでした(笑)。他の3人もいい仕事をしていて、特にジュリア・ロバーツはもっと評価されていいんじゃないかと思いました。

作品の作りは舞台みたいだなあと思っていたら、やっぱり舞台が元になっているみたいです。時系列は時間通りなのだけど、何年後とかいきなり飛んだり、恋に落ちた次の場面で(いつのまにか結婚してた)別れ話をしているというような感じで、最初はかなり面食らいました。しばらくジュードとナタリーは二役だと思ってたし。

基本的には会話で成り立っている作品。で、男女の間の話しかないのが、ある意味潔くていい。いわゆる恋愛映画ともちょっと違うのかな。男ってバカだなあと苦笑いしっぱなし。でも後から考えてみると、いちばん大人のふりをしていたジュリア・ロバーツの役がいちばん痛かったかも。こういうひと、底が明るくて、結構好きですけど。


2006年05月20日(土)


■ピナ・バウシュ
http://www.saf.or.jp/performance/geijyutu/06_15_video.html
先週に引き続き、彩の国さいたま芸術劇場「video dance 2006」に行ってきました。生のダンスは詩の関連のイベントで少し見たくらいで、わたしは基本的に映像で見る機会の方が多いです。バレエとコンテンポラリーとかその他のダンスの違いなどもよくわからずにいて、なかなか面白がりポイントがつかめずにいます。先週のときは半分くらい寝てしまいました。

5月の頭にやっていたイメージフォーラムのフェスティバルでは、ピナ・バウシュのドキュメンタリーとラララ・ヒューマン・ステップスの「アメリア」に感激して、今日はがんばってピナ・バウシュを4時間ほどぶっつづけで見てきました。

ほとんどがドキュメンタリーで、彼女が繰り返し繰り返し言うのは、「言葉にできない」ということで、正確ではない表現をしたくないということでした。詩もそうだけれども、舞台も形があるようで、受け取っているものは実は形のないものであって、それを言葉で説明するのには細心の注意が必要ではないかと、そういうことではないかと思います。身につまされますね。

最近、ひとつ閃きのようにおもったのは、詩人というのは詩を書く人のことではなくて、詩情豊かな人のことではないかなと。いわゆる詩人以外の人の語る「詩」という言葉の使い方が、いわゆる詩人のものとちょっとずれているなと感じています。

さて、ピナ・バウシュの表現したいものはごく単純で、風を感じることとか、小川の水に触れることとか、あと普通に持っている感情とか、そういうことみたいです。つまり生きているってこういうことかな、と、なんだかそんなことではないかなと思いました。すごく満たされました。あと、彼女のアップの顔が、わたしの亡くなった祖母にとてもよく似ていて、なんともいえない気持ちになりました。今度日本に来たら必ず見に行こうと思います。でも来たばかりなんですよねー。


2006年05月15日(月)


■トム・ヤム・クン!
マッハの方がいい出来でした。象がでてくるとのことで、楽しみにしてたんですけど、ちょっと可哀想な展開になってしまってしゅんとなりました。今回はおそらくアクションシーンに力を入れたってことなんだと思うのだけど、観客へのサービス精神を欠いていたとおもう。これを観て、チャウ・シンチーの偉大さを思いました(笑)

■靴に恋して
スペインの大人の女たちの痛くてちょっとカワイイ物語なのだけど、はしばしにペドロ・アルモドバルの影響を感じました。それともスペイン映画がみんなああいう感じなのかな。いや単に同性愛者率が高いだけかもしれませんが。。ただ結構違うなと思ったのは、その明るさ。若くて健康的な感じさえしました。「イン・ハー・シューズ」を観てから、靴についてよく考えるのだけど、身に付けるものというのはやはりそのひとをよく表しているような気がします。お洒落かどうかとか、好みがどうかとか、そういうことではないのですけど。。ちなみにスカートをあんまり履かない女の子にはかわいいねとか言わないほうがいいと思います。

■らくだの涙
モンゴルの映画です。ドキュメンタリーとは思えないほど奇跡的な話だったのですが、それはともかく、撮り方がうまくて、うっかり愛って深い…と思ってしまいました(笑)。モンゴルの風景はなんだかSFのようで、わたしはいつも泣きたくなるんだな。

家族ってなんだろう。人間のお母さんがらくだの親子のために歌う歌は、やっぱりわたしのなかにも何かが注がれる感じがして我を忘れました。うーん、なんていうのかな、時間とかお金とか情報とか、何かを必死に消費していくことが価値であるかのように錯覚してしまうことが多々あるのですけど、形のない本質的なことにきちんと気づいて行きたいなと思いました。

■東京ゴッドファーザーズ
ファンタジックでハッピーな物語でした。「妄想代理人」の印象が強かったので、今監督の作品としてみるとなんとなく物足りなさも感じるのだけど、でもクリスマスだしな。よく出来ていて面白かったです。

■のんきな姉さん
安寿と厨子王関連の3つの作品からインスパイアされて作ったという作品。劇で言うと、人気のある小劇団の舞台、という感じでした。シーンで区切ると、どの部分も好きなんだけど、全体としてはなんだかぼかされて煙に巻かれてしまったような気もする。あらゆる距離感が非常に遠い。これはどうなんだろう。ほんとうにこの深度で合ってる?と制作サイドに何か突きつけたい気分にもなりました。

■アイランド
マイケル・ベイ監督作品。ばかな話だよって感じの映画なのですが、主役2人の頭のわるそーな感じが非常に楽しいです。ユアン・マクレガーの二役とかはまりすぎ。

■交渉人 真下正義
思ったより面白かったです。ユースケさんの脇を固める人たちがちゃんと活きてて、よかったですね。せちがらい世の中ですから、人情としては結末はそれでいいのか?と思いましたけど、映画としてはうまい選択だったと思います。あとボレロというのはどうしたって心地いいんですよね。にくいなあ。ず「愛と哀しみのボレロ」観なくちゃなー…。